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Phantasy Star Universe-L・O・V・E 【2-40】

ユエル    「祝! デモンズソウル【欧州版】発売決定ッスよ~!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「まだデモンズやってたのかよ! Σ(´Д`lll) つーか、一年以上してから発売なのか!?」
ユエル    「SCEも、まさかあんなに売れると思ってなかったから、いろいろゴタゴタがあったみたいッスよ(゚∀゚)」
ヘイゼル   「どんなよ?」
ユエル    「要約したの拾ってきたッスけど、大体こんな感じッスね(゚∀゚)」

・デモンズソウルは初回出荷分が1万5000本程度のニッチなタイトルだと思っていた
・しかし、それは25万本売れるタイトルだった(正しくは国内15万+北米28万のハーフミリオン)
・ SCEAやSCEEは、その伝統的ではないデザインと厳しい難易度のゲームが日本以外で売れるとは思わなかったため、SCEJの抵抗にも関わらず海外での販売をアトラスに任せた
・それは間違いで、ファーストパーティーのタイトルとして発売するべきだった

ユエル    「と、SCEAのエライ人が反省してたのに、何故か欧州版はバンナムがローカライズするみたいッスけどね(゚∀゚)」
ヘイゼル   「SCEJの戦略めいた何かを感じるぞ・・・(;´Д`)」
ユエル    「デモンズのローカライズ権利をやるからペルソナシリーズとテイルズシリーズの続編をPS3でヨロシク!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「オイ! バカ! 止めろ! と言うか何が言いたいんだ今回!(゚Д゚#)」
ユエル    「まあ、私が言いたいのはッスね・・・欧州版ブラックファントム・エディション、カッコイ―――! 何でこれを国内で出さないッスか! 釣られて買っちゃいそうッスよ!ヽ(`Д´)ノ」
ヘイゼル   「国内版、北米版(限定)×2も買ったのに、まだ買うんかい!(゚Д゚#)」
ユエル    「私のスパイクシールド二盾流を世界に知らしめるッスよ!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「浪漫武器じゃねえかッ! つーか、ACでもロケラン使ったり、モンハンではガンランス使ってたな、お前は!」
ユエル    「勝つ事よりも、別の何かを追求してるッスね。求道者として!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「対人で勝てないから、そっちに逃げたんじゃねえのか!(゚Д゚#)」
ユエル    「・・・と、まあ前置きはさて置いてッスね・・・」
ヘイゼル   「前置き長げえだろッ! Σ(´Д`lll)」
ユエル    「今回の小説は、アニメ『コードギアス』の劇中挿入歌『Stories』を脳内再生しながら読んで見るのをオススメするッスよ!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「うわ・・・イテエ・・・(;´Д`)」
ユエル    「痛い言うなッスよ!(#゚Д゚) それじゃ、どうぞッスね!」

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--------- 再開 ----------

【L・O・V・E】 Scene-11 『Stories』②

遠くから白い少女の名を叫ぶ相棒の声が聞こえる。
コンクリート塀に背を預け、座り込んだビリーは、その声に釣られうっすらと瞳を開けた。
「そうだ、叫び続けるんだぜ……たとえ無駄に思えたとしてもだ。耳を塞いで聞こえない振りをしててもな、良い言葉ってのは……」
ビリーの腹部から流れ続ける紅い血潮。彼自身の生命の証。心臓が鼓動を刻む度、身体からそれが失われて行く。視界も霞んできていた。それでもビリーは不敵に素敵に大胆に笑って見せる。何時だって彼の人生はロックなのだから。
「心には……届いているもんだ……ぜ」
小さく呟き、ビリーの頭が力なく落ちた。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

舗装道路を全速力で後退する一体のガードマシナリーを追って、区画を仕切る隔壁をぶち破り、追跡者となったL・O・V・Eの巨体が飛び散るコンクリートの瓦礫の中から猛然と姿を現す。
ガードマシナリーが保有するロケット弾も、フォトンビームもL・O・V・Eには効果が無い。応援要請のシグナルは既に発信済みだ。今、その身に出来るのはL・O・V・Eから逃げ切り、派遣されてくるであろう増援部隊と合流する事だが、L・O・V・Eはそんな都合を許しはしなかった。
L・O・V・Eの巨大な右拳を、腕部からせり上がって来たガードパーツが覆う。破砕(ハード・ターゲット)用大型鋼拳"デストロイ・ハンマー"が振り上げられた。効果は無いと知りつつもガードマシナリーがフォトンビーム弾を発射する。その射撃を無視して巨大な鉄塊が振り下ろされ、ガードマシナリーの胴体部がアスファルトの間でひしゃげる。四脚が地面に突っ伏する様に地面に×字を描く。L・O・V・Eが右手を持ち上げると、ガードマシナリーの胴体部は鋼拳の痕を残し綺麗に陥没していた。それでも職務に忠実な忠機は指示を全うするべく、壊れた四肢を動かそうとする。そこへL・O・V・Eの止めの一撃が放たれた。轟音と共に炸薬が炸裂し、巨大な薬莢が薬室より排出、同時に左腕部外側に装備された突貫杭(ストライカー・パイル)が射出され、ガードマシナリーの胴体部を貫く。×字型に伸びた脚部が痙攣したように一度大きく跳ね上がり、胴体部が爆発を起こした。燃え上がる炎の中でガードマシナリーの残骸が力無く崩れていく。

(燃える……燃えて往く……また……)

白い少女はぼんやりとその光景を見詰めていた。
だが、彼女に視えているのは違う光景、重なった幻影(マボロシ)、過去の記憶。
黒煙に覆われた夜空、崩れ落ちた瓦礫の山、おびただしい血の跡、沢山の死体、それを覆うアカイ炎―――。

(ああ、私はまた夢を見ているッスね……)

少女はその悪夢に絶望し嘆く。
そこから一刻も早く離れたいのだが、急いでいるのに己が脚は一向に願いを聞き入れず、その歩みはタールの海を渡る様にもどかしい。まるで意識の有る夢の中を彷徨い歩いているかの様だ。やがて夢現の中で自分の名を呼ぶ声が聞こえて来た。それは懐かしくも慕わしい人の声。
だけど、私はそれからも逃げようとしている。
(逃げる……? そうか私は逃げているッスね……)
不意に、白い少女は気付いた。その瞬間、今まで身体を動かしていた、もう一人の自分が小さくなって行く。この状況に自分自身を置き去りにして消えて行く。無責任な……と、少女は崩れそうな苦笑いを浮かべ観念した。
どの道、逃げられない。緋色の光景が、この罪から逃がしてくれないのだ。
ならば私は裁かれなければならない……咎の報いを受ける為に―――。

Judex ergo cum sedebit,
(かくて裁き手の座したもう時)

quidquid latet, apparebit:
(隠れたる事全て現れ)

Nil inultum remanebit.
(報いられざる事、一つとしてなからん)

Quid sum miser tunc dicturus?
(……その時、私は何を弁明すれば良いのでしょう?)

Quem patronum rogaturus?
(誰に弁解の賛同を得れば良いのでしょう?)

Cum vix justus sit securus.
(正しき者ですら畏れ脅える、その瞬間に……)

何時の間にかL・O・V・Eの脚は止まっていた。だが結果として、そのお陰でヘイゼルは追いつく事が出来た。
ヘイゼルは立ち止まり肩で息を切らす。自分とL・O・V・Eでは身体の縮尺(スケール)と機動力が違うのだ。これ以上の追跡(チェイス)は正直骨が折れる。
「ハァ……ハァ……ユ……ユエ……ルッ!」
ヘイゼルは荒い息の間から少女の名を呼び掛ける。返事が返って来る事を期待していた訳ではない……が、妙に拍子抜ける程、あっさりとユエルの声が反応した。
「来ないで……下さいッス……ヘイゼルさん……わた……しは……私が……」
声は届いた……。正気を取り戻したか! 安堵するヘイゼルの耳に、深い絶望を纏った声が弱弱しく響く。
「私が……皆を殺してしまったッスよ……」
その言葉の意味を悟り、ヘイゼルは絶句する。背筋を電撃にも似た痺れが走り、顔から血の気が引いた。
(戻っているのか……記憶が!?)
ヘイゼルは動揺していた。ハリス博士とヴィエラは言っていた。結果として生みの親を殺してしまったユエルの記憶を封じたと。それは彼女の罪と咎と悲嘆にくれた絶望の記憶だ……。それを思い出していると言うのか!?

『そう、殺したのよ―――』

と、ユエルの封じられた記憶が冷酷に告げている。
優しかった研究者達を……そして今、ヴィエラを……憐れな自分の妹を……私が、この手で!
緋色の視界の中に散乱する研究員達の屍が、ズタズタに引き裂かれたヴィエラの姿が、消えない罪の現実が、思い出した記憶と共に焼き付いている。
ユエルが視線を落とし、変わり果てた自分の右手を見詰めた。
金属が軋み、ジョイントが可動する、音。
複合合金で構成された無骨な4本のマニュピレーター……今の自分の拳は凶暴な鉄塊だ。
思い出す。忘れようとしていた光景を……。記憶が重なる。ラフォン草原で斬殺されたディ・ラガンを前に、真っ赤な血に濡れたこの手を、ユエルは確かに見ていた。あれは悪い夢の続きだと思っていた。だが……これが現実。

『SEED殲滅戦用次世代SUV』

そうだ、それが自分の本当の姿だ。獰猛な殺戮マシーンなのだ。その本性が―――。
「殺してしまったッスよ……」
もう一度、絶望にくれた少女が泣きそうな声で呟く。
「それは、お前のせいなんかじゃないだろう!」
巨大なL・O・V・Eの足元に駆け寄ったヘイゼルが優しく、だが力強く諭す。
ヴィエラは言っていた。デュアルブート・システム……。一つの頭脳体の中にある二つの心(ペルソナ)。ユエルの頭の中には、もう一つの戦闘用副人格が在る事を。
「全てはお前の中のにある、戦闘用人格(そいつ)の仕業じゃねえか!」
と、ヘイゼルは言う。……が。

でも……でも……!

「でも、私は覚えているッスよ! あの炎の熱さを……血と肉の焦げる臭いを!」
L・O・V・Eが巨大な拳で頭部を抱え身を捩らせる。ヘイゼルが与えた希望の答えをユエルは否定した。
忘れられなかった……忘れたままでいたかった……忘れさせて欲しかった……憶えている光景がある。
黒煙を上げる研究所、崩れ落ちた瓦礫の山、おびただしい血の跡、沢山の死体、それを覆うアカイ炎。
目を閉じても消えない緋色……それはヴィエラと同じ色。
その色が、炎と血と深い闇の色が、あの夜の光景が今も脳裏から離れない。
だから、犯した罪からは逃げられない……逃げて良い筈が無い。

だが、それでも―――!

「お前は、生きていて欲しいと願われて生き延びたんだ!」
聞き分けの無い駄々っ子に言い聞かせるようにヘイゼルは力の限り叫んだ。
すまない、すまないと男は詫びた。何度も何度も繰り返し詫び続けた。残酷な結末に放心するユエルを研究所から連れ出した男は、戦う為の目的で彼女を生み出した事を詫び続けた。
ユエルの生みの親、ハリス・ラブワード博士。
彼はユエルの忌まわしい記憶を封じ、自分の死期を無視しても尚、彼女を逃がしたのだ。
血生臭い戦場から、平和な日常へと―――。

『お前は娘の代わりじゃない……もう一人の大事な、大事な私の娘……。願わくば次に君が目覚めた時には……幸福な未来が待っているように……』

記憶を操作される直前、落ち掛けた(シャットダウン)意識の中、ユエルの耳に聞こえた博士の最後の言葉。
恨む事も、責める事も無く、博士はユエルの未来を望んだ。戦機として生まれた機械に、人として生きるよう望んだのだ。
人知れぬ暗闇の中で温かい何かが……涙がユエルの頬を伝っていた。
だけど私は答えが欲しい……儚い声が問う。
「私は……私は……生きていて……良いッスか? 皆を殺してしまった私が……人殺しの機械(マシーン)が……生きていても良いッスか?」
恐る恐ると小さな声が問い掛ける。
それは懇願であり、縋りたい希望。肉親殺しの大罪を背負う、許されざる者の身でも、叶うなら望みたい、唯一つの小さな願い。
「生きろよ! その願いを誰に止められる!? 誰が否定しようと関係ない。自分が思うように、したいように生きれば良いじゃねえか! たとえ誰が何を言おうと、俺がお前を守―――!」
言い掛けて、漸くヘイゼルは気付いた。唐突に以前聞いたダルガンの言葉が頭を過ぎる。

『ヘイゼル、君の"守るべきもの"は……見つかったのか?』

守るものは無いと、ヘイゼルは答えた。
大義無き、落ちこぼれのガーディアンズである俺には、世界を護るとか、そんな大それた英雄じみた事は出来ない。
そう思っていた。
力の無い自分には、自分の為に守りたいもの位しか守れない。
それが自分の実力だから……。
だが、それでも良い。
そうだ、俺は唯一人、お前を護る為の守護者(ガーディアン)だ。
それだけで良い。
「なんだ、俺にも守りたいものはあったじゃねえか……」
小声で呟いたヘイゼルの口元に笑みが浮かんでいた。遅すぎた理解に対する自嘲めいた苦笑。
「お前を襲う不幸から、お前を責める悪夢から、お前を認めない世界から、何時だって、どんな時だって、必ず守ってやる。俺はお前と生きていきたい。明るい明日をお前と二人で見て生きたいんだ。だから、一緒に生きようユエル……」
それが『守るべきもの』を得た、ヘイゼルの素直な心からの言葉だった。
「あぁ……ヘイゼルさん……」
感極まり、涙声のユエルの言葉がL・O・V・Eの外部スピーカーを介して聞こえる。
傍から見ると些かシュールな光景だが、ヘイゼルと巨大な戦機は見詰め合っていた。
だが、唐突に聞こえた無粋なスキール音が二人の時間(とき)を現実に引き戻す。
振り返ったヘイゼルの視界に、砲台を備えた多脚マシナリーの姿が飛び込む。先程までの都市警備のマシナリーでは無い。軍用の戦闘マシナリーだ。それも一機や二機ではない。小隊規模の数だ。
(同盟軍のマシナリーだと!? 増援を呼んでやがったのかよ! 空気読めよ、クソッたれが!)
舌打ちするヘイゼルを差し置き、集まったガードマシナリーは交互三列になって、L・O・V・Eに対しを陣形を整えた。双方の距離は約30m、フォトン・メーサー砲を有する胴体部の両側には、おそらく4連装のランチ・ポッドを収めている2つのコンテナが―――。
(不味い!)
ヘイゼルの顔から血の気が引く。
先程まで交戦していた都市警備用ガードマシナリーが所有していたロケット弾とは質が違う。軍用マシナリーが持つ、軍事作戦用の強力なロケット砲だ。そんな物を連射されたら、如何に優れたシールドラインでも防げない。その負荷許容量を超えるダメージを軽減する事は出来ないのだ。単体の攻撃力ではL・O・V・Eのシールドを破れない事を知ったガードマシナリーは、物量を持ってしてL・O・V・Eを完全破壊するつもりなのだ!

『圧倒的なスペックの差を物量で押し切られたその時、姉さんはホルテスシティを震撼させた悪魔の兵器として破壊されるのよ!』

破滅を望んだヴィエラの言葉が頭を過ぎる。彼女が死を賭して結んだ呪い。その呪詛が成就されると言うのか。
コンテナの正面を覆う保護装甲が展開し、ランチャーの発射管が覗く。
そんな事を……させてたまるかッ!
「止めろ―――ッ!」
ヘイゼルは両腕を広げ、L・O・V・Eの前に立ちはだかった。
『守る』という誓い、それを果たさなければならない。あの時……八年前の自分にはそれが出来なかった。父も母も守れなかった……力の無い自分が許せなかった。だから代わりに世界を呪い、キャストを憎んだのだ。
だが、今は違う! 壊れて逝く父を、疲れて逝く母を救えなかった、あの頃の自分とは違う!
『守る! その力が今の俺には有る!』
ガーディアンズとして過ごした時間、それは無駄ではなかった。身に付けた技術と技能、それは今この時の為に……守るべき者の為に培って来たのだから!
「全弾撃ち落してやる!」
ヘイゼルは広げた両手にナノトランサーから、フォトンの刃を射出する飛刃剣(スライサー)ヨウメイ社製のヒケンと、片手銃(ハンドガン)GRM社製のパイソンを転送した。マシナリーがロケット砲を一斉発射する。ヘイゼルは発射されたロケット弾目掛けて飛刃剣からチッキキョレンジンを射出、パイソンを掃射し弾幕を張る。チッキキョレンジンは飛刃剣のリアクター出力を最大値に引き上げ、フォトン刃を撃ち出すフォトンアーツだ。射出されたフォトン刃は広角で貫通性が高く、横軸への攻撃性能が高い。フォトン刃と光弾に貫かれたロケット弾が爆発し、その爆発に巻き込まれ隣接して発射されていたロケット弾を誘爆する。だが、その一度で攻撃が終わった訳ではなかった。先制を放ったマシナリーが後退し、後列のマシナリーが前進する。並列を変えたマシナリーが再びロケット砲の射撃体勢に入った。
「チィッ!」
ヘイゼルは舌打ちしながら武器を振るい弾丸を放ち攻撃を続ける。今、この手を休める訳には往かないのだ! だが、マシナリーの攻撃も止む事はない。ロケット弾全てを迎撃する事は物理的に不可能なのが現実だ。遂に弾幕をすり抜けて、ロケット弾が迫る。攻撃の手が多すぎる。防ぎきれない!
(守れないのか、俺には……? 俺の力じゃ、たった一つの大事なものさえ守れないって言うのか!?)
「クソッたれがあああああああ―――ッ!」
口汚く罵ったヘイゼルの頭上を不意に黒い影が過ぎた。次の瞬間、地響きと共に巨大な影がヘイゼルの前に立ちはだかる。その巨大な影はL・O・V・E……ユエルがヘイゼルを庇うように立ちはだかった。
「ユエル!?」
一瞬、攻撃の手を止めたヘイゼルが驚いてL・O・V・Eを見上げる。迷い無く、優しい小さなユエルの声がヘイゼルの耳に届いた。
「有り難う、ヘイゼルさん……私にはその気持ちだけで充分ッスよ……」
罪深き私に、それでも生きて良いと言ってくれた。
その瞬間、彼女の小さな願いは叶えられたのだ。
それだけで満足だった。
自分は誰かに……他でもない貴方に必要とされたのだ。
「おいッ! 止め―――ッ!」
悲鳴の様なヘイゼルの叫びがユエルの耳に届く。
その悲痛な声に心は痛むが、それでも清清しい気持ちでユエルは迫るロケット弾の群れを見つめていた。
「多くの命を殺めてしまった私ッスけど……けれども、最後にガーディアンズとして……人として……」
着弾し爆発を起こすロケット弾の破壊力は、シールドラインの許容量を超え、遂にシールドエフェクトが破片となって飛び散る。それを待っていたかの様に、獰猛な砲弾の群れがL・O・V・Eの身体に牙を突き立てた。装甲がひしゃげ、フレームは歪み、爆散したパーツが乱れ飛ぶ。
激しい爆音の中、それでもユエルの小さな呟きがヘイゼルにはハッキリと聞こえていた。
「私は……貴方を守れたッスよね? ヘイゼルさん……」
夢見るような口調でユエルは呟く。
この行動が贖罪になるとは思っていない。共に生きようと言った貴方の言葉にも従えない。しかし、それでもユエルは満足だった。

貴方が生きている事、それが私が生きた証―――。

誇らしそうに、嬉しそうに問うたユエルの言葉に、応えんとしたヘイゼルの怒声は爆音に掻き消された。
衝撃が『ユエル』であった物を壊していく。
だが、もう音も聞こえない。色調も解らない。
灰色のノイズに覆われた視界が、ゆっくりと閉じられようと(フェードアウト)している。
それが終焉(さいご)の筈なのに怖くは無かった。
むしろ少女の口元には柔らかな微笑が浮かんでいる。

(だってほら、私の心はこんなにも満ち足りているのだから……)

満ち足りて逝ける者は少ない。だからこそ思う。自分は幸福だったのだろうと。
その幸福に包まれたまま、爆発が無慈悲に世界を壊し、全てを収束する暗闇の中に落としていった。

…………。

……。

《続く》

ユエル    「挿SSも無しって、今回は手抜きッスか? (゚∀゚)」
ヘイゼル   「そう言う事を言っちゃ駄目! Σ(´Д`lll)」

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PSU小説【PSU-L・O・V・E】《完結》」カテゴリの記事

コメント

お小遣いくれるって言うから、肉バイブやってきた!!
http://buta-infr.net/art/fq5v2qt

投稿: ミミガー | 2010年6月 5日 (土) 12時10分

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