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2009年6月の投稿

Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-31】

ちょっと生活環境が変わって休みがNEEEEEEEEEEッスよ―――!ヽ(`Д´)ノ

ヘイゼル   「いや、俺に言われても…(;´Д`) てか、久々の更新がいきなり愚痴かyp」

お陰で進行ペースが遅れてばかり…書き始めても疲労で寝落ちしちゃうッス…('A`)

ヘイゼル   「と、言うより酒飲まない方が良くね? 寝落ちの原因もどっちかって言うとソレが原因のような……」

知ったな!(゚Д゚#)

……と、言う状況ですが何とか頑張ってるッスよ('Д`)
負けを認める時が、敗北した瞬間ッス!
負けてたまるかッスよ―――!ヽ(`Д´)ノ

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--------- 再開 ----------

【L・O・V・E】 Scene-02 『誘い(いざない)』

ラブワード邸で知ったユエルについての衝撃の事実……見え隠れするエンドラム機関の影……暗躍する緋色の女……。
様々な想いが頭を過ぎる中、ヘイゼルは旧市街へと辿り着いた。造成地を縦横に舗装された街路を走るが、人影は見られない。時折りユエルの現在位置をナビゲーションで検索しているが、やはり反応は無かった。
本当にユエルはこんな所に来ているのか……ビリーの見間違いでは無かったのか……疑念が苛立ちとなりヘイゼルの心を惑わせる。
(やはり別な所を探した方が良いのか……)
ヘイゼルがそう思い始めた矢先―――。

「あ……あああ……ああああああああぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁああああぁああぁあああぁぁ―――っ!」

何処からか甲高い悲鳴が聞こえてきた。
それが奇跡か偶然か……はたまた用意された必然だったのかは解らない。だが悲痛な叫びは確かにヘイゼルの耳に届いた。慌てて一度スクーターを停め周囲を確認する。
(今の悲鳴……ユエルか!?)
絶叫を聞き分ける事は困難だが、その痛々しいまでの叫びは、ラフォン草原でユエルが一瞬見せた狂気の発露を思い起こさせた。
「クッ……!」
ヘイゼルはスクーターの向きを反転させると、声が聞こえたと思われる方角へ向かって走り出す。
幾つかの交差点を過ぎ、辺りを注意深く見回していたヘイゼルの視界に、初めて人影が映る。
歩道の片隅に白い外装の少女が地面に蹲っていた。
(ユエル―――!?)
その前に立ちはだかるのは緋色の外装を持つ女性キャスト……対照的な白と赤。
(緋色の女……あいつが、ビリー達が通信で言っていた女か!)
ヘイゼルは道路から造成された敷地へ進入し通過すると最短距離で二人に近付く。
「やっと、ご到着?」
二人から数メートル離れた所でスクーターを停めると、まるでヘイゼルが来るのを予期していたように、然程驚きもせず緋色の女が一瞥する。
ナノトランサーから短銃を転送したヘイゼルが、威嚇するように緋色の女に銃口を突きつけながらユエルの様子を窺う。彼女はヘイゼルがやってきた事にも気付いていないのか、強張った表情のまま頭を抱え小刻みに震えていた。
既に、この女の魔手がユエルに及んでいたか……ヘイゼルは歯噛みした。
「てめえ……ッ! ユエルに何をした!」

003
「何って……事実を教えてあげただけ、可愛い顔をして、姉さんが沢山の人間を殺してきた事を……キャストではなく、ただの機械、マシナリーであると言う真実をね」
ヘイゼルの詰問に緋色の女はしれっと答える。
「なん……だと……」
それはヘイゼルにとっても衝撃的な言葉だった。
(姉……妹? ユエルが人殺し? ……いや! それよりも、マシナリーだと!?)
ラブワード邸を訪れ、ヘイゼルがユエルに対して抱いていた懸念は、彼女がコピーキャストでは無いかと言う疑いだった。
だが緋色の女は言った。ユエルはキャストでも、コピーキャストでも無く、唯のマシナリーであると―――。
その話しを信じるなら、ユエルがコピーキャストである疑いは晴れるのだが事態の深刻さは変わらない、いやそれ以上だ。人型のマシナリーを製造する事もまた違法であるからだ。
「いい加減な事を言うなッ!」
銃口を震わせながらヘイゼルは声を荒げる。
ユエルが……あの、お気楽な天然娘が……キャスト離れした性格のアイツが……マシーンである理由が無い!
その反応を見て、緋色の女がニヤリと哂う。
「あらあら必死になっちゃって、趣味の悪い男だこと……私は知っている。貴方がキャストを憎んでいる事を……その貴方が機械の女に懸想?」

002
ヘイゼルは動揺を何とか押し殺した。
どうやって知ったかは知らないが、この女は知っている……。
自分が社会から受けた責苦を、キャストが自分の心に負わせた深い傷を……。
ヘイゼルがキャストに抱く憎悪は、彼が少年期に負った精神的外傷(トラウマ)による物だ。
だが、ヘイゼルがユエルに抱く感情は、他のキャストのそれとは違っていた。
控え目に見てもキャストとは思えない性格の少女。
ヘイゼルはユエルと過ごしている間に、いつしか彼女がキャストである事さえ忘れていた。
自分にとって特別なキャスト―――。
しかし、ユエルに抱く感情はどうなのだろう?
それを思うと迷いがあった。それはラブワード邸で事実を知った事で確信となってきている。ユエルに抱く感情……それは幼い日の記憶にある、ユニスの姿をユエルに重ねているだけなのでは無いかと……。
あの日、雨の中に立ち尽くすユエルにユニスの面影を見ていただけなのではないかと……。
「ち、違うっ!」
咄嗟にヘイゼルの口から否定の言葉が飛び出していた。
確かに、雨の中に立っていたユエルに何かを感じ話し掛けたのは事実だ。切っ掛けは無意識に感じた過去との邂逅のせいだったのかもしれない……だが、ユエルはユエルだ! 決して誰かの代わり等ではない!
「そう、貴方はキャストを嫌っている……それに、貴方が好きだったのは姉さんの規範、基となったモデルの女性だものねぇ」
緋色の女はヘイゼルの否定を逆に捉えた。いや、それは故意だったのかもしれない。
ユエルの身体の何処かがキシリと痛んだ。同時に抗う力が抜ける。
(私のオリジナル……? ヘイゼルさんが好きだったのは、その人―――。私は……代わりだったッスか……)
ぐらりと視界が歪み、ユエルのココロを最後まで止めていた何かが切れた。
そうか、貴方にとって結局私はそれだけの存在だったのか……。
彼女の言う様に私は所詮機械、恋する事を夢見るなど、滑稽で憐れな機械人形(オートマタ)。

(サア……ワタシニマカセテ……スベテヲワスレテミヲユダネテ……)

折れた心に心地よい誘いの言葉。
この声に身を委ねてしまおう……もう苦しむのも、辛いのも嫌だから……。
ユエルの意識が暗闇に沈んでいく。同時に別な"何か"が明るみに浮かび上がり、歓喜の声を上げるのを遠くに聞いた気がした。
全てを閉ざす絶望の中、それでもユエルは願っていた。次に目覚めた時、また優しい榛色の瞳に見詰められている事を―――。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

頭を抱えていたユエルの震えがピタリと止んだ。
「……パーソナルを『Master』から『Slave』に移行―――」
蹲っていた彼女が不意にゆらりと立ち上がる。

001
「ユエル……?」
震えの治まったユエルの口から、彼女の物とは思えない冷たい声がする。ヘイゼルはその様子に戸惑っていた。

「"デュアルブート・システム"起動……戦術プログラム実行します」

キリキリとユエルの頭が機械的に動き、緑色の瞳がヴィエラに向けられる。
「残留SEED反応見られずも敵勢を確認、指令プログラムF0003により対象の殲滅を開始します」
冷たい翠玉(エメラルド)のような瞳が妖く輝く。突如、ユエルを中心に冷気が発生し、彼女の周囲の空気が瞬く間に凍りつき氷晶と化す。慌ててヘイゼルはユエルの側から離れた。

005
「なっ!? これは……ダム・バータ!?」
発生した効果は氷結系テクニックによる範囲攻撃法術に似ていた。その様子を冷静に傍観しながら緋色の女が告げる。
「いいえ違うわ、ハイブリッド・A・フォトンリアクターのフルドライブ稼動により、過大出力されたフォトン・エネルギーを凍気に変換しているの……これが氷結のマシン・テクターたる姉さんの力よ」
(A・Fリアクター……ユエルはA・Fリアクターを搭載されていたのか!)
ヘイゼルはホログラム・レコーダーに記録されたハリス博士の言葉を思い出していた。博士はエンドラム機関の一員として、キャストに搭載できるA・Fリアクターを開発したと言っていた。やはり、それをユエルに搭載していたと言うのか!?
疑わしき点は有った。
精密検査の結果、発見されたユエルの持つナノトランサーの異常容量とブラックボックス。それはA・Fリアクターと関係していたのではないか?
レリクスのミッションでユエルを襲った原因不明のリアクター不調と、スヴァルタスの起動。推測の域は出ないが、あれはA・Fリアクター同士が共振して起こった現象だったのではないか?

(ユエル……)

複雑な想いがヘイゼルの胸に去来する。平和だった日常が悪意ある現実に壊れていく。誰もそんな事を望んでいなかったのに―――。
目標を自分に定めたユエルを見てヴィエラも身構える。
「やっと本性を表わしたわね姉さん。でも、たかが機械人形(オートマタ)風情が殺戮人形(キリングドール)に勝てると思って?」
壊したのはこの女……この女が―――!
「……テメエは……テメェの目的は何なんだ―――ッ!」
ヘイゼルは怒声を上げて緋色の女に問う。
そこまで……そこまでしてユエルを追い詰め、一体この女は何を望むのか?
ヴィエラはヘイゼルを一瞥し鼻を鳴らす。
「姉さんの愛したモノを……姉さんを愛したモノを奪う。絶望と終焉を見せてあげる! それが私の復讐!」
緋色の女は、その動機を復讐と言った。
「なッ! ……そんな真似をさせるかよっ!」
「組織は潰えたのに、その尖兵だけが残るなんて滑稽だわ……まして、人殺しの姉さんが、ごく普通に"人"として生きようだなんて、虫の良い話し。いえ、姉さんは人じゃなかったわね……スクラップが似合いの人形よ!」
「黙れよ、クソっタレが!」
「アハハハハハ! 怒ってる? でも、貴方にも絶望を見て貰う。ゆっくりと姉さんが屑鉄と化す様を見ていなさい! ……尤も、貴方が姉さんより先に倒れなければの話しだけど……」
「何……?」
ヴィエラが浮かべた冷笑を怪訝に思ったその時、ヘイゼルの足元にフォトンの光弾が着弾しアスファルトが弾けた。慌ててその場を飛び退き、二発目の射撃を警戒し辺りを窺って射撃手の姿を探る。先程までヘイゼルが立って居た場所の後方に20m程離れた場所で、丁度背後を取るような位置に彼女は狙撃銃(ライフル)を構えていた。
「なッ―――!?」
彼女の姿を認識したヘイゼルが絶句する。

側頭で結い上げた薄紫色のお下げ髪。

クリッとした大きな瞳。

だが見慣れた顔が持つ、彼女の身体は黒い外装(パーツ)で覆われている。

其処に立っていたのは紛れも無く、黒い"ユエル"だった―――。

007

《続く》

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