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2009年5月の投稿

Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-30】

5/23

007

勇魚さんが開催したイベントに行って来ましたッスよ!(゚∀゚)
勇魚さんは自分のブログでgdgd!dayo!なんて言ってるッスけど、私は思い切りボケまくって来たッスよ!

ヘイゼル   「ボケたつもりが通じなくて微妙な空気が流れた時は、どうしようかと思ったがな(゚∀゚)」
ユエル    「余計な事まで言うなッスよ!(゚Д゚#)」

それで当日参加していた人に、お詫びが…('Д`)
パトカの交換をしたッスけど、最後の方に渡されてるの気付かなくて失礼してきちゃった人も居るッスよ('A`)
本当にスミマセンッスよ…次回、開催のあかつきには必ずお渡しするッスよ!
と言う事で、勇魚さん次回の開催に期待してまッスよ!(゚∀゚)
さあ、では本編に行くッスよ!
今回からは怒涛のクライマックスへ! 筆者が書きたかったシーン満載ッス!

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--------- 再開 ----------

【L・O・V・E】 Scene-01 『報い』

ホルテスシティ旧市街地。
惑星開拓以降、無秩序に造成された都市の中枢は、機能の移転により現在の形となっている。
その際、住み慣れた土地や家を手放す事に反発するヒューマンも居たが、その計画を強堅に推し進めたのは、パルムの実支配者であるキャストの合理的判断による物であった。
旧市街に遺された建造物は解体された後、大規模な宅地造成を行う運びとなっており。その費用はホルテスシティの年間予算から捻出され、年毎に着々と進められていた。計画の進捗は前年で95%まで完了し、今年も継続される予定であったのだが、折りしも発生したSEED騒動で計画は終了間際で中断を余儀なくされている。そのような経緯もあり、現在の旧市街跡は造成中のまま放置され無人の地となっていた。

雑踏の中、行き交う人々のざわめきが自分を責める。
お前が邪魔だ、目障りだ、消えてしまえと罵倒する。
ユエルはその幻聴に抗い、耳を塞いで早足で駆けていた。
妬みという負の感情に中てられ、激しい衝撃を受けた今のユエルにとって"人"こそが恐怖の対象だ。その存在が彼女のココロを傷つける。
ユエルの足は自然と人通りを避け、人の居ない方へ、人の居ない所へ進んで行く。そうして、ふらふらと当ても無く彷徨うく内、彼女はそこに辿り着いていた。
気持ちの悪い感情(タスク処理)が答えを出せぬまま暗澹と続けられている。その精神的な負荷の為にバランス感覚もおかしいのか、ちょっとした段差で躓きユエルは前のめりに転んでしまった。生温い不快な感触のアスファルトに突っ伏したまま、自分に与えられた仕打ちが理解出来ず、恨み言が口を吐いて出る。
「どうして……私がこんな目に……」
「それは報いじゃないかしら?」

006
独り言に答えた声に驚き、ユエルはビクリと体を震わせ恐る恐る顔を上げる。目の前に緋色の女性キャストが立ちはだかり、両腕を組んで自分を見下ろしていた。
「その様子だと流石に少しは堪えたのかしら? まあ無理もないわね」
緋色の女がクスクスと笑う。
「あ……貴女は……」
ユエルは彼女に見覚えがあった。何時だったか無人のカフェで会った事のある女性だ。あの日以降カフェで彼女の姿を見掛けた事は無かったので、その出会いを忘れ掛けていたが……。
「お久しぶりね、"姉さん"……。と、言っても記憶が無いのよね。それじゃあ改めて自己紹介しようかしら、私の名前は"ヴィエラ・プロト"……貴女の妹よ、姉さん」
一瞬、意識に空白が生じる。
(姉……さん? 妹……?)
彼女は自分を姉と呼んだ。寝耳に水の発言である。
「……って、私に妹が居たッスか!?」
それどころか自分が知りたかった出自の手掛かりが、いきなり目の前に出現したのだ。衝撃の連続にユエルは混乱していた。
「そう、私達は"姉妹機"よ……私は、貴女のせいで生まれてしまった憐れな妹……」
赤い女の瞳に一瞬、憎悪にも似た光が灯る。だがそれも一瞬だった。
「ずっと姉さんを見てたんだけど、だいぶまいったようね? "機械"が不相応に人ぶるからそうなるのよ」
緋色の女が鼻で笑う。彼女はユエルの事を機械(マシーン)と、そう告げた。
その言葉が受け入れられず、ユエルは首を小さく横に振ると彼女の言葉を否定する。
「機械……? 違う……私は人……"キャスト"ッスよ?」
キャストは意思を持つ機械生命体だ。
その昔、自我を持ったキャストは、自分達の自由を求め、造物主たるヒューマンに反旗を翻した。
所謂、『独立闘争』の勃発である。
長き争いの果てに、キャストは"人"としての権利を勝ち得た。
造られた命では有るが、ココロを持つ一つの生命体として認められた。
それがキャストの尊厳。
だが、緋色の女はユエルの言葉を嘲笑(わら)う。
「それが姉さんを偽る記憶……貴女は記憶を操作され、自分を人と信じる哀れなお人形……。私も……姉さんも、人の姿をした機械。戦う為に造られた、ただその為だけの"マシナリー"。

対SEED殲滅戦用次世代SUV試験機管制デバイス 『Juel・Proto-type』(ユエル・プロトタイプ)

……姉さん、それが貴女の正体よ」

004

今日まで求めて来た自らの素性……だが、いきなり提示された答えは理解するには酷な物だった。
「う……嘘……ッスよ……」
子供のようにイヤイヤと首を横に振りながら放心し、ユエルは力無い声で呟く。
あの日の目覚めから、今まで過ごして来た日々の記憶が走馬灯のように過ぎる。

雨のパルムでのヘイゼルとの出会い―――。

自分専用のソファーベッドを買って貰った時の喜び―――。

キャス子カフェで沢山の仲間と過ごす他愛無い一時―――。

命を懸けたディ・ラガンとの死闘―――。

それらの辛かった思い出……楽しかった思い出が、人として生きた記憶が、残酷な言葉の前にガラガラと崩れていく。
しかし、そんなユエルに追い討ちをかける様に緋色は謳い続ける。
「それが偽り無い事実なのよ、姉さん……。もう一つ絶望をあげる。姉さんが記憶を失ったあの日……私達が居た研究所は突然SEEDの襲撃を受けた……。襲って来たSEEDの大群を殲滅する為に、姉さんがSUVを起動させた結果、SEEDと共に研究所は壊滅したの……。

あ・な・た・の、製造(生み)の親達を殺したのは……姉さん、貴女自身よ」

空白。

ユエルは一瞬、その言葉の意味を理解できなかった。
今……彼女は何を言ったのだろう……。

ワ タ シ ガ コ ロ シ タ ?

緋色の女が哂う。
ガチリ、と何処かで運命の歯車が噛み合わさった。
惨酷に、冷酷に、痛酷に、酷悪に―――。
封じられたパンドラの箱が……閉ざされた記憶の扉が彼女のキーワードを得て開かれる。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

―――ホルテスシティ郊外、製薬会社をカモフラージュとして存在した、エンドラム機関の研究所。

(私の……生まれた【製造された】故郷【場所】―――)

物心付いた時から続けられる戦闘訓練は嫌いだったが、親代わりでもある優しい研究者達の事が大好きだった。彼等の喜ぶ顔が見たくて頑張っていた。
記憶が激しくフラッシュバックする。
最後の夜に見た光景が脳裏に焼き付いている。
あの夜……研究所は突如、SEEDの襲来を受けた。
迫り来るSEEDの群れ、燃え上がる施設、逃げ惑う研究員達……。

(皆を助けたい……私の想いはそれだけだったッスよ……なのに……なのに……)

何処からともなく、声が聞こえた……。

(ミンナヲタスケタイ? ナラワタシニミヲユダネテ……スベテマカセテ……)

誘惑の声が―――。
次に気付いた時、ユエルの目の前に広がっていた惨状……舞い上がる炎と熱風の中で見た最後の光景……。
赤と黒が織り成す、惨と美のコントラスト。
崩壊したコンクリートの残骸、夜空を照らす緋色の炎、黒煙に煙る闇色の空、そして―――。

瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と死体、瓦礫と―――。

002

―――思い出してしまった―――。

忘れていた光景を……自分が犯した罪を……。
「前に会った時に訊ねた問いを、今ここで、もう一度問おうかしら? 自分の製造(産み)の親を理不尽に奪われたり、殺されたりしたら……姉さんだったらどうする?」
緋色の女の薄い唇が、下弦の月を思わせるように釣り上がり、嫌味な嘲笑を形造る。

殺した。

(私が、皆を……皆の命を―――!)
ユエルは頭を抱えて震えだしていた。悲鳴と化した絶叫が無人の地に木霊する。
「あ……あああ……ああああああああぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁああああぁああぁあああぁぁ―――っ!」
自分が殺した……産みの親たる者達を殺していた……。
許されざる殺人者、親殺しの咎人。
その咎への絶望、過ちへの悔恨、罪への懺悔……。
嘆きと入り混じる絶望の混濁。それらが奏でる旋律は甘美な慟哭の調べ。
心地良い……ヴィエラの背を歓喜の波が走る。
「そう、それ! 姉さん、私はずっとそれが聞きたかったの! あっはははは……あはははははは―――っ!」

005
鋭い下弦の月を思わせる笑みが裂け、愉悦の笑みが浮かぶ
ユエルの絶叫に混じり、ヴィエラの哄笑も木霊した。

(モウイイデショウ?)

ユエルの耳に労わる様な……嘲笑う様な声が聞こえる。

(アトハワタシニマカセテ……アナタハネムリナサイ……アナタガネムッテイルアイダニ、アナタヲサイナムアクムノスベテヲハイジョシテアゲルカラ)

誘惑の声がする。全てを捨てる事が出来るなら、それはユエルにとってとても魅力的な言葉に思えた。
でも、それを望まない人が居る……優しいはしばみ色の瞳が、あの人の姿が浮かぶ……。
ユエルは信じ、誘惑に抗い続けた。

《続く》

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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-29】

今回は本編の最後に前々回で果たせなかった、後書き付きッスよ~!

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--------- 再開 ----------

【綻び】 Scene-08

ラブワード邸からホルテスシティを目指す車中で、不意にヘイゼルのビジフォンから着信音が鳴り響いた。着信相手を示すサブディスプレイを確認すると、見慣れぬ名前が表示されている。
「誰だ……?」
一瞬、眉を顰めたヘイゼルだが直ぐに思い出した。この名は何時だったか、キャス子カフェでパートナーカードの交換をした、むっちりしたキャストの名前だ。
「もしもし……」
『―――おお、繋がったか。お主とパトカ(パートナーカードの略)を交換をしておいて正解じゃったよ』
通話に応じると、受話器の向こうから安堵の声がする。
「何かあったのか?」
ユエルとは知った仲かもしれないが、自分とは殆ど縁の無い者から掛かってきた突然の通信である。何事か起こったと考えて良いだろう。
むっちりキャストは「うむ……」と頷くと、言葉を選んで話しを切り出した。
『ワシの取り越し苦労だったら良いのじゃが、どうも、お前さん達の事を嗅ぎ回っている者がおるようなのだ』
「何だと?」
むっちりキャストの言葉にヘイゼルは眉根を寄せる。
『カフェの面子の中にもお主達の事を尋ねられた者がおる。しかも、そやつは先日カフェの近くで起こった放火事件にも関わっているかも知れんのだ……』
「商業地区で放火? 一体何の目的で……思想団体のテロか?」
『そう言った類の連中なら、もっとハデに仕掛けるじゃろうな。しかし、近くにはワシ等がおった。総掛かりで消火作業を行ったのでボヤにもならなかっ……』
受話器の向こうの声が一瞬止む。
『……あの日、カフェにおった者は全員消火活動の応援に出払い、カフェはもぬけの空じゃった……』
むっちりキャストは、一瞬ヘイゼルの存在を忘れ、うわ言のように独り言つ。
『そやつの狙いが火災を起こす事ではなく、カフェから人を離す事が真の目的じゃったとすれば……じゃが何の為に?』
無人のカフェに帰還した時、テーブルの上に置かれていた焼き菓子の事を思い出す。
『カフェにはユエルが来ていた……ユエルも、その者と接触した可能性があるやもしれぬぞ』
話しがきな臭くなって来たが、ユエルからそのような不審な人物と会ったと言う話しは聞いた事が無い。だが、推測通りユエルが緋色の女と会っていたとすれば……何だ、二人は一体何を話した? 疑念が湧くが悩んでも答えは出ない。何しろ当事者はこの場にいないのだ。
「そいつの特徴は解るのか?」
『女性のキャストじゃった。パーツも髪も瞳の色も、全てが赤系色で配色された、譬えるなら"緋色の女"じゃ』
(緋色の……女―――?)
ヘイゼルの脳裏に先日のディ・ラガン討伐ミッションの記憶が過ぎる。
ユエルを救う為にディ・ラガンを追い、樹林を駆けていた時に目に飛び込んだ一瞬の人影……。
ビリーは完全に視認できていなかったようだが、ヘイゼルが視たその影もまた緋色の女性のように思えた。
『不安を煽ってしまったとしたらすまぬ……取り越し苦労かもしれんのじゃが、気になってな……』
「いや、そんな事は無い。わざわざ知らせてくれてすまない。礼を言う」
『気にするな……ところでのう。旦那はユエルが今どこに居るか知っておるか?』
「キャス子カフェに行くとしか聞いていないぞ?」
『そうか……実はお前さんに電話を掛けたのはもう一つ理由があってな。さっきの話し、実はユエルにもしておこうと思って彼女に電話を掛けたんじゃが……』
むっちりキャストは一度そこで言葉を切った。
『ユエルと連絡がつかんのじゃ……』

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

車を路肩に停車させ、モリガンは休憩がてらメンソールの紫煙を燻らせている。車外へ出たヘイゼルは落ち着かない様子で車の周囲をウロウロしながらユエルのビジフォンへコールを試みていた。しかし、呼び出し音は直ぐに機械的なメッセージに切り替わってしまう。
『お掛けになった電話は電波の届かない場所に在るか、電源が―――』
ヘイゼルは乱暴に通話の【切】ボタンを押した。一目で解る通り、かなりイライラしている。
「あの馬鹿! 一体どこほっつき歩いてやがる……」
「少しは落ち着けヘイゼル……動物園のクマじゃないんだぞ」
「俺は冷静だッ!」
運転席に座ったままのモリガンが、ウロウロするヘイゼルの様子に溜息を付くと、彼はムキになって彼女の言葉を否定した。
「ナビはどうした? パートナーカードの登録が済んでいるなら、太陽系内の何処にいても、居場所位は確認できるだろう?」
「! ……それ位解ってる!」
モリガンの忠告にヘイゼルは逆切れ気味に声を荒げた。動顛して失念していたようだ。
ヘイゼルはビジフォンのナビゲーターを起動させると、パートナーカード登録者からユエルを選んで検索する、しかし……。
「―――何だこれは?」
ヘイゼルは言葉を失った。見た事も無いメッセージが表示されている。
「どうしたんだ? 見せてみろ」
ヘイゼルは運転席側のウィンドゥに近寄ると、ビジフォンの画面を窓越しにモリガンに見せた。
「……エラーメッセージか……【Network Error】ネットワークエラー……【Person object】対象者……【Interference】通信障害、いや妨害か? 【Possibility】可能性……つまり……」
「あいつへの通信手段がジャミングされてるとでも言うのか!?」
モリガンが挙げた単語からヘイゼルはそう推理した。
「可能性は有るな」
モリガンが頷いた時、再びヘイゼルのビジフォンから呼び出し音が流れる。相手はビリーだった。
(このクソ忙しい時に……)
内心で毒づきながらヘイゼルが通信に応じると―――。
『よう相棒、ご機嫌如何かな?』
いつもと変らぬご機嫌な声が受話器から聞こえて来た。渋面のヘイゼルが不機嫌な声で応じる。
「取り込み中だ。下らない用件なら切るぞ」
『オイオイ、つれねえなあ……実は魅力的な女性キャストに逢ってな……全身が緋色の女だ』
この込み入った時に女の話か……。
「悪いが切……いや待て、今何と言った?」
『緋色の女キャストだよ。何だかふざけた事を言ってくれるので"丁重に応対して"お引取りして頂いたんだが……お前、何か身に憶えはあるか?』

ヘイゼルは手短にこれまでの経緯を説明した。ラブワード邸で聞いたユエルの素性に関しては伏せたが、キャス子カフェのむっちりキャストから聞いた情報……ユエルの情報が妨害され現在音信不通になっている状況を全て。

『……なるほど、お前等の事を嗅ぎ回っている女か……確かにそんな感じだったな……。と、なると追い返さずに、とっ捕まえた方が良かったか……』
ビリーは受話器の向こうで小さく舌を打った。
緋色の女はビリーの所にまで現れた……。
ヘイゼルの脳裏にハリス博士の影がチラ付く。断片的な情報からだが推測が正しければ、ユエルを製造したのはエンドラム機関の残党と言う事になる。
まさか……奴等の手が伸びて来たと言うのか!? ヘイゼルの背筋を得体の知れない悪寒が駆け抜けた。
「だが、ユエルを探そうにもジャミングされているのではな……」
ビリーとの会話はモリガンにも分かる様にスピーカーで行われている。思案するモリガンの呟きを聞き取ったビリーが何となく口にした。
『俺が最後に見た時は、まだ反応があったなぁ……』
「何だと!?」
その言葉にヘイゼルとモリガンが反応し声を上げる。
『いや、15分程前だったかな……緋色の女の相手をした後、気になってお前達の居場所を確認したんだ。ユエルちゃんのマーカーシグナルは駅付近の公園から南西側……再開発地区の方に進んでたと記憶してるが……』
「再開発地区?」
「ホルテスシティの旧市街区域だ。市街地が移転した後、一度更地にされたのだが、件のSEED騒ぎのお陰で、市の予算が復興に回された為、現在は計画は保留され、そのまま放置されている筈だが……」
パルム出身だが最近の事情には疎いヘイゼルへ、モリガンが補足の説明をする。
「何でそんな所に……ビリー! 間違いはないのか!?」
『ああ……多分』
「おいおい……」
肯定はしたが自信が無いのか言葉を濁すビリーにモリガンが呆れる。
「だが、それ以外に手掛かりは無いんだ……兎に角、そこに行ってみる」
『了解、俺もすぐそっちに向かってみる。後で合流しよう』
ヘイゼルの決断で話しはまとまった。
「……となれば話しは決まったな。ヘイゼル、早く車に乗れ」
ビリーとの通信を切ると、モリガンが車に乗り込むようヘイゼルを促す。イグニッションキーを押しエンジンを作動させたが、ヘイゼルは一向に車に乗る気配を見せず、何事かを迷っているようだった。
「どうした? 置いていくぞ」
「悪いが此処からは俺一人で行く……」
モリガンの催促にヘイゼルが真顔で告げた。
「アンタの用事は俺をユニスの家に連れて行く事だけだった筈。これから先は俺の都合で、アンタには関係の無い事だ」
ぞんざいで喧嘩を売っているような物言いだが、モリガンには解っていた。
ユエルに関する今回の一件は、エンドラム機関の残党が関与している疑いが濃厚だ。事と次第によってはかなりの荒事に発展する恐れも有る。それにモリガンを巻き込む訳にはいかない……。
不器用だが、それがこの青年の優しさなのだ。
そして万が一、何かがあった場合、自分の身を守る力をモリガンが持ち合わせていないのも確かであった。それを冷静に判断してしまう自分が堪らなく口惜しい。モリガンは観念したように溜息を吐いた。
「……昔から、お前は頑固で天野邪鬼だったな……言ったって聞かないのだろう、解ったよ。だがな……!」
そう告げると車から降りると車体後部へ回り、トランクを開け中にあった車載ナノトランサー作動させ、一台のエアロスクーター(原動機付浮遊型自転車)を異空間より取り出した。
良く手入れされてはいるが、少し古いモデルのスクーターである。だが、ヘイゼルそれに見覚えがあった。
「これは……」
「憶えていたか? 私が研修医を務めていた時に利用していた物だよ。お前も勝手に持ち出して、よく使っていたな」
「……バレてたのかよ」
「分からいでか……これを使え、旧市街までは歩いて行くには遠いからな……長年お前に付き合って来たのだ、これ位のお節介は焼かせて貰うぞ!」
そう言うとモリガンはスクーターの起動キーをヘイゼルに突きつける。最初は躊躇ったヘイゼルだが、キーを受け取ると小さく呟いた。
「スマン……」
「らしくないじゃないか」
珍しく殊勝な態度のヘイゼルの様子にモリガンが笑うと、途端に仏頂面を見せる。
「そうだ、その顔の方がお前らしいよ」
スクーターに跨ったヘイゼルは起動キーを差込口に差し、フォトンリアクターを始動させた。フォトンタービンが低い唸りを上げ、車体下部のフォトンファンから粒子が噴き出す。前輪をブレーキでロックさせたまま、浮遊した車体に中腰になると、ヘイゼルは重心を前輪部に掛け車体を沈ませ、スロットルを前回にする。一瞬浮いた後輪から激しいフォトン粒子が噴くと、前輪を固定された車体はその場で180度の旋回をして見せた。
「ヘイゼル!」
フォトンタービンの唸りの中、モリガンがヘイゼルを呼び止めた。
「無事で戻れよ……」
何時に無く真剣な表情をモリガンは見せている。
「言われなくても戻るさ……アイツも連れてな!」
ヘイゼルはモリガンの心配を鼻で笑うと不敵な笑みを浮かべ、アクセルを吹かすと勢い良く走り去った。

その後姿が見えなくなるまで見送ると、モリガンは運転席に戻り溜息混じりに呟いた。
「命は一度きりの物……代わりを生み出す事なんて出来はしない……」
ポケットから小さなロケットを取り出し蓋を開く。中には写真が収められていた。モリガンの面影を持つショートカットの少女に強引に抱きかかえられ、不機嫌な表情を浮かべた少年の写真。髪の色や瞳の色は全然違うが、その少年の雰囲気は何処と無くヘイゼルに似ている。
「そうだろう、ユージーン……」

【綻び(終)】 《次章へ続く》



ここから後書き!

さあ、物語は佳境に入りましたッスよ~!

ヘイゼル   「やっとかよ! てか、1月終了説とか、3月完結説を詐欺りまくって5月になっちゃってるし!(゚Д゚#)」
ユエル    「♪~(゚ε゚) 」

第5章【綻び】のテーマは、“火サスの10:40位の展開”です。
丁度、崖の上に追い詰められた犯人に真相を突きつける感じッスね。
ここから先は書きたいシーンのオンパレードなので、かなり気合も入ってると思うッスよ。思うッスよ?

ヘイゼル   「なんで二回言うねん、しかも疑問形で!(゚Д゚#)」

ついでにキャラ設定の補足を…!

【ヤンデレ化しか見せ場の無かったアリア・イサリビ】
アリアの豹変は予定の通りだったッスけど、それまでにキャラを立てて上げられなかったのが心残りでしたッス…自分の力量不足を感じるッスよ('Д`)

【ビリー・G・フォームのどうでも良い血統】
実は伝説的な狙撃兵、シモ・ヘイヘの血を引くとか引かないとか……。

【モリガン・ホプキンスの裏設定】
モリガンがロケットを見て、呟いた名は彼女の弟の名前です。
二人はとても仲が良かったのですが、モリガンが15歳の時に、ユージーン(11歳)は事故で亡くなりました。
彼女は、その弟をコピーキャストとして甦らそうと、キャスト研究の道に進みました。
魂のデジタル化処理は、生前に行わなければ意味が有りませんが、彼女はその現実は無視していたようです。
もしくは天才であった彼女は、失われた魂すら自分の手で作れると信じていたのかもしれません。
ですが、研修医としてガーディアンズ養成校に就任していた際、亡き弟の面影を持つヘイゼルと出会います。自分と同様に家族を失ったにも関わらず、現実を受け入れている彼を見てモリガンは自分の未熟さに気付き、考えを改めます。それ以降、モリガンは家族の無いヘイゼルに姉の様に接するようになり、現在に至っています。

次回から、いよいよ最終章に入ります。
章のタイトルはズバリ! 【L・O・V・E】
それは、戦火に彩られた 『L・O・V・E』 の物語

ヘイゼル   「なるほど……今度は、最終章詐欺か?(゚∀゚)」
ユエル    「詐欺言うなッスよ!(#゚Д゚)」

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相互リンク記念の結果がこれだよッ!(゚∀゚)

001

最近、部屋が物凄いカオス度を増しているユエルでッス。こんばんはッスよ~!(゚∀゚)
今回はPSU小説の後書きを…と思ってたのに気付いたら【綻び】の章は後ちょっと残ってた事に気付いたッスよ、テヘ☆

ヘイゼル   「テヘ☆、で誤魔化すな!(#゚Д゚)」

まあまあ、今日は前回、プライベートの事でちょっと触れた、相互リンクの相手先……。
あの人の所にお邪魔してみましたッスよ!(゚∀゚)

002
“この子”の部屋はニギヤカな“性格”のわりに意外と片付いてるッスね。
……となれば……!?

003

ヘイゼル   「 何 故 そ う な っ た ! Σ(´Д`lll)」

何故って、置き物テロは挨拶みたいな物じゃないッスか(゚∀゚)
幸い、家の生産ラインは絶賛稼動中ッスよ!

004

ヘイゼル   「いつかのネタの使い回しじゃねえかッ! Σ(´Д`lll)」

でも、私は気付いたッス……。

005
そこで私は考えたッスよ!
誰にも気付かれず……誰も気付かず……気付いた時は、既に手遅れ!
それこそがテロの脅威!

故に―――!

006

ヘイゼル   「地味すぎる!Σ(´Д`lll)」

この位置、配色、大きさ……ふふふ、これには気付くまいッス!(゚∀゚)

ヘイゼル   「いや、気付いて貰えなかったら逆に悲しいだろ! この手のイタズラは! つーか、今回のネタでやっと気付いて貰えるにメセタ賭けても良いわッ! Σ(´Д`lll)」

そんなこんなで、第一回目のユエルお部屋訪問は終了しまッスね(゚∀゚)

ヘイゼル   「続けんなよッ! Σ(´Д`lll)」

007

また来週~!

ヘイゼル   「NEEEEEEEEEYO!(゚Д゚#)」

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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-28】

ユエル    「今回は前置き無しで行くッスよ~! 細かい事は後から書き込む『中書き』に書くッスね!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「( ´゚д゚`)えー」

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--------- 再開 ----------

【綻び】 Scene-07

「アリアさん! お久し振りッスね~。こんな所で逢うなんて奇遇ッスよ~」
にこやかに……馴れ馴れしく彼女は笑い掛けてくる。
逢いたくてあった訳じゃない……。
できれば貴女となんて顔を合せたくなかった!
そんなアリアの内心に気付く事もなく、ユエルは喋り続けた。
「私はさっき、ヘイゼルさんに呼ばれて来たッスよ」
「……!」
ユエルの口から飛び出したヘイゼルの名前に、胸が締め付けられるような痛みすら感じる。
アリアはユエルの顔を刺すような視線で見上げた。
その空気に気付かず、ユエルは無垢な小鳥のように囀っている。
だが、過ぎた囀りは、もはや騒音でしか有り得ない。
「あれ? でも、この公園にアリアさんが居るって事はッスよ……ひょっとして、アリアさんもヘイゼルさんに呼ばれていたッスか?」
ヘイゼルの周りに貴女が居るだけで、私はこうも心を引き裂かれそうな気持ちを味わっているのに、貴女は私が彼の傍に居たとしても気にならないの? 私は貴女の心をざわめかせる存在にすらならないと言うの!?
何よ……何なのよ! それは―――ッ!

"嫉妬"

その気持ちを理解した時、アリアの中で何かが切れた。
堰堤(えんてい・《意》ダム)で澱む愛憎に濁った泥水が、堰を切り奔流となって溢れ出す。
「ヘイゼルと……待ち合わせ……何よそれ……自慢したいの? 余裕のつもりなの? ……それとも、私への当て付けってワケ?」
「……え?」
ごぽりと湧き上がる乾留液(タール)のように、ゆっくりと粘ついた言葉にユエルは戸惑う。その彼女に構わず、アリアはゆらりと立ち上がると迫って来た。

003
「本当に嫌な子……貴女は……散々、私をかき回して苦しめて、それでもまだ足りないの!?」
ユエルはアリアの変化に困惑し、パチパチと眼を瞬かせた。
その態度が更に、アリアの心を狂わせる。
脳天気な顔が許せない……。
無垢な顔をして二人の関係に割り込んで来た事が許せない……。
許せない……許さない……私は、あなたを許さない!
魂の底から湧き上げる嫉妬の炎。
憎悪が粘性の質を持って、ゆるらりと燃え上がっている。
「アリアさん……どうしたッスか―――?」
「黙りなさいよ、この泥棒猫!」
アリアは鬼の様な形相で一喝した。彼女の剣幕に脅え、ユエルは後退る。
「貴女が来てから、私の周りは全て滅茶苦茶になってしまったのよ!」
妬みが毒となってアリアの口から湧き出した。
「貴女が居なければ、彼の隣には私が居られた……! 貴女が居るから私は居る意義を失った……! 貴女さえ現れなければ……貴女さえ居なければ!」
繰り返されるアリアの呪言。吐き出した恨みの言葉がユエルのココロにまるで無数の針のように激しく突き刺さる。
製造(生まれて)から初めて向けられる、他人からの強い負の感情。嫉妬は憎しみになりえるのだ。だが、その感情がユエルには理解できない。人の感情を理解するには、彼女の人生経験は不足しているのだ。

だから、解らない……ワカラナイ……。

彼女の気持ちがワカラナイ。

憎悪の理由がワカラナイ。

その想いに応える術がワカラナイ。

005

ディ・ラガンに迫られ、命の危機を感じた時とは別の恐怖に、ユエルの身体はガクガクと震えだす。

ワカラナイ……コワイ……ワカラナイ……コワイ……ワカラナイ……コワイ……コワイ……コワイ!

「あ……あぁぁ……あぁぁぁぁぁぁ―――っ!」
その恐怖に対処する術が解らずに、ユエルはその場から思わず逃げ出した。
まるで自分の感情から逃げ出すかの様に―――。
「逃げるの卑怯者!? 良いわ、貴女なんか、そのまま居なくなってしまえ! 戻って来ないでよ! アハハ……アハハハハ―――ッ!」
耳(聴覚センサー)に飛び込んで来たアリアの最後の罵声と哄笑。
それはやがて低い嗚咽へと変わったが、ユエルに振り返る気持ちの余裕は無かった。
突き付けられた言葉が凶器となり、ユエルのココロをズタズタに壊している。
(……負荷ヲ……カクニ……提案……)
ココロの深い奥底で、何かがのそりと首を擡げ様としていた。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

リニアライナーの駅構内を女性が歩いていた。
緋色を主色(メインカラー)とした、金属と複合樹脂の外装、キャストには珍しく、肩に緋色のケープを纏い、頭髪も緋色、瞳の色も緋色……全てが緋色で彩られた緋色の女性キャスト。
信念を持って生み出されたかのような緋色の女の髪に、ただそれだけが不釣合いと思える、可愛らしい花の髪飾りが揺れている。

006
緋色の女性キャストの外見は、同性でも溜息を吐くほどに、人目を惹く美しさを持っているが、彼女には思わず視線を逸らせてしまう様な独特の空気が有った。
譬えるなら、それは抜き身の真剣。
怖気を催すほど美しくも、危険な雰囲気を彼女は漂わせていた。
「そう……上手く行ったみたいね。計算通りで拍子抜けしちゃうわ」
緋色の女は左耳のセンサー部に片手を添え、何者かと会話している。彼女達キャストの人工内耳を覆う集音器を兼ねたカバーには、ビジフォンも内蔵されているのだ。
「それじゃあ、アナタはそのまま彼女の後を……。ええ、それで良いわ。後で合流しましょう、私も今からそちらに向かうわ―――」
緋色の女が会話を終える頃には、構内を抜け出し外に出ていた。
外界に出た彼女は一瞬、後ろを振り返り、ステーションの外壁に取り付けられた駅名標に目を移した。

007

『ホルテスシティ・リニアライナー・ステーション』

此処はヘイゼルとユエルが初めて出会った場所だった。
緋色の女が哂う。その顔を見た通りすがりの男性が、ギョっと驚き、慌てて目を逸らすと足早に走り去って行く。
「妬みは芽吹いた。後は花を咲かせるだけ……それじゃあ咲かせて散らせましょう……絶望と憎悪と終焉に彩られた美しい花を―――」
下弦の月のように鋭い緋色の女の笑み。それは美しく、残酷に、そして歪んでいた。

《続く》

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ユエル退役する

ヘイゼル   「たい……何?(;´Д`)」
ユエル    「良く来たッスね! ウジ虫共ッス!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「また、フルメタかッ! そのネタは既に見た! 何だよいきなり!(゚Д゚#)」
ユエル    「ISAのスペシャリストになって、惑星ヘルガーンに行って来たッスよ(゚∀゚)」
ヘイゼル   「はぃ? (゚Д゚ )?」
ユエル    「もう! 鈍いッスね! つまりこう言う事ッス!」

殺 地 域
KILLZONE2

ババーン!キャー!

ヘイゼル   「直訳やめいッ! Σ(´Д`lll)」
ユエル    「PS3発売当初のトレイラーを見て気になってたので、買おうかどうか悩んでたッスよ」
ヘイゼル   「悩む要素あったのか?」
ユエル    「いや、FPSって何だか血生臭い雰囲気がどうにもアレでッス……('Д`)」
ヘイゼル   「んな、事言ってたら、お前が好きな“デモンズ”とか“バイオ”だって充分アレだぞ?」
ユエル    「でッスよね、でッスよね~! 私もそう思ったから買ってみたッスよ!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「で、感想は?」
ユエル    「萌がNEEEEEE―――ッス!ヽ(`Д´)ノ」
ヘイゼル   「いや、求める方が無理あんだろッ! Σ(´Д`lll)」
ユエル    「一面を終えた所で私は、そっとISAへ辞表を出したッスよ……('Д`)」
ヘイゼル   「早いなッ! って、それで今回のタイトルか! Σ(´Д`lll)」
ユエル    「思いっきり萌系FPSとかあったら、ニッチ層に受けるんじゃないッスかね?(゚∀゚)」
ヘイゼル   「そんな需要はねえッ!(゚Д゚#)」

そんな訳で近況を… (ノ∀`)
GWに入ってデモンズが、ちょっと賑わっていたのと、神MADの影響で、再びボーレタリアに戻っています。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm6844159

↑その神MAD
やっぱり、デモンズは楽しいッスね~(*´д`*)

あ! それと今回は、もう一個報告があるッスよ!
私と同じPSU小説仲間で、以前ちょっとネタにも使っちゃった (ノ∀`)アチャー
【イサナラヂオ】さんと相互リンクする事になりましたッス!
其方の方も宜しくッスね~!(゚∀゚)

ヘイゼル   「……むしろ、こっちが宜しくして貰う方じゃね?(;´Д`)」
ユエル    「 Σ(´Д`lll)」

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