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2009年3月の投稿

Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-24】

ユエル    「ソウル体生活も長くなってる間に、PSUがアップデートされたッスよ!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「直前まで気付かなかったとかどんだけだよ…('A`)」
ユエル    「うるさいッスね! しばらくメール受信してなかったから、ソニチからのメールも見てなかったッスよ…('Д`)」
ヘイゼル   「未読が凄いことになってたもんな…」
ユエル    「そんな事で今日から本格的に復帰しまッスよ!(゚∀゚)マタヨロー!」

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--------- 再開 ----------

【綻び】 Scene-03

◇ ◇ -10:30- ◇ ◇

『ホルテスシティ 西地区 04番街』

GRM本社前に有るオープンカフェは、親ヒト派の女性キャストがよく集まる事から、何時の頃からか“キャス子カフェ“と呼ばれていた。
失った記憶を取り戻す為には、社会に出て様々な人と出会い経験を積んだ方が良い、とのアドバイスをモリガンから受け、このキャス子カフェに通うようになっていたユエルは、今日も友人達との雑談に花を咲かせていた。
「―――それで、その時、ヘイゼルさんが言ったッスよ……」
「23回目と……」
ユエルと向かい合わせの丸テーブルに座る女性キャストが、頬杖を突きながら意味深な視線を投げ掛けた。突然出てきた数字にユエルはきょとんとした表情を見せている。
「ユエルが今日此処に着て“ヘイゼルさ~ん”の名前を言った回数よ」
奇妙な猫撫で声を出しなが両手を組み合わせ身を捩じらせる。しかし、当のユエルはからかわれている事に気付いていない様子で不思議そうな表情をしていた。
「はぁ~、駄目だコリャ、自覚無しですよ」
「どわははは! 仲良き事は美しきかな、良いではないか」
小柄なポッチャリキャストが豪快に笑った。
「甘いです! 此処は追求するべきですよ! ユエルン! 四六時中、彼の事を話題に出さずにいられない。それは貴女が常に、あの人の事を考えているから。それは即ち恋ですよ!」
「こ、恋ッスか?」

『恋』

幾らユエルとは言え、その言葉の意味は知っているつもりだ。
ユエルは脳内辞書を検索し、その意味を引き出した。

①異性に強く惹かれ、会いたい、ひとりじめにしたい、一緒になりたいと思う気持ち。【goo辞書/2009】

その意味からすれば、確かにヘイゼルは異性であるが……。
「でも、私はキャストッスよ?」
それ以前に種族が違う。
ユエルは首を傾げた。
しかも自分はキャストである。鉄の骨格と人工の筋肉で造られた機械生命だ。
ヘイゼルとは生命の概念が違う。
「確かに、我々は造られた命だが、マシナリーと違い“心”を持っている。心は愛を理解し、愛する事も出来る。我々キャストだって、それは変らん。お前だって恋をして良いんじゃぞ?」
諭すようなぽっちゃりキャストの言葉にユエルは首を捻る。
「愛に恋ッスか……難しいッスね」
言葉通り、ユエルは難しい顔をして悩んでいた。
「ユエルンには、まだ早いようね」
向かいに座る女性キャストは大袈裟に溜息を吐くと、やれやれと言ったジェスチャーをして見せる。
改めて考えた事の無かった自分とヘイゼルとの関係。
ユエルは初めてそれを意識していた。

◇ ◇ -10:40- ◇ ◇

ホルテスシティ東部の海岸線沿いには住宅地が広がっている。

U0207
海岸沿いのリゾート地に設けられたこの住宅地では、都会から隠遁した生活を送る、比較的裕福な住民が生活していた。
統一されたデザインを持つ白い漆喰で塗られた壁が続く町並と白い砂浜、マリンブルーのコントラストが訪れた者の心を癒す。穏やかな海風を肌に受け、高くなった日差しにヘイゼルは眩しそうに目を細めた。
モリガンとヘイゼルは海を望む高台にある、庭園の中を走る石畳の通路を歩いていた。
庭園を飾る色とりどりの花々は、簡素だが手入れが良く行き届いており、持ち主の繊細さと上品さが窺い知る事ができる。
「この庭園の持ち主は、素晴らしい感性を持っているな」
あまりお世辞は言わないモリガンも、その様子にしきりに関心している。
ヘイゼルは、その庭園の中で微かに動く人影に気付き、モリガンの肩を叩いた。ヘイゼルの合図でモリガンも人影に視線を向ける。
白いワンピースに白い麦藁帽を被った、小柄で品の良い老婦人が、鮮やかなオレンジ色の小さな花を無数に咲かせたマリーゴールドの花壇に、如雨露で水遣りをしていた。
老婦人も二人に気付き、水遣りの手を止め、見知らぬ来訪者に警戒の表情を見せている。モリガンとヘイゼルは慌てて頭を下げ会釈をした。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

警戒する老婦人にモリガンが素性を明かし、ヘイゼルがガーディアンズ・ライセンスを示すと、老婦人は警戒を解き、快く二人を屋敷の中へ招き入れた。
白い漆喰で覆われた白亜の邸宅は、シティやコロニー出身者には考えられないほど大きな建物だ。
「ガーディアンズの方とは知らず、失礼致しました」
「いえ、此方こそ突然お邪魔して申し訳ありません」
廊下を並び歩きながら、老婦人とモリガンは恐縮し頭を下げあっている。
二人の後ろに続くヘイゼルは、物腰穏やかな老婦人の横顔を静かに見つめていた。

老婦人の名前は“セシル・ラブワード”

彼女は、ユエルの身元引受人となっている、ハリス・ラブワードの実母である。
モリガンがヘイゼルを連れて訪れたのは、ハリス氏の実家だった。
氏の実家の住所は、諜報部のルウに力を借りて調べたという。
ガーディアンズは一般住民からの依頼を受けた行動中に限り、警察と同じ捜査権限が与えられている。モリガンがヘイゼルの力を必要としたのはこの為だ。ガーディアンズは地道な活動の結果、太陽系警察や同盟軍警察等と言った警察機構より、遥かに高い市民の信頼を得ているのだ。
「どうぞ、此方で少しお待ち下さい」
婦人は応接間に二人を案内すると、何処かへ去って行った。
待てと言うのであれば仕方が無い。二人は婦人に従い、応接間で彼女の帰りを待つ事にする。
ヘイゼルは手持ち無沙汰の間に応接間をぐるりと見渡した。部屋を囲む光沢を放つ黒木の腰壁。本物のなめし皮を使ったソファーに年代物のオーク材で作られたテーブル。大理石で作られた、アンティーク調の暖炉のレプリカ……。
「贅沢な金の使い方だな…」
モリガンは古風な室内の装飾品の数々に、「ほぅ」と感嘆の溜息を吐くが、ヘイゼルはそんな彼女を横目で見て、『趣味に関しては、あんたも人の事は言えんよ……』と、内心毒づいていた。モリガンが運転するスポーツカーも、個人が道楽で買うには値が張る代物なのだ。
ヘイゼルは無意識に暖炉の傍に近寄った。暖炉の天板の上には、木製のフレームに収められた数点の写真がある。

Psu20081002_000826_0312

何れも同じ少女を中心に撮影された物だ。ヘイゼルはその写真の一枚を手に取り眺め、思わず息を飲んだ。
ヘイゼルの顔色の変化に気付き、モリガンも彼が手にする写真を覗き込む。
「どうした……これは!?」
モリガンが思わず声を上げる。
Gコロニーのスペースポートで撮影されたと思われる写真の少女は、外見からして年の頃、12~13歳前後と思われる。彼女は二人が知る少女と、そっくり同じ顔立ちをしていた。
だが、それは絶対に彼女の筈は無い。
写真の少女が外見からして“ヒューマン“であるのは確かだが、二人が知るその少女は、間違いなく“キャスト“だからだ。

写真に写る少女は、ユエルに生き写しだったのだ。

0072
《続く》

※写真は『蒼空散歩』様よりお借りしました(゚∀゚)

http://www.geocities.jp/aosanpo/

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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-23】

ユエル    「WBC日本勝ったッスよ~!ヽ(゚∀゚)ノ」
ヘイゼル   「ああ、ところでお前野球好きだったか?」
ユエル    「ぜんぜんッスね(゚∀゚)」
ヘイゼル   「うぉい! Σ(´Д`lll)」

ユエル    「祭りには乗らなきゃ損ッスよ! おめでとう日本! そしてイチロー格好良過ぎるッス! それじゃ、今回もPSU小説行ってみるッスよ~!」

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--------- 再開 ----------

【綻び】 Scene-02

今日もメールが届いた。

私の様子を伺うメール。

でも、それは貴方からの物じゃない。

……何故なの?

私は、こんなにも貴方からの連絡を待っているのに……。

◇ ◇ -同日 10:15- ◇ ◇

胸元に大きなリボンの付いたシフォンチェニックとフジ・フィジボトム。脚には穿き慣れたオーバーニーソックス……アリアは久し振りに私服に袖を通した。
衣服とはこんなにも重かっただろうか……。
更に気が滅入るが、いつまでも閉じ篭ってばかりでは精神衛生上良くない。
ドレッサーの鏡に顔を映し軽く化粧を整える。
僅かにやつれた頬に落ち窪んだ目をした陰気な顔。
(まったく……こんなの私らしくないじゃない)
アリアは自分に苛立ちを覚えながら身支度を整え部屋を出た。

003
扉のオートロックが掛かった事を確認し、エレベーターへ向かう為歩き出すと、廊下の向こうから、誰かが此方に歩いて来るのに気付いた。
スラリとした長身で細身の女性キャストである。
肩口まである緋色の髪と、薄い眉に鋭い瞳も緋色。
全身を覆わせた動き易そうな緋色の外装パーツ、その上に羽織る肘まで届くケープをもまた緋色。
全てが緋色で構成された、『緋色の女』
その中で彼女の髪に飾られた、花の形をした髪飾りだけが異彩を放っている。
見かけた事の無い女性だが、この階で部屋を借りているガーディアンズ職員だろうか?
尤も、短期滞在のアリアが、この階の住人全てを把握している訳では無いのだが……。
「こんにちは」
「……どうも」
目前に迫った緋色の女性キャストが会釈をし、アリアもそれに倣って挨拶を返す。
二人が擦違おうとしたその時、不意に女性キャストが声を上げた。
「あら?」
その声に反応し、アリアが女性キャストを振り返ると、彼女もアリアを見返している。

004
「違ってたらごめんなさい……。貴女、もしかして機動警護班の"ヘイゼル・ディーン"とよく行動している人じゃなかったかしら?」
「……ええ」
何故、この女性はヘイゼルを知っているのだろう……。
女性キャストの質問を訝りながらも、アリアは返事をした。
「それじゃ知ってるかしら? 彼のパートナーのキャスト、"ユエル・プロト"が作戦中にディ・ラガンに襲われて入院したって話しなんだけど……彼女、大丈夫なのかしら?」
思いもしない人物の口から、あまり聞きたくない"彼女"の名前を聞かされた。
ビリーから届いたメールには、ユエルが短期間の入院をしたとは記されていたが、ディ・ラガンに襲われたと言った詳細な情報は知らされていない。
いや、引っ掛かるのは違う点だ。
今、彼女はなんと言ったのか……ヘイゼルの"パートナー"、ユエル・プロトと言ったのか!?
(私を……差し置いて―――!)
アリアの心にどろりと粘ついた暗い感情が湧き上がる。
「知らないわ! 彼女の事なんか……!」
震える声を殺し、アリアは冷たく告げた。女性キャストは彼女の心根に気付かぬのか更に話しを進める。
「あら、そうなの? 貴女なら何か知ってるかと思ったんだけど……ヘイゼルさんからは、何も聞かされてないのね?」
「……!」
詰まるような痛みがアリアの胸を刺す。ヘイゼルからの連絡は無い……一度も……。
緋色の女性キャストの口元に笑みが浮かぶ、下弦の月のように薄い笑み。
「彼、付きっきりで看病していたそうよ。あ、そう言えば、二人は同棲してるんだったかしら? 仲が良くて羨ましいわね」
彼女には付きっ切りだと言うのに、自分には連絡の一つも無い現実。
敗北感にアリアの目の前がぐらつく。動悸が止まらない。沸騰しそうな程、頭に血が昇っているのに、顔面の血は潮のように引いている。冷静でいられない。
故に気付かなかった。
ユエルの情報を訊ねてきた筈の彼女が、自分より情報に詳しい矛盾に。
「私はてっきり、貴女とヘイゼルさんが、お付き合いをしてるんだと思ってたんだけど……違っていたみたいね。勘違いしてごめんなさい」
丁寧な物言いだが、緋色の女性キャストが浮かべるのは嘲笑。
冷静さを失ったアリアは緋色の女性キャストの真意を理解する事はできなかった。
それよりも、アリアの心を抉った言葉があったから。
『貴女とヘイゼルさんが、お付き合いをしてるんだと思ってたんだけど……違っていたようね―――』
ヘイゼルのパートナーは私ではなく、彼女……ユエル・プロト。
それが他人の認識。
ヘイゼルの隣に並び立つユエルの姿が脳裏に浮かぶ。

0012

今まで彼の傍に居たのは私だった……。

なのに貴女はいとも容易く、それを奪った……。

貴女が……貴女は―――っ!

002
逆上したアリアは緋色の女性キャストを突き飛ばすと、その場を走り去り、宿舎を飛び出した。
後に残されたのは緋色の女、只一人。
彼女はかなり強めにアリアに突き飛ばされた筈だが、バランスを崩しただけらしく平然と立っている。細身に見えるが、かなりの膂力の持ち主なのだろう。

「絶望の種は蒔いた。後は芽吹くのを待つだけ……今日は忙しい一日になりそうね……姉さん」

緋色の女は走り去るアリアの背中を見つめながら呟く。
ニヤリと口の端を吊り上げ、残酷に微笑みながら……。

005
《続く》

ユエル    「THE・ヤンデレ(゚∀゚)」
アリア    「 Σ(´Д`lll)」

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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-22】

先ずは恒例のデモンズ速報ッスよ!

ヘイゼル   「恒例にすんな! はやくパルムへ帰れ!(#゚Д゚)」

製作キャラは3体目、周回は順調に5周目に突入。
最後に脳筋アンバサキャラを作ればコンプリートできそうッスよ。
今回の小説は久々にSS付き! 昼間にオンしたから知り合いには会えませんでしたッスよ('Д`)
代わりにバレンタインのお返しをしてきましたッス!

ヘイゼル   「遅ッ! Σ(´Д`lll)」

小説は、いよいよ架橋ッス!
急転直下で物語りは進むッスよ~!

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--------- 再開 ----------

【綻び】 Scene-01

◇ ◇ -PM 07:41- ◇ ◇

夕食の後、ベッドに横になり寛いでいたヘイゼルの携帯ビジフォンからコール音が鳴り響く。
億劫そうに、サブディスプレイに表示された相手の名前を確認するとモリガンだった。
ヘイゼルは上体を起こしながら通話に応じた。
「……俺だ」
ヘイゼルのにべ無い応対の言葉に、受話器の向こうから溜息が聞こえる。
「お前……その電話の応答のしかたは……まあ、良い……。それよりも、今大丈夫か?」
諦めきったモリガンの言葉に、特に用事も無かったヘイゼルは「ああ」と短く頷いた。
「近くに誰か居るか?」
モリガンの問いに、ヘイゼルは必要無い行為ではあったが部屋を見渡した。ユエルとジュノーはキッチンで食器の洗浄作業中で戻ってきていない。
「……いや、今は居ない。ユエルもジュノーもキッチンに居る」
「そうか、では話しが早い。ヘイゼル、明日、私とデートしないか?」
言葉の意味が暫し理解できなかったが、理解するとヘイゼルは顔を顰めた。
「……冗談を言っているのか?」
「勿論、冗談だ。だが、お前の力を借りたい。正確には"ガーディアンズ"としての肩書きを」
(必要なのは俺の肩書きだけか……)
モリガンの言葉にヘイゼルはムッとして告げた。
「そんな用事だったら、別に俺じゃなくても良いだろう。ユエルにでも頼めよ」
「……彼女では駄目なんだ。それに、今回の件は此処だけの話し内密にしたいのと、お前には伝えておきたい事がある」
「伝えたい……事?」
「電話ではちょっとな……会って直接話したい」
モリガンは声のトーンを落とした。ヘイゼルは彼女の物言いから、何やらきな臭い雰囲気を感じ取っていた。
「……ユエルの事なのか?」
「まあ……そんな所だ。待ち合わせ場所は駅裏の駐車場、時間は十時。私の車で待っているから、ユエルには行き先を誤魔化して出て来てくれ」
「……解った」
用件が終わり、ヘイゼルは通話を切ると、重い息を吐いて再びベッドに横になった。
ユエルについて何か解ったようだが、モリガンの電話の口振りでは、面白い話しでは無さそうだ。
(……俺が気に病む事でもないがな)
ヘイゼルは気を取り直し身体を起こす。そこへユエルとジュノーが洗い物を終えて戻って来た。ユエルは一個分の林檎を切り分けて載せた小皿を持っている。
「ヘイゼルさん、カフェで林檎をお裾分けして貰ったッスよ~。私は食べられないから、ヘイゼルさんに召し上がって欲しいッス~……って、どうしたッスか、深刻そうな顔してるッスよ……何かあったッスか?」
ヘイゼルの顔を窺い、ユエルが心配げな表情を見せる。
(深刻な顔……俺が?)
何を気にすると言うのだろう、自分が気に病む事は一つも無いと言うのに。
ヘイゼルは何でもないとユエルに告げ、リンゴを一切れ掴み取り、口に運んだ。少し酸味のある甘みを堪能する。
気遣うようなユエルの視線が少し痛かった。

002

◇ ◇ -翌日 AM 10:04- ◇ ◇

キャス子カフェに向かう為支度していたユエルと、留守番のジュノーに適当な理由を告げて部屋を出るとヘイゼルは駅へ向かった。

001
待ち合わせの時刻は若干過ぎてしまったが、駅裏の屋外駐車場へ回り、モリガンの車を探していると、駐車場の端に停められた真っ赤なスポーツカーが、ライトをパッシングさせ合図を送っていた。
古式な外観を持つ真っ赤な車体には、高々と前脚を上げる躍動的な跳ね馬のエンブレムが飾られている。嘗て名車と謳われたスポーツカーのスタイルをレプリカした物だ。
フロントガラス越しにモリガンの姿が確認できる。どうやら彼女の車の趣味は、研修医として勤めていた頃と変わっていないようだ。変った点があるとすれば、ただ憧れるだけでなく、手に入れられるようになった点だ。
ヘイゼルは車のドアを開けると滑り込むように座席に腰を下ろす。長身の身体はバケットシートにすっぽりと収まった。
「時間を取らせてすまんな」
モリガンの言葉を片手で制すると、ヘイゼルは性急に訊ねる。
「で、用件は何なんだ? 俺に知らせたい事とは?」
「それは目的地に向かいながら説明する。その前に、これに目を通してくれないか」
モリガンはA4サイズのファイルをヘイゼルに渡すと、車を発進させ駐車場を出た。車はそのまま幹線道路に向かう。
ヘイゼルは黙ってファイルを受け取った。それはカルテのようだった。
(……医者の守秘義務違反とかにならないのか?)
と、思いながらも、野暮な事は言わずに書類を読み進める。内容はユエルの検査結果と、彼女の身体データのようだ。
記された内容を目で追い、理解するにつれ、ヘイゼルの表情が険しくなっていく。
「身体能力……骨格フレーム強度、キャスト平均値より23%高……人工筋肉の最大値、平均値より30%高……視力・聴力等の感覚器官精度、平均値の21%高……反射速度、平均値の19%高……これは……?」
ユエルの身体データから割り出された彼女の能力は、平均的なキャストが持つ数値を軒並み上回っていた。
「能力が一つや二つが突出しているなら、まだ理解できる……。だが、ユエルのその数値はもはや異常だ。そんな数値を持っているのは、同盟軍の特殊部隊に所属するような、戦闘用にカスタマイズされたキャストだけだ」
長年、キャストを診て来た専門家が断言するのだ、間違いは無いだろう。
「だが、普段のユエルからは、そんな高性能さは窺えない……通常はスペックを抑えられているのだろう。それも、おそらく本人の無意識の内にな……」
確かに普段のユエルは平凡なキャストとなんら変る所は無い。だが思い出した、ビリーがユエルの回避力の高さに関心していた事がある。それを聞いた時は彼女のウォーテクターと言う職種に見られる回避力の高さ故にだろうと考えていたが、事実は違っていたようだ。ユエルがカタログスペックの性能を発揮すれば、それは容易い事だったのだ。
「おかしな点は他にもある。ファイルの20ページ目を見てくれ。青い付箋が挟まっている所だ」
モリガンに促され、ヘイゼルは付箋の差し込まれたページを捲る。
「彼女のナノトランサー容量は標準の物より少ない……と、言うかナノトランサーに解析できないブラックボックスがあり、それが約半分を占めているのだ」
空間湾曲を利用した収納システム"ナノトランサー"
個人が所有するナノトランサーの収納量は、4m×4m程の湾曲空間であるが、ユエルのナノトランサーは、その半分が解析出来ない状態なのだ。
「更に彼女が装備するシールドラインにも不可解な点がある。ユエルが装備するヨウメイ社製"ソリセンバ"は識別番号こそソリセンバの物だが、性能的には数ランク上の性能を有している。所謂、偽装された形跡があった」
「……」
ヘイゼルは言葉を出せずにいた。
昨夜の時点で事がユエルの話しに及ぶと解っていた時、彼が考えていたのは、レリクスでユエルが見せたリアクター不調の事だ。検査でその原因が解ったのだと思っていた。しかし事実は違い、話しはヘイゼルが思いもしなかった方向へ進んでいる。
モリガンの話しを統合すると、ユエルは高性能にチューンされたカスタム・キャストである疑いが濃厚だ。
だが、一体誰がそんな事を……何の為に?
疑問が疑念に変る。脳裏に浮かんだユエルの笑顔が暗い影の中に沈んでいく。
(ユエル……お前は……)
疑念を拭えぬ思いのまま、膝元の資料に目を落とすと、ページの隙間から、何かの紙が少し飛び出していた。
白色の書類と違い、灰色掛かった紙質が気になり、それを抜き取って見ると、それは新聞の記事を切り抜いた物だった。
モリガンはその様子を横目で見ながら説明する。
「それは、お前達がディ・ラガン討伐に行っていた時に、偶然発見した記事だ……お前が戻ったら、すぐ話そうかと思っていたのだが、ユエルとジュノーの入院騒動で今更になってしまったがな」
新聞の切り抜きには、ホルテスシティのリニアトレイン駅の近くの路上で男性の変死体が発見されたニュースが載っていた。この報道はヘイゼルも何となく聞き覚えがあった。
「死亡した男性の名前を見てみろ」
モリガンに言われ、ヘイゼルは今一度、記事の内容に目を通す。
「ハリス……ラブワード……ハリス・ラブワード!?」
ヘイゼルは目を見開いた。聞き覚えがある。それはユエルの身元引受人だった男性の名だ。
「ハリス氏が死亡している事は調べて解っていたが、何時、死亡したかにまでは頭が回っていなかった……。氏が変死体で発見されたのは、お前がユエルを発見した翌日なのだ」
リニアトレイン駅近くの路上で、記憶を失って立ち尽くしていたユエル……。
翌日、その近くで発見された、彼女の身元引受人の死体……。
「この二つ……関係ないとは言い切れまい?」
ヘイゼルの気が更に滅入る。ユエルは身元引受人の変死事件にも、何らかの関わりを持っていると言うのか。
「……ハリスの死亡原因は?」
切り抜き記事の最後は『事件、事故の可能性も考え捜査中』と結ばれている。だが、ヘイゼルの記憶にある限り、この事件の続報をニュースで見掛けた記憶は無い。
「ライブラリを検索したが、その事件に関する、その後の情報は無い……と、言うか情報は規制されているようだ」
「情報を……規制?」
「報道規制と言うやつさ。ルウに調べて貰ったんだが、事件の続報は軍警察の指示で報道規制を名目に伏せられたようだ。……名前は伏せるが、私は仕事柄、同盟軍のある大佐と付き合いがあってな。その人物から何とか情報を聞き出せたんだが、ハリス氏は同盟軍管轄の組織に関わりがあったらしい。それ以上の事は話せない様子だったがな」
モリガンの言葉がヘイゼルの混乱に拍車を掛ける。
ユエルの謎には軍まで関わっていると言うのか!?
「情報に手が届かない以上、真相は自分達で探らなければならない。そこで、お前の手を借りたい」
ヘイゼルは運転するモリガンの横顔を見つめた。彼女の目は真っ直ぐと前を見つめている。
二人を乗せた車はホルテスシティ東部の海岸地帯を目指して走っていた。

《続く》

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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-21】

ユエル    「楽しみに待ってくれている人がいるかどうか知らないッスけど、お待たせしましたッス! 久し振りの小説更新ッスよ~!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「遅えよッ!(#゚Д゚)」
ユエル    「思わぬ神ゲーの登場に、中の人のソウルが楔の神殿に捕らえられたままッスから…(;´Д`)」
ヘイゼル   「このまま消えるかと思ったぜ…('A`)」
ユエル    「まだまだッスよ! 私達のお話しを決着させるまでは、何があっても続けるッスよ! クライマックスも間近だしッス!ヽ(゚∀゚)ノ」

【前回までの粗筋】

雨の降るパルムで一人の少女型キャスト“ユエル”と出会ったヘイゼル・ディーン。
記憶を失っているユエルと共に、ガーディアンズのミッションを遂行していたが、ガーディアンズから直接指名されたディ・ラガン討伐ミッションでユエルは絶体絶命の危機に追い込まれる。
何とか窮地を脱したユエルだが、彼女の命を救ったのは正体不明の存在だった。
ホルテスシティに戻ったヘイゼル達は、キャスト専門医“モリガン”の検証を元に“UNKNOWN”の正体を探っていたが……。
途中、作者がデモンズソウルにはまってしまい、1ヶ月以上も更新されていなかった。

ヘイゼル   「人事みたいに言うなよッ!(#゚Д゚)」

未だ、はまってます(;´Д`)ゴメンネゴメンネ

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--------- 再開 ----------

【Omen(兆し)】 Scene-03

ガーディアンズ庁舎 医療ブロック キャスト専門医 モリガン・ホプキンス女医 控え室。
開いた自動扉の前に立っていたのはユエルだった。
「あ……」
控え室の中にヘイゼル達が居る事に気付いたユエルの目が泳ぐ。彼女は何故か部屋に入るのを躊躇う素振りを見せている。
(ユエル……?)
そんなユエルの様子をヘイゼルは訝ったが、彼女の元にジュノーが小走りに駆け寄っていた。
「ユエルさーん、退院おめでとうございます」
「あ……え、誰? って言うか、ジュノーちゃんッスか?」
見知らぬパートナーマシナリーに親しげに迫られ、一瞬戸惑うユエルだったが、直ぐに“彼”が元は“彼女”だったジュノーである事に気付いた。
「ハイです! ボク、新しいボディでリニューアルしました」
戸惑うユエルの前で、ジュノーは再びクルリと身を翻し、新しい姿をアピールする。
「そんな……性別まで変ってッス……でも、本当に元気になって良かったッスよ……」
その姿に始めは呆然としていたユエルも、ジュノーが無事に回復した事に安堵し、目尻に浮かんだ涙をそっと指で拭った。
「さあ、ユエルさんもボーッとしてないで中に入って下さい」
ジュノーは未だ部屋に入ろうとしないユエルの腕を掴むと、強引に部屋の中に引っ張り込んだ。
「え、あ……ちょ……!」
虚を突かれたユエルは抗う事も出来ず、半ば転ぶように部屋に引き込まれた。部屋の中でヘイゼル達の視線を受け、彼女はオドオドと身を縮めている。
「ユエルちゃんも退院おめでとうなんだぜ」
「フン……たった二日ばかりの検査入院だ。大袈裟すぎるだろう」
ユエルの退院を祝うビリーに、ヘイゼルが過剰な心配だとばかりに鼻を鳴らすと、ユエルは小さく「ごめんなさい……」と呟いた。そんな彼女の様子に、ヘイゼルは更に眉をひそめる。
どうもユエルの様子がおかしい。借りてきた猫のように他人行儀で、いつもの元気さが窺えない。
「どうした、らしくないじゃないか?」
モリガンも異変に気付いたが、当のユエルは「何でもありませんッスよ」と小声で言うだけだ。
「まあ良い。兎も角、これで二人とも目出度く退院だ。オメデトー」
「何で最後、カタコトなんだぜ? で、本音は?」
投げやりなモリガンに、ビリーが真意を問うと、彼女は答えた。
「手間が減って楽になる」
「このダメ医者が!」
ぱかーっと、紫煙を吐き出すモリガンに、ヘイゼルが空かさず突っ込みを入れる。
「医者は暇な方が良いんだよ……。だが残念ながら現実はご覧の通り、任務で負傷を負ったガーディアンズ職員のお陰で連日の大盛況。此処が我々医者にとっての最前線だ。怪我が治った人間は次に譲って、さっさと帰る!」
話しはこれまで、とばかりにモリガンは集まった四人を控え室から追い出しに掛かった。
(新しい情報が入ったら、お前達に知らせる。今日はもう引き上げた方が良いだろう……)
その際、モリガンはヘイゼルとビリーに小声で言い含めた。ユエルに余計な心配事を与えないようにする為だと理解した二人も黙って頷く。
「では、ヘイゼルまたな。ジュノーの素体が届いたら連絡するからな」
「……今度はちゃんと頼むぞ」
それだけは真剣にお願いしたい。
ヘイゼルは苦々しい表情で念を押し、ユエルとジュノーは世話になった礼を言ってガーディアンズ支部を後にした。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

支部を出た四人はリニアトレインの駅へ向かって歩いていた。
並び立って歩くヘイゼルとユエルに僅かに先行し、ビリーとジュノーが談笑している。
ヘイゼルはちらりと横目で隣を歩くユエルを盗み見た。やはり彼女の元気が無い。それが気に掛かるが、しかし声を掛けるのははばかられた。今はジュノーとビリーの目もある。過保護だとは思わないが、心配している事を二人に悟られたくは無かった。
等とヘイゼルが躊躇していると、ビリーが急に足を止め、思い出したように掌を打った。
「ああっ! そうだ思い出した!」
突然のビリーの態度に三人の視線が集中する。彼は構わずに進める。
「今日は買い物に行かなきゃならかったんだ……! でも、どうすっかな、結構大きくて嵩張る荷物だし……そうだ、ヘイゼル、悪いんだが、ちょっとジュノーちゃんの手を借りても良いか?」
「ああ……別に構わないが……」
いきなり振られたヘイゼルが面食らった様子で相槌を打つ。
「そうか! 有り難い。じゃあ、ジュノーちゃん、ちょっと付き合ってくれ!」
「え……あ、ちょっとビリーさん、待ってくだしあ……!」
ビリーは礼を言うと、事態を飲み込めていないジュノーの手を取ると、駅とは反対の商業区にかって早足で歩き去って行く。
後には突然の出来事に呆然と立ち尽くす、ヘイゼルとユエルだけが残された。


「ビリーさん」
ヘイゼル達から離れ、ショッピングモールへ向かう通りを並び歩いていると、不意にジュノーがビリーに訊ねた。
「なんだい?」
「買出しなんて嘘ですよね?」
ジュノーの問いにビリーはおどけた表情をして見せる。
否定をしない、と言う事は肯定の意味なのだろう。
ヘイゼルは、ああ言った性格だから、人前で慰めの言葉を掛ける事は出来ない。
そうビリーは判断し、適当な理由を付けてヘイゼルとユエルを二人きりにしたのだろうが……。
「でも、良いんですか、ビリーさん?」
と、ジュノーが更に問い掛ける。
「何がなんだぜ?」
「ビリーさんもユエルさんの事が……ぅぷ」
ビリーは上からジュノーの唇に左手の人差し指を当て唇を塞いだ。
「おぉっと、その先は言っちゃダメなんだぜ」
右手の人差し指を自らの口元で左右に振りながら、ビリーはチッ、チッ、チッと小さく舌を打つ。
ビリーの指先が、ジュノーの唇の戒めを解くと、開放されたジュノーは、ぷはぁと大きく息継ぎした。
「ビリーさんは“ナニワブシ”なんですねー」
「“ロック”と言って欲しいんだぜ」
その強がりを誇らしげに語り、ビリーはウィンクして見せた。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

(あのワザとらしい口調……嘘を吐く時の癖、バレていないと思っているのか? 気を利かせたつもりなら、ビリーめ余計なマネを……だが、その気遣い、感謝する)
長年の相棒であるビリーの考え等読めている。残されたヘイゼルは心の中で彼に感謝した。
「―――すまなかった」
ぶっきらぼうにヘイゼルが詫びる。思いがけない言葉に驚き、ユエルはヘイゼルの顔を見上げた。
「戦地では何が起こるか解らない。その危険を予期せず、お前を一人で帰してしまった結果がアレだ。……俺の判断ミスでお前を危険に捲き込んでしまった」
ヘイゼルは険しい顔をしていた。
それは自分自身に対する怒り故に……。
結果的にユエルは今こうして、無事に退院する事ができたが、あの時……運命が違えば彼女は命を落としていたかもしれないのだ。死体で発見したビーストの様に……。
「違うッス……ヘイゼルさんは悪くないッスよ。悪いのは私ッス……自分の実力も顧みずに我侭を言って作戦に付いて行った、私が悪いッスよ」
ユエルは無意識にヘイゼル左腕に手を添え、彼の言葉を否定する。
「……許せないのは、自分自身の方ッスよ……」
ヘイゼルの左腕に添えられたユエルの手に力が入る。
「私は……目の前でジュノーちゃんが倒されたのに、彼女を見捨てて逃げてしまったッス……。それが許せないッスよ……。私はガーディアンズなのに、誰も守れていないッス。私は……ガーディアンズ失格ッスよ……」
後悔と苦渋だらけの顛末。それでも自分を責めなかったジュノーに対する負い目。ユエルは己の不甲斐なさに涙を堪えて唇を噛み締めた。
「それは、お前のせいじゃない……」
そんな彼女を見て、自然に慰めの言葉が自然とヘイゼルの口を付いて出た。
「ジュノーは、ああ見えて優秀なパートナーマシナリーだ。俺には勿体無い位のな。アイツ等の目的はガーディアンズ職員のサポートをする事。危険な任務において、時として自分の身を擲して"主"たる者を守る。それがパートナーマシナリーの役目だ。アイツは自分の役目を果たしたんだ」
だが、ユエルは頭(かぶり)を振る。
「でも、ジュノーちゃんはヘイゼルさんのパートナーマシナリーッスよ。主でも無い私を庇う必要なんて無い筈なのに……やっぱり、私が……」
「いや、お前は……!」
『自分が悪い』
『悪くない』
二人の会話は堂々巡り、切りが無い。ヘイゼルはその繰り返しが不意に馬鹿馬鹿しくなり、思わず吹き出していた。
ヘイゼルの様子にユエルは不思議そうに彼の顔を見上げた。
「不毛な議論は止めないか?」
「……」
納得できないのか、ユエルは答えない。
「結果的に俺達は誰も失っちゃいないじゃないか、今回はそれで良しとしないか? 反省はしなきゃならないが、まだ後悔する程じゃない」
そう、今回の作戦で死んだ仲間がいる訳では無いのだ。
「兎も角……お前が無事で良かった」
ヘイゼルは言った後、恥ずかしそうにそっぽを向いた。
そんなヘイゼルの様子を見て、ユエルもやっと微笑みを見せる。
「ありがとうッスよ……ヘイゼルさん」
その表情にはいつもの明るさが戻り始めていた。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

四人が去ったモリガンの控え室。
診療に備え、患者のカルテを整理していたモリガンの耳に、内線のコールが飛び込んできた。
「ハイ、モリガンだ」
内線の受話器を取りながら、ディスプレイに表示された番号を確認する。
通話は看護士達の詰め所から掛けられた物だ。
「モリガン先生、ユエルさんの精密検査結果が出ました」
聞きなれた若手看護士長の声が告げる。ユエルは今回の入院で精密検査を受けている。その検査結果がまとまったようだ。
「そうか、どれ見てみよう」
忘れているかもしれないが、ユエルにはリアクター機能不全の疑いもある。人で言えば心臓の不全を抱えている可能性もあるのだ。彼女の精密なデータは一度見ておきたかった。
だが、モニター越しの看護士長は、データを出すのを渋っている様子だった。
「どうした? 早く送ってみろ」
怪訝そうな顔をしながら、モリガンがデータを渡すよう催促する。
「それが……この検査データ変なんです」
戸惑う彼女の言葉は全く要領を得ない。
「取り合えず、データは送信します……。ご自分の目で確かめて下さい」
看護士長は困惑を浮かべた表情のまま、意を決しデータの送信ボタンを押した。
卓上PCディスプレイのウィンドウが開き、検査データが展開される。
そのデータを目で追う内、モリガンの表情が、みるみる険しくなった。
「……何だ、この数値(パラメーター)は?」

《続く》

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【短編小説】Demon's Souls【読切SS】

ユエル    「久々の小説ッスよ~(゚∀゚)」
ヘイゼル   「やっとか…って、PSU小説じゃNEEEEEEE―――ッ!(#゚Д゚)」
ユエル    「デモンズソウルの短編小説ッスよ(゚∀゚)」

腐れ谷のエピソードと、2chの【PS3】Demon's Souls デモンズソウル スレで検証された内容に、私のフロム脳に光が逆流して、勢いで書いたッス。
だが反省はしないッスよ!(゚∀゚)
タイトルは適当、それじゃいってみるッスよ~!

※訳有って暫し公開停止中(゚∀゚)<オコラレタトカジャナイヨ!(4/3)

ユエル    「まあ、この後、サックリと殺しちゃったッスけどね(゚∀゚)」
ヘイゼル   「ひでえッ! Σ(´Д`lll)」

※ 3/3地味に修正しました(゚∀゚)

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