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2008年12月の投稿

Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-12】後書き(゚∀゚)

http://moegami.moe-nifty.com/blog/2008/12/phantasy-star-8.html

↑ 本編はこちらから!

ヘイゼル   「また、ディ・ラガン出ねえ―――っ!(#゚Д゚)」
ユエル    「結局、年末まで“ディ・ラガン出る出る詐欺”が続いたッスね(゚∀゚)」
ヘイゼル   「まあ、それはそれとして後書きだ」
ユエル    「あい!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「進行状況的にはどんな感じなんだ?(゚Д゚ )」
ユエル    「全体の3/4位まで話しが進んだ所ッスかね?(゚∀゚)」
ヘイゼル   「やっとか・・・(;´Д`)」
ユエル    「起承転結で言うと転?(゚∀゚)」
ヘイゼル   「俺に聞くなよ・・・」
ユエル    「自己シリーズでは最長の作品になりそうッスよ(゚∀゚)」
ヘイゼル   「上手い人がまとめたら、もっと短くできたろうになあ・・・」
ユエル    「言うなッスよ!ヽ(`Д´)ノ」
ヘイゼル   「怒るなよ・・・あと今回から始めた挿SSはどうなんだ?」
ユエル    「慣れないながら一生懸命頑張ってるッスよ。いろいろと試行錯誤と実験をしながら、こっちの技術も付けていきたいッスね~(゚∀゚)」
ヘイゼル   「まあ頑張っているので、ゆっくりと見守ってやってください」
ユエル    「それじゃあ、最後に私達から一年の感謝を込めて・・・」

『良いお年を―――』ッスよ!」




ユエル    「でも、この話しが終わったらブログネタが無くなっちゃうッスね(゚∀゚)」
ヘイゼル   「そっちも努力しろよ!Σ(´Д`lll)」

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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-12】

ユエル    「今回はグロ注意でお届けしまッス(゚∀゚)」
ヘイゼル   「グ、グロ!? Σ(´Д`lll)」

--------- 再開 ----------

【Assault of the Diragan】 Scene-06

「明日は我が身とならない事を祈るんだぜ……」
遺体の前でビリーは両手を合わせ黙祷を捧げる。この祈りの形はグラール教団の信徒が用いる様式だ。
「ビリーさんはグラール教の信徒なんですか?」
それを見てジュノーが不思議そうに首を傾げ、ビリーに訊ねた。
「俺かい? 俺はバリバリのロッカーなんだぜ」
いや、意味が解らない。解らないがジュノーもそれ以上突っ込む事は無かった。
「まあ、形だけでも弔ってやらないとな……可哀想だろ?」
手を合せたまま、ビリーはジュノーにウィンクして見せると、「そうですねぇ……」と頷いてジュノーもビリーを真似て両手を合せ黙祷をする。
祈りを終えると死体回収用のNT(ナノトランス)ボディ・パックのデバイスをビーストの遺体のすぐ傍に設置する。大きさは煙草の箱程、装置を起動させるとフォトン粒子が遺体を包み、ボディ・パックの中に収納されていく。
ナノトランサーを人へ使用する事は原則として禁止されているが、死亡した人間に限って許されていた。
「遺体の回収、済ませたんだぜ」
ビリーが遺体を発見、回収作業を済ませた事を通信でルウに報告する。
『ご苦労様でした』
ルウはその報告を作戦室でモニターしていた。彼等の動向は概ね把握している。
「だが、死体は一つきりだ。周囲を探して見たが他のは見当たらないんだぜ」
『そうですか……先程、お話しした遺体からビジフォンは回収して頂けましたか?』
「ああ、回収したんだぜ」
ビリーは右手に目を落とした。その手には遺体が握っていた携帯ビジフォンが握られている。救難信号を発していたのは、おそらくこの端末だ。しかし……。
「でも、この端末、バッテリー切れちゃってるぜ?」
『そのようです……。今回の任務はPMが同行しておりますよね?』
ルウの問いにビリーは一度、ちらりと傍らのジュノーに目を移す。彼女は"私ですか?"と言いた気に目をパチクリさせていた。
「ああ、ヘイゼルの所のGH-450がいるんだぜ」
『では、その子のフォトンリアクターから電源を回して、携帯ビジフォンに接続してみて下さい』
(なるほど、流石はガーディアンズの頭脳……その手があったんだぜ)
ビリーはルウの提案に舌を巻いた。
「解った。ジュノー、PS-USBケーブルを出すんだぜ!」
「はいです!」
ジュノーは後ろ手にスカートの中に手を回すと腰の辺りからケーブルを引き出し、先端のコネクタをビリーに差し出す。
PS-USBはデータ転送を行うと共に、電源供給も可能なバスパワー規格を有する汎用バス・インターフェースである。
「頼むから壊れてませんように……」
それを受け取り、ビジフォンに繋ぐとビリーは電源を入れた。数瞬の沈黙の後、OSの起動画面が立ち上がる。
「OK! 上手くいったんだぜ」
『では、端末のデータ履歴から情報を復元します。GH-450"ジュノー"、データ転送の中継をお願いします』
「かしこまりましたです!」
ルウとジュノー、二人の"機能(力)"により、故人が遺した携帯ビジフォンの画面にPT情報が復元される。そのマーカー・シグナルは行動を共にしていたメンバーの現在位置を示している筈だ。
表示されたマーカーは、ビリーが手にしている物を含めて五つ。その内、二つが離れた地点に隣接するように点滅している。しかしマーカーの横には"DEAD"の文字が記されており、既に死亡している事が見て取れるのだが、残り二つのマーカーは重なりあって点滅していた。縮尺の為、表示精度は十メートル程の誤差はある筈だが、それよりも不思議なのは、この二つが移動している事だ。Photo
「移動してる……生存者がいるんだぜ?」
いや、そんな筈は無かった。移動しているマーカーの横にも"DEAD"の文字が無情に表示されているのだ。
「……どういう事なんだぜ?」
『おそらく、それが今回の目標であるディ・ラガンです』
ビリーはルウの言葉に一瞬眉をひそめたが、ある事に思い当たった。
「なるほど……腹の中って訳なんだぜ?」
『貴方が頭の回転の速い人で助かります』
ルウはビリーの洞察力を控え目に称えた。
「解ったぜ、このマーカーシグナルを俺達のナビゲーターに転送してくれ。追跡して目標のディ・ラガンを討つ、敵討ちと行こうぜ!」
『ナビゲーターの設定ポイントを変更しました。引き続き作戦目標のディ・ラガン排除をお願いします』

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

―――system scan complete. personal "Juel" boot up―――

目を開けると優しい榛色の瞳に見つめられていた。
ぱちぱちと目を瞬かせ、再起動を完了したユエルが目を覚ます。
「やっと気付いたか……」
ヘイゼルは安堵したのか小さく息を吐く。ヘイゼルの感情の機微は殆ど目に見えない物だが、ユエルは最近になってやっとヘイゼルの感情が何となく解るようになってきていた。
「あれ……私は何を……?」
ユエルは頭を片手で押さえながら上体を起こす。タスク処理に混乱があるのか情報処理に鈍さを感じる。
「確か……ヘイゼルさんに休憩を取るように言われて……あ、あれ?」
「憶えて無いのか?」
怪訝そうな表情を浮かべるヘイゼルの問いに、ユエルはふと思い出した。
ヘイゼルの後を追い、そこで目にしてしまったビーストの死体。
それを見て……見て……見て?……失神してしまったようだ。02
納得がいかない、自分の記憶に戸惑いがある。
何かが……何かが引っ掛かっている。
「……ユエル、やはりお前は帰れ」
唐突なヘイゼルの言葉がユエルの意識を現実へ引き戻す。彼女は慌てて顔を上げた。
「そんな!」
「死体をくらいで卒倒する奴が、この先ディ・ラガンと戦える訳が無い」
「……!」
「ユエル、お前に覚悟はあるのか?」
二の句が継げないでいるユエルに、ヘイゼルが問い掛ける。
『ヘイゼル、君の"守るべきもの"は……見つかったのか?』
その姿が何故か、あの時ヘイゼルに問い掛けたダルガン総裁の姿とだぶって見えた。

『ユエル、お前に覚悟はあるのか?』
ヘイゼルはユエルへ問う。
ユエルは"ガーディアンズ"の『グラールの平和を守る』という理念、現実を覆い隠した上辺の奇麗事しか見ていない。
彼女の瞳は、明るい世界しか映していない。それは世間知らずで稚拙な視野だ。
"ガーディアンズ"に籍を置くという事は、生易しい物ではないのだ。
ガーディアンズとして『闘う』覚悟、それは己の死をも享受するという事。
先ほど目にしたビーストの死のように、任務の果てに無様で醜い骸を晒す事になろうとも後悔をしない、それが―――。

ガーディアンズであると言う事。

「お前にその覚悟は無い……だから帰れ」
一方的な断定にユエルも感情的になり言い返す。
「じゃあ、それがヘイゼルさんにはあるッスか? 望んでガーディアンズになったわけじゃないヘイゼルさんに!」
死体処理と、ルウとの打ち合わせを終えたビリーとジュノーが戻って来たが、二人の徒ならぬ雰囲気に思わず足を止めていた。
一瞬、言葉に詰まったヘイゼルだが、彼の返答は自分でも驚くほど、すんなりと口から飛び出した。
「……覚悟は無い!」Psu20081230_143037_040
断言するヘイゼルにユエルは言葉を失う。
「俺にあるのは諦めだけだ……だから俺は戦える」
ユエルは緋色の女性キャストから聞かされた話しを思い出す。

ヘイゼルの転落した人生―――。

ただ、決められた道の上を歩き続けるしかない奴隷の人生―――。

生きる事に意味を見い出せない人生―――。

ユエルはヘイゼルの瞳の中に暗い影を見た気がした。
その暗い色に一瞬返す言葉を失う。
しかし彼女も引く訳にはいかなかった。
「だったら私にだって……!」
「もう良い……」
そんなユエルの言葉をヘイゼルは遮った。
「これ以上議論する気は無い……お前は帰るんだ」
一方的な断絶の言。
断ったのは二人の繋がり。
堪えるが涙が溢れる。
ユエルはヘイゼルに背中を見せると声を殺し肩を震わせ泣いた。003
見兼ねたビリーがユエルの肩に手を置き、彼女を慰める
「ユエルちゃん……あいつは君の事が心配で、ああ言ってるだけなんだぜ」
それは解っている。ヘイゼルさんは優しい人だから……。
だから、ユエルはヘイゼルの力になれない事が悔しくて泣いているのだ。

《続く》

後書きへ!

http://moegami.moe-nifty.com/blog/2008/12/post-754f.html

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来年が来るぞ―――!

タイトルにあんまり意味はありませんが、何か?(゚∀゚)

此処二日、PSUで顔を見ないって?

PSZにハマッてると思ってる、そこのアナタ!

実は殆どプレイしてませんッスよ('Д`)

此処二日ほど小説の方に集中してるッス!

ヘイゼル   「書いてる内に酔っ払って寝てね?(゚Д゚ )」

ヘブッ!∵(´ε(○=(・∀・*)

本当は今日更新する予定だったッスけど、思い止まってクオリティアップしようと思います。

多分、今年最後の更新だし、SSも賑やかにね!(゚∀゚)

ヘイゼル   「俺も作った事だしな!(゚∀゚)」Psu20081227_004200_006

ヘブッ!∵(´ε(○=(・∀・*)

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クリスマス中止勧告!

Photo

ユエル    「メリスマー!(゚∀゚)ノ♪」
ヘイゼル   「遅えっ! 今更かよっ! Σ(´Д`lll)」
ユエル    「クリスマスのリポートだし良いじゃないッスか(゚∀゚)」
ヘイゼル   「(´-`).。oO(クリスマスのリポートがPSUか…)」
ユエル    「何か思ったッスか?(#゚Д゚)」
ヘイゼル   「♪~(゚ε゚) 」

と言う事で、クリスマスはいかがお過ごしだったッスか?(゚∀゚)
私はキャス子カフェにて行われた、プレゼント交換に参加してきましたッスよ。Psu20081225_222912_003

3日位前に奮起して交換用に“ダブルアギト”を作ってみた物の…Photo_2

惨敗! Σ(´Д`lll)
出来たのは出来たけど、喜ばれる属性値は付かず('Д`)
じゃあ前に拾ってあった“スター・アンプ”でも包もうと思うも、ふと相場が気になって検索してみると…Psu20081226_150833_000

このお値段! 思わず倉庫に逆戻ししてしまいましたッスよ(゚∀゚)

ヘイゼル   「せこっ!  Σ(´Д`lll)」

と言っても、もう合成基板も無いので、止む無く現在も愛用している、私のとっておき…

ブリュミエエール 闇46% 5/10

をラッピングして贈る事にしたッス。
これはA武器だから、大抵の職で使えるから結構良いッスよね(゚∀゚)

ヘイゼル   「良いかぁ?(゚Д゚ )」

Psu20081225_221321_000

で、臨んだ交換の結果…Psu20081226_151328_020

見事、“ツインDBの剣”(無属性)を入手!

ヘイゼル   「m9(^Д^)プギャー!」
ユエル    「やかましいッスよ!ヽ(`Д´)ノ」
ヘイゼル   「と、言うか貰った物に文句言うな! くれた人に悪いだろが!(#゚Д゚) 」
ユエル    「♪~(゚ε゚) 」

でも、気前の良い人はかなり良いもの入れてたみたいだったッスよ。
そんなこんなでイベントは終了したッスけど・・・ここ二日の疲れが影響してか、まさかの24:00前寝落ち!!
 Σ(´Д`lll)

その後、25:30位に起きてカフェに居た残留組とPSZをしましたッス。
そんなクリスマスでしたッスよ~!(゚∀゚)

ヘイゼル   「うむ! 今年もPSU充実したクリスマスだったな!(゚∀゚)」
ユエル    「言うんじゃねえッスよ―――ッ!!ヽ(`Д´)ノ」

※今回から『みきゆFONT』を画像の一部に使用しています(゚∀゚)
サイト名 : 「素材屋405番地」
U R L : http://mikiyu.oops.jp/405/

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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-11】後書き

【PSU小説】Phantasy Star Universe-L・O・V・E【後書き】

最初っからいきなりゴメンナサイッスよ (ノ∀`)
今回は書いても書いても、切りの良いところまで進まず最長になってしまったッスので、前後編でお送りするッスね('Д`)
お詫びに今回はSS多めにしといたッスよ(゚∀゚)

Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-11】前編

http://moegami.moe-nifty.com/blog/2008/12/phantasy-star-5.html

Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-11】後編

http://moegami.moe-nifty.com/blog/2008/12/phantasy-star-6.html

話しはいよいよ佳境に!?

……入るかもッス?(゚∀゚)

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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-11】後編

http://moegami.moe-nifty.com/blog/2008/12/phantasy-star-5.html
《ここから後編、前編は上へ》↑

不意に鳴り響いたのは携帯ビジフォンの電子音だった。ビリーがジャケットのポケットから携帯ビジフォンを取り出す。画面を確認すると光点が指定地点に到着した事を示していた。
「ヘイゼル……」
ビリーの目配せにヘイゼルは頷く。彼も携帯ビジフォンを画面を確認していた。
「ユエル、ジュノー、この辺りで少し休憩だ」
「え? は、はいッスよ」
「解りました」
いきなりな休憩の合図にユエルは戸惑うが、彼女とジュノーは言われた通り、近くの大きな岩に腰掛け休憩を取る事にした。Psu20081222_125246_010
「俺とビリーは周囲の警戒をする。お前達は此処を動くな。だが、さっきの原生生物のように敵襲は考えられる。休憩中だからと言ってくれぐれも注意を怠るなよ」
「わ、解りましたッスよ」
言い含めると、ユエルは真剣な表情で頷いた。
(こう言って置けば大丈夫だろう……)
「じゃあ行ってくる」
「頼んだぜ、ユエルちゃん、ジュノー!」
ビリーとヘイゼルは一度顔を見合わせると、二手に分かれて行動を始めた。
二人に話した警戒と言うのは建前だ。携帯ビジフォンのナビゲーターの光点がこの周囲を示している。
ビリーは注意深く辺りを見渡しながら目標の物を探していた。それから数分、生草と土の匂いの中に、不意に鼻をつく饐えた臭いが混じって来た。
(これは……この臭いは……)
何度も嗅ぐのは御免こうむりたいが、この臭いには覚えがある。
臭いの元を探して茂みを掻き分けていると、その中から数匹の原生生物が慌てて飛び出し逃げていった。突然やって来たビリーに驚いたのだろう。Psu20081222_125932_039
小柄で緑色の体色をしていたから、おそらくパルム在来の小型原生生物"ポルティ"だと思うが、一瞬見かけたポルティの顔は赤く汚れていたように見えた。そのポルティが逃げ去った場所の茂みを覗くと……それは居た……。
「ヘイゼール!」
ビリーがヘイゼルの名を呼ぶ。
(見つけたか……)
ヘイゼルは重く息を吐いた。気乗りはしないが仕方がない。ビリーの声が上がった場所へ足を進める。
「……見つかったのか?」
ビリーが足元の茂みに視線を落としている。ここからでも嫌な臭いがヘイゼルの鼻に勝手に進入してきて、思わず嘔吐(えず)きそうになる。
「ああ、見つけたんだぜ……」
酷い臭いに顔を顰めながら二人が立ち尽くしていると、背後から突然能天気な声が掛かった。
「行方不明の人、見付かったッスか?」
ユエル!? あれほどジッとしてろと言ったのに、お前は!
「馬鹿、こっちへ来るな!」
ヘイゼルが慌てて止める、がしかし遅かった。
ユエルは二人が見つけた地面に横たわる、かつて"人だった"モノに気付いてしまった。
それは、かろうじて人だったと理解できる物の断片。
高度から落とされたのか、頭部が陥没し灰色の脳髄が飛び出しており、左目も潰れていた。残った片目は恐怖に見開かれ虚ろに濁り、胸部から下の部分を噛み千切られている。見るも無残な肉片と化した浅黒い肌の男性ビーストの死体。
腐敗が始まり、蛆が湧いた赤黒い肉の隙間から肺や心臓の一部が飛び出している。原生生物に引っ張り出されたのだろう。
ユエルはその死体を凝視したまま凍りついたように動かない。Photo
(慣れない人間が、ここまで惨い死体を見たら当たり前か)
ヘイゼルは舌打ちした。
ユエルの目が見開かれ、身体に細波のような震えが走っている。
だが彼女は人とは違って、食事をすることも無い。急に嘔吐するような事はないだろうと、ヘイゼルは高を括っていた。

ユエルは目の前に広がる残酷な光景に目を奪われていた。
人の死体……赤黒い肉片……赤黒い血……。
フィルターを掛けたように視界が赤く染まり、ぐらぐらと輪郭が揺れる。
何かが……何かが……定まらぬ光景を映し出そうとしていた。

赤色・朱色・紅色・丹色・茜色・緋色……。
色調を変えて往くアカイイロ。
緋色の炎……頬を撫でる熱風……闇空……煙る夜空……。
見覚えの無い光景が連続する写真のように目まぐるしく過ぎる。

(コレ……は? 私は……こんな光景知らない……)

赤色・朱色・紅色・丹色・茜色・緋色……。
色調を変えて往くアカイイロ。
緋色の炎……頬を撫でる熱風……闇空……煙る夜空……。
見覚えの無い光景が連続する写真のように目まぐるしく過ぎる。

(知らない……知らない筈なのに……)

赤色・朱色・紅色・丹色・茜色・緋色……。
色調を変えて往くアカイイロ。
緋色の炎……頬を撫でる熱風……闇空……煙る夜空……。
見覚えの無い光景が連続する写真のように目まぐるしく過ぎる。
何度も、何度も、何度も、何度も―――。

(私は……私は……知っている……?)Psu20081222_133406_150

「ああぁ……あぁ……ああぁぁあぁぁ……」
"何か"を思い出しそうなのに、"何か"がそれを無理矢理に捻じ伏せている。
緋の世界……(停止!) 黒煙に煙る闇……(停止!) 瓦礫の山……(停止!) 沢山の人間達の―――(停止!!)
理由は解らないのに感じている、心を抉られたような失望感と、言い表せない感情。
例えるならそれは痛み。
頭脳体を頭から取り出して、放り投げる事ができたらどんなに楽だろう。
ユエルは頭を抱えて小刻みに震え続けている。瞳は遠くを見ているように定まっていない。
ビリーは始め、それを精神的なショックによる物と考えた。だが……。
(いや違う! この様子は尋常じゃないんだぜ!?)
「ヘイゼル!」
ビリーに言われるまでもなく、ヘイゼルはユエルに駆け寄っていたが、狂気の発露とも見えるユエルの有様に思わず躊躇していた。
「ああああああああああぁぁぁあぁぁあぁ―――っ!」Psu20081222_132122_127
漏れる言葉が悲痛な悲鳴に変わり、ユエルは髪を掻き毟りながら、大きく背中を仰け反らせる。

"shutdown -h now"

バツンッ! とユエルの頭の中で何かが弾けた。
空に向けられ、大きく見開かれたユエルの瞳から光が消える。
意識を失った彼女の身体からガックリと力が抜け、仰向けに倒れるところをヘイゼルが抱き止めた。
「ユエル……うぉっ!?」
ユエル支えたヘイゼルではあったが、予想以上の彼女の重量に一瞬バランスを崩しかけた。しかし寸でのところで持ち直す。
意識が無い人間の身体は意識がある時より重く感じる物だ。加えてキャストの肉体を構成している物質は金属部品も含んでいる為、見た目より重いのは当然であるのだが……。
(それにしても重過ぎないか? キャストとはこんな物だったか?)
ヘイゼルは違和感を感じながらも、ユエルの身体をそっと地面に横にした。
ビリーとジュノーも傍まで寄ってくると、心配そうに彼女の顔を覗き込んでいる。
ユエルは固く目を閉じ苦悶の表情を浮かべたまま、機能を停止している。
「精神的な不可による強制停止か? ……あんな悲惨な死体をいきなり目にしてしまっては、無理も無いが……」
「ショックによる気絶? お前には、あれが只の気絶に見えたんだぜ!?」
ビリーは珍しく声を荒げると、右手でヘイゼルの肩を力任せに突き飛ばした。ヘイゼルは腹が立つよりも、見た事も無いほど激しく激昂するビリーに目を丸くしていた。その視線に気付いたビリーは我に返り、いつもの表情を取り戻すと、決まり悪そうに頭を掻いた。
「スマン、ちょっと頭に血が昇り過ぎたんだぜ……」
「いや良い、それよりも……」
ヘイゼルは首を横に振って見せた。こう素直に謝られては怒りようが無い。
「気は進まないが遺体の回収をしてしまおう……。俺はユエルの介抱をするから、ビリーは回収の方を頼む。ジュノー、奴を手伝ってやってくれ」
「解った……ユエルちゃんの事は頼んだんだぜ」
ヘイゼルの指示にビリーは頷いた。
「じゃあ、ビリーさん行きましょう!」
張り切るジュノーの後に続くビリーだったが、ふと思い出したように振り返り眉根を寄せた。
「あれ……俺、貧乏くじ引かされてね?」

《続く》

--------- ここまで読んだ ----------

ユエル    「ところで前回の更新の中で言ってた予告憶えてるッスか?(゚∀゚)」
ヘイゼル   「・・・なかった事にしてる(;´Д`)」
ユエル    「どこまで続く、ディ・ラガン出る出る詐欺!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「次回こそは…次回こそは必ず!」
ユエル    「まだまだ続くッスよ―――(゚∀゚)」
ヘイゼル   「やめい! Σ(´Д`lll)」

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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-11】前編

【Assault of the Diragan】 Scene-05

ラフォン草原。
ホルテスシティ近郊に存在する、この緑豊な草原地帯は、実は人工的に再現された環境である。Psu20081222_130940_089
かつてグラール太陽系で勃発した惑星間戦争。
種族間の軋轢が生んだこの戦争は"種族間戦争"と呼ばれ、五百年もの長きに渡り太陽系全土を荒廃せしめた。
パルムの大地も広範囲に焦土と化し、一度は生態系の危機を招いたが、戦争終結後に自然環境は人の手によって再生され、現在の緑溢れる自然を再現されている。
しかし、先のSEED来襲事件でラフォン草原は大規模な汚染に曝され、自然環境は再び破壊された。
動植物の30%が浄化処理……平たく言えば殺処分を受け、最大のコルトバ牧場"グリングリンファーム"も甚大な被害を被り、ホルテスシティでは一時期、食肉の安定供給に支障を来たす事態に陥ったが、現在はその供給も安定して来ている。
(いや今はそんな事より、宇宙(そら)に召します星霊とか、とにかくそんな存在よ……試練とかそう言う面倒なのは、この際ご遠慮しておきたいんだぜ……)
ビリーは頭を抱えたい衝動を抑えて、半ば諦め交じりに天に祈っていた。
彼の隣では、ヘイゼルのパートナーマシナリー、ジュノーがぎこちない笑みを浮かべている。
原因は彼の前方を往く二人だ。
右手に身体を白い外装パーツで覆った小柄な女性キャスト、ユエルが、左手には二の腕部分に炎属性のシールドラインが走る、黒いドリズラージャケットを羽織り、ブルージーンズを履いた長身の青年、ヘイゼルが歩いている。
二人は並んで歩いているのだが、その間に人が一人入れそうな隙間を空けていた。双方とも無言のまま目を合わそうともせず、ただ黙々とビジフォンがナビゲートする地点を目指し歩を進めていた。Psu20081222_124745_000

話しは昨日に遡る―――。

待ち合わせ場所のフライヤーベース・ターミナルへ先に到着したビリーが、ヘイゼルが来るのを待っていると、彼はパートナーマシナリーのジュノーの他にユエルを伴って姿を現した。
ヘイゼルは支部で今回の任務に、アリアとユエルを連れて行かないと言っていた。
(ああ、奴の見送りか……ユエルちゃんは健気なんだぜ)
と、その時は単純に考えたビリーだが、ユエルはGフライヤーの中まで付いて来たのだ。
いよいよおかしいと考えたビリーがヘイゼルに理由を訊ねると、不機嫌な顔で「知るかっ!」と怒鳴られた。
(……って、何で俺が怒られたんだぜ?)
今更だがビリーは首をかしげる。
その時、身の丈程もある草むらの中から、いきなり何かが飛び出して来た。
上腕と胸筋が発達した人型の原生生物"ヴァーラ"だ。
灰色の外皮と食人鬼(オーガ)を思わせる歪で大きな角を持ち、巨大な鍵爪を武器としている。
通常群れで行動し狩りをする習性を持っているが、四人の前に姿を現したのは二体である。群れから離れた若い種か、それとも斥候なのかは解らないが奇襲のつもりなのだろう。
(考える前に行動だ! こいつらは凶暴で攻撃性が強いんだぜ)
ナノトランサーからマシンガンを転送しようとしたビリーだが、GRM社製片手剣を転送したヘイゼルと、GRM社製片手小剣を転送した二人が問答無用で薙ぎ倒していた。Psu20081222_130445_069
「ヴァ―――ッ」
断末魔の悲鳴を上げるヴァーラには目もくれず、二人は再びスタスタと歩き出す。
(容赦ねえな!)
身も蓋も無い攻撃にビリーは呆れていた。
二人の間に何事かがあった事は一目で理解できるのだが、ずっとこの調子なのは勘弁願いたい。
(むう……堪らない雰囲気なんだぜ)
ビリーは並び歩くジュノーに小声で話しかけた。Psu20081222_125352_011
「なあ、一体何があったんだぜ?」
「それが私にも良く解らないんです。昨日、お二人で部屋に戻って来た時から言い争っていて、ずっとあの調子なんですよ……会話の内容から、この任務にユエルさんを同行させる、させないで言い争っていたようなんですけど、結局最後にヘイゼルさんが『じゃあ、勝手にしろ!』って怒ってしまって、このような状態に……」
「なるほどねぇ……」
大体の話しは理解できた。
つまり、ユエルを置いていく説得に失敗した訳か……しかし、とビリーは内心思う。
(ヘイゼルの奴は少し過保護過ぎなんだぜ)
ユエルを加えた初ミッション以降、何度か彼女と共に任務をこなして来た。
ビリーの見立てでは、危なっかしい所もある物の、彼女の能力は一般的なガーディアンズの実力か、それ以上だと見ている。中でも回避力が高い点は、ウォーテクターと言う職種も影響しているのだろうが、ビリーも一目置いていた。
彼女の力ならディ・ラガンとの戦闘でも足を引っ張る事は無いと思うのだが……。

ヘイゼルとの微妙な間隔を空けながら、ユエルは時折り盗み見るように彼の様子を窺っていた。
ユエルが今回の任務に付いて行くと我が儘を言ったのは、慢心からでは無い。
昨日、宿舎への帰り道でヘイゼルから、ビリーとジュノーの三人でディ・ラガン討伐に向かうつもりである事を聞かされた。テクニックを使う事のできる、自分とアリアを置いてである。
法撃支援型パートナーマシナリーのジュノーが一緒とは言え、ヘイゼルの事が心配だったユエルは、せめて自分だけでも任務に同行させてくれるように願い出た。
只、単純にヘイゼルの身を案じての行動だった。
結果的に言い争う形になってしまったが、別に彼に怒りを感じている訳では無い。この雰囲気が良くない事なのも知っている。
(何か謝る機会があれば……)
そう考えているユエルの耳に、ふと規則的な電子音が飛び込んで来た。

《後編へ続く》↓

http://moegami.moe-nifty.com/blog/2008/12/phantasy-star-6.html

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たまにはこんな感じで…(゚∀゚)

一昨日仕込んだ『Cルゥカー』が完成ッス!
結果は!Psu20081217_230357_001

ハイハイ、ワロスワロスヽ(`Д´)ノウワーン

ヘイゼル   「完成しただけ良いじゃねーかっ! Σ(´Д`lll)」
ユエル    「まあ、たまには小説ばっかりじゃなくプレイリポートもつけるべきかと思ったッスよ(゚∀゚)」
ヘイゼル   「 Σ(´Д`lll)」

で、今回は此処で発表しているPSU小説 “Phantasy Star Universe-L・O・V・E” のまとめ的な物はないの?

と、ごく一部の人の希望があったので、第一部を修正&まとめた物を置いておくッスね(゚∀゚)

どんな形態がいいのか迷ったので、面倒だから複数用意しておくッスね。

読みやすい形態で読んで下さいッスよ(゚∀゚)

「phantasy_star_universelove01.zip」をダウンロード

①HTML…ツリー形式になってて、章毎に読めるッスけど、文章が折り返してくれないのでちょっと面倒かもッス('Д`)

②RTF…文章を勝手に折り返してくれるッスけど、ツリー形式みたいに章毎に読めないのが難点 (ノ∀`)

で! オススメなのがこの形式!

③STF…これは“Story Editor Ver3.31”というツールで作られているッスよ。

一部の物書きさんの間では好評な“アウトラインプロセッサ”ッス!

上記の①+②の利便性を備えた、読み手にも優しいツールだと思うッスよ。

レポート書いたりするのにもオススメッス!(゚∀゚)

使ってみてくださいッスよ~!

ツールの入手先はこちらッス!↓

http://www.lares.dti.ne.jp/~cheebow/computer/myapps.html

さて、連載小説もタイムスケジュール的に来年1月には終われそうッス(゚∀゚)

今しばらくお付き合い下さいッスよ~!

次回、“Phantasy Star Universe-L・O・V・E

ヘイゼル達はラフォン草原で遂にディ・ラガンと遭遇!?

彼等の運命は如何に!

―――それは、戦火に彩られたL・O・V・Eの物語―――

ヘイゼル   「PSU小説の第一人者、某人の次回予告的な物をパクリやがった! Σ(´Д`lll)」
ユエル    「♪~(゚ε゚) 」

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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-10】

【Assault of the Diragan】 Scene-04

「彼の両親はキャストに殺されたのよ……」
衝撃的な言葉にユエルは一瞬息を飲む。
「ッ! ……ゲホッ、ゲホッ!」
―――ムセタ。
「……そう言ってしまうと刺激的すぎるわね。正確に言うと、彼の両親はキャストが支配する社会システムのせいで命を失った……と言った方が良いかしら?」
「……どう言う事ッスか?」
「そうね、簡潔に教えてあげる」
緋色の女が語ったヘイゼルの過去は、彼が少年の頃にまで遡る。
―――八年前、ヘイゼルの父親はホルテスシティで商社を経営していた。
それは彼が一代で興した会社で、規模は小規模だったが順調に業績を伸ばす優良な企業であった。
物心付く前から不自由なく、しかし礼節を尊ぶ両親に厳格に育てられたヘイゼル・ディーンだったが、彼の幸福な日常は突然終わりを告げる。

それは軽率な一つの過ち。

父の会社の脱税が国税局の立ち入りによって発覚したのだ。
事件はマスコミでも報じられ、社会的信用を失い融資を受けられなくなった会社は、資金繰りがつかなくなり経営が行き詰ってしまう。
キャストが支配する世界の経済は徹底した合理主義だ。
そこに人の情が入る余地は無い。
信用を損失した中小企業に生き残る手段は無かった。
その結果、父親の会社は倒産し、一家は路頭に迷う事になる。
重圧と責任に気を病んだ父はノイローゼの果てに自殺。
度重なる心労が重なった母も病に倒れ帰らぬ人となった。
両親を失い、他に頼る身内の無かった十二歳のヘイゼルに残された道は二つしかなかった。
ストリートギャングや犯罪者に身を落とし闇社会の中で生きる事か、ガーディアンズの幼年学校に入学し、将来的にガーディアンズとなる事である。
本来、この年頃の子供達は無限の夢と可能性を秘めた、研磨されない宝石の原石のような物の筈。
だが、理不尽に失った幸福と大切な者の命の果てに、ヘイゼルに残されたのは対照的な二つの選択肢。
限られた未来でしかなかった。
ヘイゼルのこれまでの発言が思い出される。

「俺がガーディアンズになったのは、自分が生きる糧を得る為だ……誰かを、何かを守る為にガーディアンズに入隊した訳じゃない」

―――それしか辿り往く道が無かったから―――。

「俺は人を助ける為に戦う気は無い」

―――自分も助けられなかったから―――。

「俺は……誰も守れない……救えないんだ……」

―――両親を救えなかった悔恨故に―――。

「今でも嫌いだよ……」

―――だからキャストを憎むのだろうか―――。

奪われた可能性の果てに行き着いた先は、望まぬ生き方を強いられる無慈悲な現実。
そうする事でしか生きる事が出来ない不甲斐無い自分。
だからヘイゼルは憎悪した。
社会を……システムを……それを構築した者達(キャスト)の全てを。
それがヘイゼルの心を永久に蝕む呪縛、過去から現在(いま)へと続く憎悪のリンケージ(連鎖)。

話しを終えた緋色の女性キャストが席から立ち上がる。
彼女の身体は痩身で鋭利な"刀"を連想させるシャープなシルエットをしていた。女性でも目を奪われる程、機能美すら感じる無駄の無い姿態である。
未だヘイゼルの過去に衝撃を受けているユエルの耳元に、彼女はそっと囁き問う。
「自分の製造(産み)の親を理不尽に奪われたり、殺されたりしたら……貴女だったらどうするかしら?」
記憶を失ったユエルに"製造の親"や"育ての親"の思い出は無い。
だが、もし自分がヘイゼルと同じ境遇に置かれたら……怒るだろう、恨みを持つかもしれない。その事は用意に想像できる。できるのだが……だが、何だろう? 妙に何かが引っ掛かっている。
答えを躊躇うユエルに緋色の女は微笑みかけた。
何故か満足そうな含み笑い。
「今は無理に答えなくて良いわ。でもいつか聞かせて、貴女の答えを……ね」
緋色の女性の艶やかな髪に髪飾りが揺れている。ユエルはそれを無意識に目で追った。
鋭利な刃物を連想させる女性が身に付けるには、とても、とても不釣合いな可愛らしい花の形をしていた。Psu20081212_235154_010



「……ユ……ル……ユエル!」
遠くから自分を呼ぶ声にユエルは我に返った。
掛けられたの声には聞き覚えがある。聞き違える筈など無い、それはヘイゼルの物だ。
「ヘ、ヘイゼルさん!?」Psu20081215_154356_000
ヘイゼルは駅前の通りを、ガーディアンズ支部の方角から歩いて来る所だった。
彼は必要以上に慌てるユエルを見て、怪訝な表情を浮かべている。
「何をそんなに慌てている?」
「いや、別に何も……ッスよ……」
慌てて取り繕うが、ユエルの表情は引きつっている。
断りも無くヘイゼルの過去に触れてしまったのだ。彼の性格から言って、それを面白いとは思わないだろう。
ユエル自身も彼との接し方に戸惑いがある。
だが、それを悟られるわけにはいかない。
何とか平静を装わないと……。
「まあ良い……カフェからの帰りか?」
挙動不審なユエルの様子を訝りながらもヘイゼルは訊ねた。
ユエルはギクシャクした動きで頷いてみせる。
「そうか、俺は部屋に戻るがお前はどうする?」
「あ……私も帰るところッスよ」
「そうか、丁度良かった。お前に話す事があるんだ」
「話す事……ッスか?」
「ああ……」
支部からの直接の指令を受け、作戦に向かう件をユエルに話さなければならない。
「一緒に帰るぞ」
「はいッスよ」
ヘイゼルの言葉にユエルは頷き、二人は並んで歩き出した。
その間にある見えない隔たりは、まだ自覚できる程では無かった……。Psu20081215_154651_008

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

翌日―――。
ガーディアンズ宿舎の一室、都会的に洗練された調度類が配置された部屋。機能的なデザインとシンプルさはパルムのデザイナーが手掛けた物だ。
白いタンクトップに下着姿の少女が、ドレッサーの前で肩まである黒い猫毛を梳かしていた。
アリア・イサリビは髪を梳りながら小さく息を吐く。
彼女は最近ヘイゼルと一緒に居る時間が少なくなっている感じがしていた。
理由は何となく解っている。
アリアの脳裏に白い少女型キャストの姿が浮かぶ。
「あー、止め止め!」
アリアは頭(かぶり)を振ると少女の姿を頭から振り払い、ドレッサーの上の携帯ビジフォンを手に取った。
「こっちからばかりじゃなく、たまにはそっちからデートの誘いを寄越しなさいよね……」
アリアはヘイゼルを食事に誘おうと通信を試みる。しかし、通信は一瞬の呼び出し音の後、機械的な女性の物に切り替わった。
『通信の相手は現在任務中です。メッセージをお預かりします……』
アリアは目を見開いて驚いた。
「任務中って……ミッションに出てるの!? 私に何の誘いも無く!?」
通話を切ると、次にビリーに通信を入れてみるが、彼の通信も同じく任務中のメッセージに切り替わってしまった。
「二人で同じミッションに……テクターの援護も無しで?」
アリアの脳裏に再び白い少女型キャストの姿が浮かぶ。
「まさか……!」
ユエルに通信を入れるが、彼女の通信もまた任務中のメッセージに転送される。
あの三人で同じミッションに出掛けたの……私を置いて!?
ユエルが現れるまで、三人の中で唯一テクニックを使用できたのはアリアだけだった。
三人が初めて出会った、第三惑星モトゥブでのミッション。
あの時、任務中の危機をヘイゼルに救われたアリアは、彼に一目惚れをしたのだ。
単純な理由と笑われても構わない。
あの時から彼女は好きになった人の為に……彼の為に少しでも役に立ちたいと願い行動してきた……。
未熟な私だけど、少しでも彼の力に成れれば……そう思って一緒に戦ってきた。
(なのに……なのに!)
そこに加わったユエルと言う名の少女型キャスト。
近接戦闘からテクニックもこなす、自分より力のあるガーディアンズ。
(もう、私の力は……必要無いと言うの……?)
アリアの脳裏に再び白い少女型キャストの姿が浮かぶ。
(……貴女は……貴女が……貴女が!)
アリアの心に形容しがたい暗い何かが生まれようとしていた。

《続く》

--------- ここまで読んだ ----------

ユエル    「あ…ありのままに今起こった事を話すッスよ! 『戦闘回だと思ったら何でか展開がドロドロしてきた』何を言ってるのか分からないと思うッスけど。自分でも何でこんな展開になってきてるのか分からなかったッス!」
ヘイゼル   「計画性持って書けよ! Σ(´Д`lll)」

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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-09】

【Assault of the Diragan】 Scene-04

「ラフォン草原行きGフライヤー特別便の手配を済ませてきたんだぜ」
ガーディアンズ・パルム支部 一階ホールの休憩場所に置かれているソファーに腰掛けて待つヘイゼルの下へ、受付でGフライヤーの手配を終えたビリーが戻って来た。
今回のミッションは急を要する任務である。その為、定期便のGフライヤーでは無く、ガーディアンズ所有の高速揚陸艇(ランディング・Gフライヤー)“バイアクヘー”の利用が特別に許可されていた。
ラフォン草原でGフライヤーの発着場のある野営基地は、以前のレリクス事前調査ミッションで訪れた事のある場所である。
「やれやれ、またあそこか……野営基地のベッドは硬くて嫌なんだぜ」
ビリーが以前、基地で一泊した時の事を思い出しブツブツと文句を言っていると、ソファーに座ったままのヘイゼルがビリーの独り言に口を挟んだ。
「ビリー……お前、ディ・ラガンとの戦闘経験はあるか?」
「お前が無いのに俺があるわけあるないんだぜ」
問われたビリーは両腕を大きく広げ肩を竦めて見せた。
「そうだな……だが、ニューデイズのアレを憶えているか?」
ヘイゼルが続ける問い掛けに、ビリーは顎に手を当てて暫し黙考し、思い出したように膝を打った。
「ニューデイズのアレ……“ゾアル・ゴウグ”か」
ビリーは一年近く前にニューデイズで参加したミッションを思い出していた。
『ゾアル・ゴウグ』
それはグラール太陽系 第二惑星 ニューデイズに棲む“リンドブルム(大翼獣)級”の巨大原生生物だ。
姿形は“竜”と呼ばれた幻獣に酷似しており、生態はディ・ラガンと幾つか共通点を持っている。
当時、ヘイゼルとビリーはゾアル・ゴウグ討伐ミッションを受けた機動警護隊員から応援を頼まれ作戦に加わった。
だが、依頼を受けた彼等の腕は未熟で、ゾアル・ゴウグと戦うには経験が不足していた。
決定的な戦力を欠く中、ヘイゼルとビリーは善戦し、ゾアル・ゴウグを後一歩という所まで追い詰めたのだが、PTリーダーと彼の仲間達が怖気づき作戦放棄してしまった為、任務失敗となった苦い思い出のあるミッションだ。
「あれは忘れたくても、忘れられないミッションなんだぜ……Shit! 嫌な事を思い出させるなよ」
「あの時は俺とお前の二人だけで任務に当っていれば、ゾアル・ゴウグを倒せただろうな」
「ハッハッハッ! 違いないんだぜ」
二人はその時の事を思い出し笑いあった。
余談だが、二人がアリアと出会ったのも、その時のミッションである。
「ハハハ……だから今回のミッションは、お前と俺……そして俺のPM“ジュノー”の三人で行く……」
「……おい」
突然真顔に戻り、ヘイゼルが告げた言葉にビリーが眉を顰めた。
「アリアとユエルに“リンドブルム(大翼獣)級”の原生生物と戦うのは荷が重い。あの時の連中のように足を引っ張られるのはゴメンだ」
冷たく言い切るヘイゼルの態度に、ビリーは大袈裟に溜息をついた。
「オマエなあ……なんで素直に危険な任務だから連れて行けないって言えないんだぜ?」
「……」
ヘイゼルはムッとした表情を浮かべ黙り込んでいる。
「都合が悪くなると、すぐダンマリだ……。まあ良い、アリアには秘密にしておくとしても、ユエルちゃんにはちゃんと事情くらい説明してから来いよ。……じゃあ準備が終わったらフライヤーベースで落ち合おうぜ」
ヘイゼルは黙ったまま頷くと立ち上がる。
二人は支部のホールで別れ、任務の準備をする為に庁舎を後にした。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

カフェを後にしたユエルは、リニアトレインの駅へ向かって一人歩いていた。
お土産のチョコレートスフレはメモと共に置いて来てある。
カフェへ向かっていた時のウキクキした様子は今の彼女からは感じられなかった。
脳裏に焼きついたかのように、カフェで出会った女性キャストの緋色の輪郭だけが、まとわり付く陽炎の如くチラついている。
聞くべきではなかったのかもしれない……。
後悔はしないと決めた筈なのに……今はそう決めた事を後悔していた。
緋色の女性キャストの言葉が、頭の中で耳鳴りのようにリフレインしている。

「彼の両親はキャストに殺されたのよ……」

--------- ここまで読んだ ----------

ユエル    「…思ったんだけど、章のタイトルである“ディ・ラガン”関係なくないッスか、コレ? 『過去』とか『緋色の女』とかの方が良かったんじゃないッスか?(゚∀゚)」
ヘイゼル   「こんなに余計な事で尺を使うと思ってなかったみたいだぞ (ノ∀`) 」
ユエル    「だめじゃんッス!(゚∀゚)」

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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-08】

ユエル    「時代はファイマスター!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「本編でアレだけウォーテク押しておいてか! Σ(´Д`lll)」
ユエル    「WTのスキルLVは30止まりだから、折角の機会に上げておきたいじゃないッスか(゚∀゚)」
ヘイゼル   「まあな・・・」
ユエル    「なので今はスパダンをアゲアゲ中ッスよ!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「また微妙なものを・・・(;´Д`)」
ユエル    「でも速過ぎてJAのタイミングが合わないし、何より燃費が悪いッスよ!Σ(゚д゚lll)」
ヘイゼル   「少しは努力しろよ!(#゚Д゚)」

--------- 再開 ----------

【Assault of the Diragan】 Scene-03

―Hazell side―

「先週の事です。ラフォン草原の森林地帯でディ・ラガンの目撃報告がありました」
(ディ・ラガン!)
ヘイゼルは息を飲んだ。
ディ・ラガンはグラール太陽系に移民する以前の惑星で、伝説上の生物と言われた幻獣に姿が似ている事から、その名を名付けらた巨大な原生生物だ。
「ディ・ラガンは本来、山間に棲息する生物ですが、何らかの事由により、ラフォン草原まで下りて来た物と考えられます。
当該地区は付近の居住区から約80Kmの距離ですが、この距離はディ・ラガンの活動範囲でもあります。
付近の居住区に在住する人々の生活圏への介入も懸念される事態です。
居住区住民の依頼を受け、ガーディアンズはディ・ラガンの掃討を決定、討伐隊を募り作戦を敢行しました。
……それが三日前の事です。
しかし、作戦区域に派遣された討伐隊との通信は、救難信号の発信を最後に途絶しています。
その救難信号も、五時間前を最後に途絶えました……」
ルウは二人に意見を挟む暇も与えず、一気に説明を述べた。
「大変な事になってるねぇ……」
等と暢気な事をビリーは言っているが、それを俺達に説明しているという事は……。
「……今回、お二人には遭難した討伐隊の救難、及びディ・ラガンの掃討を依頼する為に出頭して頂きました」
(やっぱりそう来たか……)
「現時点で作戦行動が可能な機動警護班所属の隊員の中で、作戦遂行確率が最も高かったのが貴方達です。
ご存知かと思いますが、先のSEEDとの戦争で多くの優秀な人材が失われました……」
それは任務中の殉職が原因だけではない。
負傷し再起不能となった者、PTSD(心的外傷後ストレス障害)により任務に当たれなくなった者……理由は様々だ。
「今は一人でも多くのガーディアンズが必要とされる時期です。
作戦に同行するメンバーの選定は一任しますが、作戦の危険確率はかなり高くなっております。メンバー選定には充分注意して下さい。……内容はご理解頂けましたでしょうか?」
ルウが二人に確認を求めてくるが、二人に命令を拒否する自由は無い。
ガーディアンズは民間組織であり、そこで働く者は依頼をこなす事で報酬を得ているが、所謂"傭兵"とは違う。
彼等はグラールの平和を守るガーディアンズの理念の下、命を賭して職務に当たる為に集ったのだ。

自らの意思で―――。

『闘う』覚悟を持つ事……それがガーディアンズに所属するという事なのだ。
彼等が所持している『ガーディアンズ・ライセンス』、それが持つ意味は限りなく重い。
「―――では続いて、ブリーフィングを行います。お二人とも席に着いて下さって結構です」
二人の無言を肯定と受け止め、ルウは説明を再開した。
ヘイゼルとビリーは促されるまま席に着く。
巨大なスクリーンにマーカーや、画像データが新たに展開され、新しい情報を映し出される。
「五時間前まで救難信号が発信されていたのは、この地点です。この位置は発進直後から移動していません。発信者は何らかの理由により、この場所から移動できないものと考えられます。……ビジフォンにMAPデータとナビゲーション・データを送信しますので、現地での参考にして下さい……。続いて殲滅の対象となるディ・ラガンです」
スクリーンの右下に展開されていた画像データが拡大され、画面中央に表示される。映し出された画像は地上から撮影された物らしく、青い空を背景に悠然とは翼を広げ、空を飛翔するディ・ラガンが写っていた。余程遠巻きだったのか、その画像は荒い。
「目撃された特徴から、通常の個体より大きな体躯を持つ、雌のディラガンと報告されています。身体の大きさは戦闘力の高さに比例しますのでご注意下さい。ライブラリからディ・ラガンの習性や行動パターンのデータを抽出しておきますのでお役に立てて下さい……。最後に何か質問はありますか?」
非常に簡潔で理に適った説明を終えると、ルウは二人に質問を促した。
やる事は決まっているんだ……と特に疑念を抱かなかったヘイゼルとは対照的に、ビリーは挙手をして発言を求めた。
「……どうぞ」
ルウが小さく頷くと、ビリーは小さく咳払いしながら立ち上がった。
「内容は概ね理解したんだが。諜報部として、俺達が救難に向かう仲間の生存率はどの位だと見てるんだぜ?」
ビリーの台詞にヘイゼルは「なるほど……」と納得していた。
一瞬目を伏せたルウは、気を取り直したように言葉を続ける。
「生存確率は50%……ただし、これは生存しているか、いないかの数字です」
生きているか、死んでいるかは1/2……当たり前の算数である。
二人は悟った。
諜報部は討伐隊に生存者が居るとは思っていない。
建前上の救難支援、だが事実はディ・ラガンの殲滅が最優先の任務なのだろう。
「状況把握しました。……作戦を受諾し直ちに現場へ向かいます」
ヘイゼルは敬礼し作戦受領の旨をルウに伝える。
ビリーも続いて敬礼しつつ、ヘイゼルの表情を横目で窺う。
感情を押し殺した表情の無い顔から、ヘイゼルの真意は読み取れない。
「作戦の成功をお祈り致します」
以外にも殊勝なセリフと共にルウは深く頭を下げる。
ヘイゼルはそれが以外でならなかった。

―Juel side―

灰色掛かった長い髪と、黒と濃紺のツートンカラーのパーツで全身を覆った女性キャストがキャス子カフェへ現れた。
しかし、カフェに人の姿は無い。入り口にもポールが立てられ"準備中"の札が下がっている。
「あラ、皆何処かへ行ったのかしラ?」
カフェでアルバイトをしているヒューマンの少女"ヨークス・メルトン"の姿も見えない。
だが露店の商売道具は広げられたままだ。
「まったク、職場放棄しちゃッテ……仕方の無い娘ねエ……」
女性キャストは入り口のポールを退けると、カフェの中に入っていく。
その無人のカフェの一番奥のテーブルの上に紙袋が置き去りにされていた。
「あラ、これハ……?」
女性が紙袋に手に取った時、通りから騒がしい声が聞こえてきた。
「いやぁ……大変だったなあ」
「本当ねえ、でもボヤ程度で良かったじゃない」
女性キャストの集団がカフェに向かって歩いて来ている。
ツートンカラーの女性キャストは彼女達を出迎えた。
「おかえリ、何処か出掛けていたノ?」
「出掛けたどころじゃないわよ……こっちは近くの商店から出た火災の対応で大変だったんだから」
眠たげな表情の女性キャストがアクビを右手で隠しながらぼやいている。
話しを聞くと近所で火災騒ぎがあって、カフェに居た全員が借り出されたそうだ。
消火活動の速さと避難誘導の手際の良さもあって、消防隊が来る頃には火災は鎮火しておりボヤ程度で済んだ。
流石は現役ガーディアンズ集団と言った所である。
現場はまだ落ち着いていないが、後の処理は専門の消防隊と軍警察に引き継ぎ戻って来たと言う事だ。
「ヨークスもご苦労だったのう」
黄色いパーツのむっちりキャストが、同行していたカフェの店員ヨークスを労う。彼女も避難誘導に一役買っていた。
「エヘヘ、それほどでも……どっちかって言うと野次馬も兼ねてだったんですけどね」
ヨークスは照れ笑いを浮かべながら謙遜している。
「コヤツめハハハ……」
「そう言えば火事を知らせに来た、あの女の人は? ……ほら、赤いケープを肩に掛けたキャスト」
会う度に姿が違う気がする少女型キャストが、思い出し辺りを見回しながら訊ねた。
火災を報せ応援を要請に来た女性が居た筈だ……確か緋色のパーツで全身を構成した女性キャストが。
「ん? そう言えばいつの間にか姿が見えなくなってたね」
「カフェの子じゃなかったの?」
カフェの面々が顔を見合わせる。
誰一人として、その女性キャストに思い当たる者が無かった。
「あ、何持ってるの?」
不穏な空気を破ったのは、小柄で金髪の可愛らしい少女型キャスト。
ツートンカラーの女性キャストが持つ紙袋に気付いたのだ。
「ここのテーブルニ、置いてあったのヨ?」
「爆発物……テロじゃないよね?」
「うかつに触らないほうが良いかもしれんぞ?」
小柄なメガネキャストと、単眼の男性キャストが警戒するが、
「そんな事言われても、もう開けてしまったぞ」
既にむっちりキャストが紙袋を開いた後だった。
紙袋の中を覗くと、焼き菓子のチョコレートスフレが入っていた。
「わあ、いい匂い♪」
ふんわりとしたチョコの香りに、金髪の少女型キャストが猫目を細める。
チョコレートスフレは少し萎んでいる気もするが美味しそうだ。
一緒にメモが入っていて、下手くそな文字で『食べてください』と記されている。
だがメモには名前が書かれていない。
「メモが入ってたって、名前書かなきゃ誰が置いたか解らんだろうに……」
メガネを掛けたクールビューティーな風体の女性キャストが呆れる。
「うむ、じゃがこのメモに描かれている落書きの特徴と……」
メモの隅にピッグテールの髪型を持つ下手な似顔絵が描かれていた。
「うっかり具合で誰だか解った……ユエルじゃな」
女性キャストと仲間達の中から「ああ、なるほど……」「あの子じゃ仕方が無いね」等といった呟きが上がる。
と、言う事は彼女も此処に来ていたという事か、ならば彼女は今何処へ……?
「……帰ったのかのう?」
むっちりキャストが呟きながら、紙袋からスフレを一つ取り出す。
それはまだ、ほんのりと温かかった。

《続く》

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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-07】

ユエル    「久し振りに【ハゲ】に行ったッスよ」
ヘイゼル   「ハゲ!? …って、ああモトゥブの“ブルース”ミッションか(;´Д`)」
ユエル    「久々の協力ミッションだったッスけど、自分のウッカリさが大炸裂して、改めて自分は協力ミッションには向いてない事を悟ったッスよ…('Д`)」
ヘイゼル   「地雷乙!(^Д^)」
ユエル    「地雷言うなッスよ!ヽ(`Д´)ノ …それでも誘ってくれる皆さんには何時も感謝してるッスよ…(;つД`) 」
ヘイゼル   「おまえ…(そんなに気にしてたのか…)ポワポワ」
ユエル    「なーんて! 殊勝な事を私が考えていると思ったら大間違いッスよ!(゚∀゚)バーン」
ヘイゼル   「うぉい! Σ(´Д`lll)」
ユエル    「これからも地雷クオリティで皆のミッションに参加するので覚悟して下さいッスね!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「ダメだ、こいつ早く何とかしないと!」
ユエル    「まずはトルダンで雑魚を散らす作業に…」
ヘイゼル   「帰れ! Σ(´Д`lll)」

--------- 再開 ----------

【Assault of the Diragan】

Scene-02

同時刻
ホルテスシティ西地区04番街 大通り

「ふぅ~う~ふ~♪ あいむしんかーとぅーとぅーとぅー……♪」
ご機嫌な鼻歌を歌いながら、ユエルは通りを闊歩していた。
向かうは馴染みの『キャス子カフェ』
手には今しがた露店で買い求めた、焼きたてのチョコレートスフレが入った紙袋を提げている。
自分は食べる事はできないが、日頃お世話になっているカフェの皆に食べて貰おう。
そんな事を考えながら、カフェが見通せる場所まで差し掛かったが、あいにくカフェに仲間達の姿が見えない。
「あれ……? 出掛けてるッスかね……」
スフレは時間が経つと萎んでしまうので、出来たてアツアツを食べるのが美味しい食べ方だ。
その焼きたてを食べて貰おうと思っていたのに……ユエルはがっくりと肩を落とした。
不意に視線を感じてユエルは顔を上げた。
誰も居ないと思っていたカフェの一番奥のテーブルの席に誰かが腰掛け、自分に視線を向けている。
髪も身体を覆う外装パーツも緋色、肩にも緋色のケープを纏う見慣れない女性キャストだ。
「こんにちは」
"緋色"の女性キャストは、同じく緋色の瞳でユエルの表情をじっと窺いながら挨拶をしてきた。
「こ、こんにちはッスよ~……」
ユエルも釣られて挨拶を返すが、正直言って見覚えのない人物だ。言葉が続かず何となく気まずい。
「えと、初めまして……ッスよね?」
「あら、初めてじゃないわよ」
勇気を振り絞ってユエルが訊ねると、緋色の女はクスリと微笑んで否定した。
「え! そ、そうだったッスか!?」
ユエルは慌てて両手をバタバタさせた。
(カフェ常連の人達の名前と顔は、何とか覚えたつもりだったッスけど……)
「まあ、こちらは知っていても、あちらは知らない……なんて人の関係には良くある事だから仕方ないと思うわ……あなたの場合は特にね……」
クスリと、また緋色の女性は微笑を浮かべる。
どこか思わせ振りな物言いだが、ユエルは特に疑問を抱く事は無かった。
「それより貴女、今日はあの男の人は一緒じゃないの?」
「ヘイゼルさんの事ッスか? まだ部屋で寝てるッスよ」
「たしか一緒に暮らしてるのよね……仲が良さそうで羨ましいわ」
「そ、そうッスかね? エヘヘ……」
ユエルは照れながら頭を掻いている。
「でも大変な時もあるでしょ? 彼、有名なキャスト嫌いだから……」
「……え?」
照れ笑いを浮かべていたユエルの表情が凍り付く。

『今でも嫌いだよ……』

ユエルの脳裏にガーディアンズ支部の医療ブロックで立ち聞きしてしまった、モリガンとヘイゼルの会話が頭を過ぎる。
そう、彼はキャストを嫌っていると言っていた……。
「まあ……子供の時にあんな事があったんじゃ仕方ないんでしょうけど……」
緋色の女は呟いて大袈裟に目を伏せる。
それは、どこか芝居がかっていた。
しかしユエルにはそれよりも気に掛かる点がある。
今の口振り……この緋色の女性キャストは、ヘイゼルの過去を知っているのか?
「……理由を知ってるッスか?」
ユエルは恐る恐る訊ねた。
ヘイゼルがキャストを嫌う理由……それを知りたいと思う気持ちは有る。
だが、知ってどうするのか……知った結果が何をもたらすのか……本当に知りたいのか……ユエルの中では答えはまとまっていないのだ。
「え、何を?」
緋色の女は惚けた返事をするが、その顔には見透かすような笑みが張り付いている。
聡いものはそれを嘲笑と受け取ったかもしれない……聡い者ならば。
「ヘイゼルさんが、キャストを嫌いな理由ッスよ」
知る事に対する恐怖は有る。
だがユエルは答えを求めた。
私は彼の事をもっと知りたいから……それが悪い結果をもたらすとしても……。
身を乗り出して聞くユエルの耳元に、緋色の女は口付けるようにゆっくりと顔を寄せるとそっと囁く。
「知りたいなら教えてあげる……彼の過去を……ね」
緋色の女は絶やさず微笑みを浮かべている。
その笑みはどこか歪んでいた……。

《続く》

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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-06】

【Assault of the Diragan】

Scene-01

微睡みはビジフォンの不粋なコールで破られた。
ナイトテーブルの時計を確認すると午前九時を少し回った所だ。
(誰だよ……こんな朝っぱらから…)
機動警護班 ヘイゼル・ディーン、彼の朝は遅いのだ。
ぼやきながら携帯ビジフォンを掴み取り、着信の相手を確認する。
ディスプレイに表示された相手の番号は、ガーディアンズ・パルム支部からの物だった。
(ガーディアンズ支部からの緊急コールだと……何かあったのか?)
ガーディアンズから直接の連絡があるのは有事の際だ。ヘイゼルは寝癖を手で撫で付けながら通信に応じた。
「ハイ……こちら機動警護班、ヘイゼル・ディーン」
「おはようございマセ~。グラールの平和を守る、ガーディアンズ・パルム支部デす」
起き抜けの頭に、お天気な声が響く。
ディスプレイに映っているのは、見慣れたパルム支部の紫掛かったレセプション・コスチュームを身に着けた青白い人工皮膚の女性キャスト。
パルム支部では有名どころか、もはや名物になっている"彼女"だ……。一瞬緊張したのが馬鹿馬鹿しくなる。
「で、用件は……?」
あからさまに不機嫌なヘイゼルの声にも、彼女は動じる事は無かった。
「作戦室より、"ヘイゼル・ディーン"及び"ビリー・G・フォーム"両名に至急の出頭要請デすゥ」
ヘイゼルは眉根を寄せた。
(作戦室が……名指しで俺とビリーを?)
作戦室の考えまでは読み取れないが、ガーディアンズに所属する以上、嫌でも指示には従わなければならない。
それが組織の法という物だ。
流石のヘイゼルも、その事は頭で理解していた。
「了解した……。三十分以内に出頭する」
ヘイゼルは時計を確認し、宿舎からタクシーを利用する最速の方法で掛かる所要時間を計算すると返答する。
「ハイでス。作戦室への入室許可は下りているデす。お待ちしておりまス」
受付の女性キャストは一礼すると通信を切った。ヘイゼルは通信を切られると、すぐさま宿舎の管理室に内線を掛け、タクシーの手配を頼む。それを済ませるとベッドから飛び起き靴を履き、ハンガーラックに掛けられた黒いドリズラージャケットに袖を通し、携帯ビジフォンを上着のポケットに突っ込んだ。
「ユエル! ユエール! ガーディアンズ支部から呼び出しをくらった! 少し出掛けて来るぞ!」
シン……と静まり返ったリビングにヘイゼルの声が虚しく広がる。ユエルからの返答は無い。
「ユエル! 聞こえていないのか!?」
イラ付いたヘイゼルの声が大きくなる。
不意に脱衣室からジュノーが顔を覗かせた。
「ヘイゼル様ー。ユエルさんなら出掛けてますよー? キャス子カフェですー」
「またかよっ!」
ヘイゼルは大袈裟に膝を叩いた。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

『ガーディアンズ・パルム支部 一階 エレベーターホール』
宿舎からタクシーで移動し、予定通り二十四分で此処まで辿り着いた。
早歩きでホールへ現れたヘイゼルは、エレベーター前の長椅子にリラックスして座っている青年に目を止めた。目立つド派手な金髪リーゼントの男である。
「よう、相棒! 揃って呼び出しとは訓練校以来なんだぜ」
ビリーがニヤリと笑みを浮かべて椅子から立ち上がる。
ヘイゼルは重々しく溜息を付いた。
「何をやった? 正直に言ってみろ……」
「俺かよ!? むしろ日頃のお前の態度が原因だと思うんだぜ!」
等と言い合い、二人はエレベーターに乗り込み、六階の作戦室へ向かった。
作戦室は通常、大掛かりなミッションや重大なミッションが発生した際にブリーフィングが行われたり、大規模ミッションの際には文字通り作戦本部として使われる。職員でも入室に許可が必要な重要施設である。
作戦室の在る六階に行く為には、一度五階で降りて、専用のエレベーターを使わなければならない。二人は無人セキュリティでチェックを受け、専用エレベーターに乗り換える。これより上の階は『作戦室』や『支部長執務室』がある最重要部だ。
「ビリー、お前作戦室に入った事はあるか?」
「いんや、ないんだぜ」
正直な話しをすると、二人のこれまでの経験の中で、作戦室に入室する機会は無かった。
エレベーターが停止し扉が開き、二人は通路へ出た。作戦室へと繋がる通路は簡素な内装であった。最も、他人に"魅せる"場所ではないので、当たり前と言えば、当たり前なのだが……。
「どの部屋だ?」
ヘイゼルは通路を見通し、自動扉の上に設けられた幾つかの部屋番号を示すプレートに気付き、ビリーに訊ねた。
「ちゃんと聞いて来いよ……第五作戦室なんだぜ。作戦室の中で一番小さい部屋だって言ってたんだぜ」
「第五……これか」
その作戦室はエレベーターを降りたすぐにあった。
二人は揃って作戦室に入室した。
第五作戦室の中はクリーム色のクロスで質素に仕上げられていた。内部はビリーが説明した通り手狭で、十人も人が入れば窮屈に感じるだろう。中央には木製のテーブルがコの字に配置され、椅子が六脚並べられていおり、正面の壁には大きなスクリーンが備え付けられていた。そのスクリーンに目を向け、二人に背を向けている者が居た。蒼いワンピースを身に着け、黒いベレー帽を被った小柄な少女である。同じ様に呼び出されたのか、それとも二人を呼び出した当人なのか……。少女が二人の来訪に気付き、こちらへ向き直る。新雪のように白い肌、空色の瞳を持つ、美しい少女だ。だが、ヘイゼルは彼女の顔に走るモールドに気付いた。
(この女……キャストか!?)
それは機械生命体であるキャストの証明でもあった。しかし彼女の身体を覆う外装パーツは、ヘイゼル達が良く見掛ける、一般のパーツとは一線を画していた。ワンピースと見間違った程だ。特注のパーツなのだろうか……。
そんな事を考えていたヘイゼルの耳に、ビリーが小声で呟く。
「ルウ……なんだぜ」
(ルウ型か!)
ヘイゼルが目を瞠る。
ルウと言えば諜報部に所属する"特別"なキャストで、ガーディアンズの秘蔵っ子と言われている存在だ。噂が確かならばガーディアンズコロニーの全システムを掌握しているのも彼女だ。実際に目にするのは初めてであった。
「お初にお目にかかります。非番のところをお呼出しして申し訳ありません。諜報部所属のルウ・No73と申します。」
ルウが一礼する。どうやら二人を呼び出したのは彼女のようだ。
彼女の言葉使いと応対は丁寧だが、それはパルム支部の受付キャストや、ユエルとは違った杓子定規的な態度。
キャストと言えば誰もが思い描くイメージ……それが彼女、ルウだった。
ヘイゼルがそんな印象をルウに感じている横で、ビリーが敬礼を始める。
「機動警護班所属、ビリー・G・フォーム出頭しました」
虚を衝かれたヘイゼルも慌てて敬礼した。
「同じく、ヘイゼル・ディーン出頭しました」
「早速ですが、本日出頭して頂いた用件をご説明します―――」
ルウがそう告げると壁面のスクリーンに光が点り、何かが表示される。
面倒が嫌いなヘイゼルにとって、この辺りの単刀直入さは有り難かった。
ヘイゼルとビリーはスクリーンに表示された映像を注視する。それは衛星写真を地図状に表わした物で、ラフォン草原を示していた。
「先週の事です。ラフォン草原の森林地帯でディ・ラガンの目撃報告がありました―――」

《続く》

--------- ここまで読んだ ----------

ユエル    「セリフどころか、主役の私が今回出番すらないってどういう事ッスか!(#゚Д゚)」
ヘイゼル   「主役俺だし! Σ(´Д`lll)」

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