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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【11】(没)

グラール太陽系に存在する惑星の成層圏内を旅客・貨物運送目的で使用される飛行機械『Gフライヤー』
パルムの東地区には民間やガーディアンズが所有するGフライヤーの発着場、フライヤーベースがある。
フライヤーベースのターミナルでアリアと合流したヘイゼル達は、ガーディアンズ隊員移送用のGフライヤーに搭乗し、目的のレリクス近くにある野営基地へと出発した。
移送先の野営基地は、以前ラフォン草原で大規模なSEED汚染があった際に遂行された浄化作戦の際、前線基地として同盟軍が設置した物を、作戦終了後に撤退した軍からガーディアンズが買い上げ、ミッションへ赴く際の中継地として使用されている物だ。
今回、ヘイゼル達が受諾したミッションはラフォン草原にある、先史文明の遺跡群『レリクス』へ赴き、調査隊の障害となる原生生物、及び『スタティリア』を排除する物である。
四人は野営基地で一夜を過ごし、翌朝、日の出と共に借り受けたジープに乗り込むと野営基地を後にした。悪路を進む事、約二時間あまり、一行は目的のレリクスへ到着した。
森林地帯の最奥、悠久の時の中、生い茂る樹林に埋もれ、その遺跡は存在した。
「これが……『レリクス』……ッスか」
ユエルが樹木に溶け込んだ、巨大なピラミッド状の構造物を眺め、感慨深そうに呟いた。

【レリクス】

人類がグラール太陽系に移住する以前、およそ一万年前に存在した先住民の文明の跡。
非常に高度な技術力を持ち、その力は先のSEEDとの大戦末期に利用されSEEDを封印した、三惑星に跨る巨大な封印装置を建造した事実を見ても明らかだ。
だが、その高度な化学力を持った文明は、SEEDによって滅んだとされている。現代の人類より進んだ文明を持っていた彼等も、SEEDの脅威には勝てなかったのだ。
それでも彼等の遺跡は、グラールに移り住んだ人類にとって、研究資料の宝庫とも言える貴重な物である。
ユエルはピラミッド状の構造物にそっと手を触れてみた。風化して表面は磨耗している部分もあるが、それは非常に頑丈な物質で、石で出来ているのか金属なのか、それすら彼女には理解できなかった。
「おーい! あったんだぜ!」
遺跡を調べていたビリーの声が上がる。三人がビリーの声があった場所へ集まると、彼は入り口と思われる場所に密生した植物の蔦を小剣(ダガー)で切り払っていた。
「―――と、こんな物か」
人が侵入できる位に蔦を取り去ると、ビリーは一息付き、額にうっすらと浮かんだ汗を拭う仕草を見せた。蔦に覆われていた内部へ続くトンネル状の通路が露となっている。地上にある建造物は古代人の遺跡の一部にしか過ぎない。本当に重要な彼等の遺跡は地下に拡がっているのだ。

四人はレリクス内部へと侵入した。内部は温度・湿度共に快適な状況に保たれている。数千年の経過を経ても、遺跡内部の空調設備は生きて稼動しているのだ。内部の壁や天井を無尽に走る、基板の配線を思わせる物の上をフォトン粒子が走り、明滅する淡い光源が生物の鼓動のように脈動している。
グラール太陽系同盟締結百周年記念式典の当日に起こったSEEDの襲来による一連の騒乱……。
その最中、只の『遺跡』であると考えられていた『レリクス』は突然稼動を始めたのだ。
一説にはSEED飛来が原因であると言われているが、本当の原因は不明である。
しかし言える事がある。レリクスは古代人が残した営為の跡などではなく、現在も稼動している何らかの『施設』なのだ。
「相変わらず不気味よねえ……」
不思議なレリクス内部の様子にアリアはぶつぶつと不満を漏らす。
「だが来た以上、仕事はして貰うぞ? それが嫌なら邪魔だ。野営基地まで帰れ」
ヘイゼルが冷たく言い放ち、レリクスの奥へ歩き始める。
「嫌なんて言ってないじゃない! もう、待ってよ!」
アリアは慌ててヘイゼルの後を追った。
「さ、ユエルちゃん俺達も行こうぜぇ」
「は、はいッスよ~」
先に進む二人の後を追って、ビリーとユエルも歩き出した。
今回、彼等がやって来たレリクスは、数年前に一度大規模な調査が行われている。その際に大掛かりな内部の掃討作戦が行われた経緯がある。大きな危険は少ないと判断したビリーの読み通り、敵する原生生物も出現せず、一行は至って順調に奥へと進んでいた。
「こりゃ、何事も無く終わっちまいそうだぜ……読み通りとは言え、張り合いがないんだぜ」
ビリーがつまらなそうに鼻を鳴らす。既に二つ程ブロックを過ぎ、広い空間に出た。
「楽な仕事にこした事は無い。……だが、そう甘くはなさそうだぞ、ビリー」
広間の奥に小さな黒い影が蠢いていた。
大きさは人の半分ほどで群れを成している。腕は無く、発達した後ろ足で歩いていた。人類の起源となる惑星にかつて存在していた、小型の肉食恐竜を思わせる姿のそれは、こちらの存在に気付いたらしく、奇妙な鳴き声を上げると迫って来た。
「バジラだ!」
ヘイゼルが生物の名を叫ぶ。パルムに住む原生生物で地表に生息しているが、稀に何処からかレリクス内部へ進入し繁殖しているケースがある野生動物だ。
「ヘイゼル前へ出ろ! ユエルちゃんはヘイゼルの討ち漏らしを頼むぜ! アリアは二人のバックアップとテクニックの支援攻撃を!」
『了解!』ッスよ~!」
ビリーの指示に従い、それぞれが行動を開始する。意外な事かもしれないが、このパーティーの指揮を執るのは彼なのだ。
「OK! Let's lock!」
アリアから肉体機能を高め、シールドラインのフォトン反発力を上げる効果を持つ補助テクニックの支援を受け、ヘイゼルがバジラの群れに突っ込んで行く。ヘイゼルの両手にフォトン粒子が輝くと、ナノトランサーから転移した片手持ち剣が出現する。刃幅が厚いフォトンの片刃を持つ、GRM社製の『デスダンサー』と呼ばれる双片手剣(ツインセイバー)だ。
「おおおぉぉっ!」
右手の剣を突き出すとリアクターからフォトンの粒子がほとばしる。噴出す粒子を推進力にして敵陣に斬り込む。密集していたバジラに囲まれる形で足を止めてしまったヘイゼルに、バジラは襲い掛かるが、彼は跳躍し空中へ逃れていた。デスダンサーのリアクターが再びフォトン粒子を噴出す。フォトンの勢いで通常の跳躍では有り得ない程の空中へ逃れたヘイゼルは、身体を反転させ頭部を下へ向けると、彼を襲う為集まったバジラ群れに両手の剣の狙いを定める。フォトン粒子の推進力で身体を回転させ抉り込むような一撃を上空からお見舞いし、バジラの群れを蹴散らした。
「あ、あんまり近づいてこないで欲しいッスよ~!」
ユエルは弱気な叫び声を上げながら鞭(フォトンウィップ)を振るっている。攻撃に精彩は欠くが、バジラは不規則な鞭の軌道に阻まれユエルに近づけないでいた。しかし、その内の一匹が鞭の攻撃を掻い潜り、ユエルに襲い掛かる。
「ひっ!」
悲鳴を上げるユエルの目の前で、バジラの頭部に風穴が開けられた。驚いて振り向くと、後方でビリーが銃身が黒いGRM社製のライフル、『バースト』を構えていた。
「あ、ありがとうッスよ~」
助けられた礼を言うユエルにビリーはウィンクして答えた。
「良いって事なんだぜ。バックアップは俺達に任せて、ユエルちゃんはもっと前に出ちゃうと良いんだぜ」
のんびりと話している間にも、ビリーのライフルは次々とバジラを捉えていく。簡単に作業をこなしている様に見えるが、彼の射撃センスは半端ではない。
「さあ、ヘイゼルの援護を」
ビリーの言葉にハッとなり、ユエルはヘイゼルに目を向けると、多数のバジラに囲まれ苦戦していた。
「うわわっ! 今、援護に行くッスよ~!」
慌ててユエルはヘイゼルの元へ向かった。
「遅いわよ! 前衛なんだから、ちゃんと仕事しなさいよ!」
「す、すみませんッスよ~」
ヘイゼルの危機にセンターまで上がって来ていたアリアから叱責が飛ぶ。
アリアはテクニック発動デバイス、優美なフォルムを持つ、ヨウメイ社製の長杖(ロッド)『ハウジロドウ』を手に、バジラの反属性『氷』系の単体攻撃用法撃術『バータ』を発動しバジラを牽制していた。
『アリア・イサリビ』
苗字が表すように彼女はニューデイズ出身で、ニューマンの父とヒューマンの母から生まれた混血児である。容姿はヒューマンであるが、内面はニューマンの資質を受け継いでおり、法術を行使する上で重要な彼女の精神力は、一般のヒューマンより高い数値を示していた。
「アリア! 突出しすぎなんだぜ!」
「解ってる!」
ビリーの指示がアリアの耳に飛び込んでくる。
(解ってはいる……けど……)
生まれのアドバンテージで高いテクターの資質を持つ筈のアリアの法撃は、バジラに致命傷を与えられていなかった。
回復テクニックの『レスタ』も後方からでは対象に届かない事もある。
経験不足による法術制御の未熟さ……彼女は発展途上のテクターなのだ。
四人の連携でバジラは次々と数を減らして行く。
「こいつらで……終わり……か?」
動いている二匹のバジラを見てヘイゼルが問う。流石の彼も息が上がっていた。
「ハァハァ……リアクターの……PP……もう無いわよ……」
アリアがロッドのPP残量(テクニック発動の際に消費される、デバイスのリアクターに装填されたフォトンエネルギーの事)を確認して呟いた。
「ヘ、ヘイゼルさん! あ……あれを見て下さいッスよ!」
突然のユエルの声に彼女が指し示す方向に目を向けると、広間の奥にある別の階層へ繋がる階段から、戦闘の騒ぎを聞きつけたのか別のバジラの群れが降りて来ていた。
「そん……な!?」
その様子を見たアリアが呆然とする。そんな彼女とは対照的に、二人の男は疲れた表情の中にも、不敵な笑みを浮かべていた。
「クソが……ッ」
「良いねぇ、どうせ殲滅が目的だ。派手にいこうぜぇぇぇぇ!」

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

【完】

ユエル   「私達の戦いはこれからッスよ!(゚∀゚)」

ヘイゼル  「え、打ち切り!? Σ(´Д`lll)」

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