カテゴリー「短編小説」の5件の記事

謝肉祭

ユエル    「時代はエコッスよね(゚∀゚)」
ヘイゼル   「あ? 何だ唐突に(;´Д`)」
ユエル    「家電のエコポイントとかエコカー減税とか、政府が何かけし掛けてるっぽいッスよね?」
ヘイゼル   「まあ、何とか議定書とか、色んなとこで頑張っちゃったからな…」
ユエル    「街の中でもエコが付く文字を良く見かけるようになったッスね。一億総エコ化も近そうッス!」
ヘイゼル   「タバコの値上げも二酸化炭素対策だったりしてな(゚∀゚)」
ユエル    「エコエコアザラク、って何か凄いエコって感じッスよね!」
ヘイゼル   「そうだね、プロテインだね(゚∀゚)」
ユエル    「……ヘイゼル、仕事しろッス! 人が折角ボケてるッスのに!?(゚Д゚#)」
ヘイゼル   「いちいち、お前はメンドクセエんだよ! だから今日は何が言いてえんだ!(#゚Д゚)」
ユエル    「つまり、私もエコに参加したいと言う事ッスよ! このブログを使ってなッス!(゚Д゚#)」
ヘイゼル   「ブログで…エコ…? ( ; ゚Д゚)」
ユエル    「HDを整理してたら出てきた、このオリジナル短編小説を使ってリサイクル更新するッスよ! このブログはエコに協力していますッス!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「ようするに、手抜きじゃねえかッ! Σ(´Д`lll)」

【謝肉祭】

 六帖一間の狭い部屋、通りに面する窓を開けると、目の前に巨大なコンクリートの建物達が天を貫くばかりにそびえている。灰色の無機質なセメントの塊は、何処か墓石を連想させるので、俺はそれが好きではなかった。
 文明の発展を進化と呼ぶならば、その進化を放棄……いや進化の系統樹から見放され、打ち捨てられた局外者の様に、そのアパートは東京と言う都市の中で、壁の中を這い回る鼠の様に、人知れず其処に存在した。
 しかしそれでも、東京という街の中に取り残された様に建っている、賃貸料の安いこのアパートは、まともに仕送りを送って貰えない、俺の様な貧乏学生にとって、すがって生きる事の出来る数少ない場所なのだ。

 ―――六月―――

 今年もまた、嫌な季節がやって来た。
 例年と同じ、鬱陶しい程の湿度と連日の雨が、空と同じ様に俺を暗澹(あんたん)とした気持ちにさせる。
 だが只一つだけ、今年は例年と違うモノがあった。
 陰鬱(いんうつ)な気分に更に追い打ちをかける、この臭気……腐った肉の臭い。
「ごめんなさい。部屋の冷蔵庫が壊れてしまって、お肉を腐らせてしまったの」
 隣の部屋の女は、そう言った。
「お肉は好きなんだけど……一度に食べられる量が少ないから、いつも余ってしまうんです」
 女の年は俺と同じ位だろうか?
 拘りが有るのか、女は何時も白いノースリーブの麻シャツと、白いロングスカートを身に着ていた。最近では珍しく、黒く艶やかな髪を背中の中程まで伸ばし、前髪は眉の下で神経質そうに綺麗に整えてある。顔は欠点が無い。良く言えば整っていると言われる部類なのだろうが、口元に薄っすらと浮かべる、どこか病んだ様な不快な笑み。
 それが―――

 『理由(ワケ)有りの女』

 俺に、その言葉を連想させた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 梅雨空に五月晴れを期待する俺の気持ちを裏切り、巷には今日も無情の雨が降る。
 起き掛けに、部屋の壁に画鋲で留めてあるカレンダーに目を移し、俺は今日が可燃ゴミの収集が有る事を思い出していた。
 先週は、うっかりと可燃ゴミを出しそびれてしまっていた。流石に、この時期に生ゴミの混ざった可燃ゴミを部屋に置いたままにするのは気が引ける。両手に半透明のゴミ袋をぶら下げ、俺は部屋を出た。
 アパートの各部屋を結ぶ、共同の廊下は老朽化が激しい。薄暗い廊下を床を軋ませながら歩いていると、丁度、隣の部屋の女が階段を登って共同廊下に差し掛かる場面に出くわした。俺が軽く会釈すると、女も挨拶を返す。女が登って来た階段側から、外の光は入ってくるが、廊下は全体的に薄暗い。逆光を受けた女の顔は影となり、何時も通りの病んだ笑みを浮かべる様は、何時も以上に俺を不快にさせた。
 女は足を止め、俺を待っている様子を見せている。流石にそれを無視して擦れ違うのは気が引け、立ち止まった俺は、女と僅かばかりの世間話をする羽目になった。
「あなたもゴミ捨てですか?」
 女が俺が両手に持っているゴミ袋に目を移し尋ねて来る。俺は肯定の返事をすると、先週ゴミを出し忘れた事を苦笑交じりに告げた。
「……そうですよね、この時期は食料品が傷みやすくて困りますよね。だから私も結局、棄てることになっちゃうんです。……お肉が余るから」
 俺の言葉に、女はクスリと声を小さく笑う。口元には病んだ笑みを湛え続けたまま。
 梅雨特有のじっとりと身体に纏わり付く様な空気の中、何時もの白い服を着た女から漂う、甘い体臭に混じる臭気……腐った……肉の臭い。
 低俗な欲も冷める程に気分が悪くなる。
 折角の見て呉れだが、隣室に居られるのは、ハッキリ言って迷惑な類の気味の悪い女だった。
 ……思えば彼女は、何時から俺の隣に住んでいたのだろう?
 俺は女の名前も知らない。女の部屋の入り口には、その存在を示す表札も無かった筈だ。
 いや違う。そもそも、俺はこのアパートに住んでいる住人の事を何も知らない。たまたま廊下で擦れ違うときに挨拶する事もあるが、俺達は他人の存在に極力、係わらない様にして生活している。助ける事も無ければ、助け合う事も無い。冷めた都会の人間関係と言ってしまえば、それまでか……。
 そそくさと女に別れを告げ、アパートの直ぐ脇にある収集所の鉄製の籠にゴミを出し終えると、傘を持たずに部屋を出ていたので、小走りに部屋に駆け戻った。
 部屋のドアを開けようとドアノブに手を掛け、ふとある事に気付き、俺は手を止めていた。
 気のせいか……。
 最近、この廊下で他の住人に擦れ違う事が無いように思える。ほの暗い共同廊下は、ヤケに静かで、まるで住んでる人間等居ないかの様だ……。

(お肉が、余るから……)

 何故か女の病んだ笑みが脳裏を掠める。
 何故、あの女が浮かぶ……俺は頭に浮かんだ女の姿を掻き消すと、部屋に戻った。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 何時果てるとも知れない、厚い灰色の雲が広がる梅雨空。
 今日も雨は止まない。
 加えて、俺を不快にさせる、肉の腐る臭いが部屋から離れない。
 部屋の窓から陰気な気分で空を眺めていた俺の耳に、部屋のドアをノックする音が聞こえる。鬱気を振り払いドアを開けると、其処には隣の部屋の女が立っていた。
「良いお肉が手に入りました。でも、一人じゃ食べきれないので……良かったら、一緒に食べませんか?」
 何時もと同じ白い服、艶やかな長い黒髪、誘うような笑みに、病んだ様な妖しさを浮かべて女は言った。女の甘い体臭に、腐った肉の臭いが織り交ざっている。

 六帖一間の狭い部屋、通りに面する窓からは、天を貫くばかりにそびえる巨大なコンクリートの塊が見える。
 当たり前の様に、雨は止まない。
 そして今日も、部屋に肉の腐る臭いがする。

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【短編小説】Demon's Souls【読切SS】

ユエル    「はい、更新~ッスよ(゚∀゚)」
ヘイゼル   「はえーよッ! Σ(´Д`lll) 今までの体たらくは何だったんだ!」
ユエル    「前に書いて、一度公開停止した『デモンズソウル』の短編小説の改訂版ッスよ!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「手抜きじゃねえかッ!(゚Д゚#)」
ユエル    「失礼ッスね! 新作の短編も付けるッスよ!(#゚Д゚)」
ヘイゼル   「なら……まあ良いか……」
ユエル    「実は新作も5月には完成してたッス……('Д`)」
ヘイゼル   「やっぱり手抜きかyp!」
ユエル    「某電撃さんのデモンズ企画に応募したやつなんッスけど、募集期間はとっくに終わったみたいなのに音沙汰がなかったので……('A`)」
ヘイゼル   「あー……それは……('Д`)」
ユエル    「なので、旬は過ぎちゃってるッスけど、今日公開するッスよ!(゚∀゚)」

以前の改訂版

http://moegami.moe-nifty.com/blog/2009/09/demons-soulsss-.html

新作?

http://moegami.moe-nifty.com/blog/2009/09/demons-soulss-1.html

ユエル    「PSU小説も鋭意製作中ッスよ~! 早めに仕上げるから待っててッスね!(゚∀゚)」
ヘイゼル   「遅え! もうすぐ二年目に突入だぞ!? Σ(´Д`lll)」

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【短編小説】Demon's Souls【読切SS】王子の大冒険!

【Demon's Souls ―背徳の王子―】

良き王に統治され、ソウルの業という力により繁栄した我が祖国ボーレタリアは、乱心した王が目覚めさせた古い獣が生み出した色の無い濃霧、そして無数のデーモン達に因って滅んだ。
遥か南の国に渡っていた私は、ボーレタリア滅亡の報せを受け、矢も盾もたまらず祖国に舞い戻った。
賢王と呼ばれたオーラント王が乱心したとは信じられなかったのだ。
色の無い濃霧に閉ざされ、隔絶された我が祖国ボーレタリア。
何者かの声に導かれ、霧の裂け目からボーレタリア内部に侵入する事に成功した私が見た物は、デーモンに因って蹂躙された王城と、ソウルを奪われ亡霊のように城を徘徊する兵士達の姿だった。
嘗て栄華を誇ったボーレタリア王城は、夥しい屍と血に塗れ、見る影も無くなっていた。

「この惨劇を本当に王が招いたと言うのか……」

信じられなかった。誰よりも民の事を考えていた王が、この様な悲劇を引き起こすなど……。
確かめなければならない……。直接、王に会って事の真相を問い質すのだ!
私はオーラント王が見下ろしているであろう、王の間へ向かう為に歩き出した。
途中に立ちはだかる祖国の民を斬り伏せるのは気が引けたが、引き返す訳にはいかなかった。
だが、多勢に無勢。ソウルを奪われ、人としての意思を失った虜囚の兵とは言え、数で攻められてはどうする事もできない。
防戦を余儀なくされた私は、ジリジリと後退し続け、気付くと、いつの間にか迷宮の様な城の行き止まりに追い込まれていた。
絶体絶命の危機、その窮地を救ってくれたのが君だった。
楔の神殿で灯火を守る黒衣の少女に“魔を殺す者”と呼ばれ、実際に強壮なデーモンを屠ってきた君……。
その後も私は幾度と無く君に危機を救われた。
私は逢う度に強さを増す君を羨望の想いで見つめ、君の中に“英雄”と呼ばれる者の資質を見た。
我が友よ……それは私には無い力だ……。
君に助けられながら、私は城の抜け道を利用し、遂に王城の最深部である王の間へと辿り着いた。
王の間を閉ざす霧を抜けた奥には、瓦礫となった玉座に座り、崩れ落ちた城壁から城下を見下ろす人影が在った。
それが……歴代の中で最も公明正大にして、賢王と称えられた、現ボーレタリア王 オーラント。
「……謁見を求めに参りました……オーラント王よ……」
私は薄暗い王の間を進み、王へと歩み寄った。
オーラント王は無言で玉座から立ち上がると此方を振り返った。その背からは色の無い霧が湧き上がり、翼の様に拡がっている。鋭い眼光が射抜くように私を見据えていた。
私は怖気を覚えた。その姿には嘗ての面影が窺えない。感じる重圧は人の物とは思えなかった。
(王よ……貴方は一体―――!?)
次の瞬間、私は我が目を疑った。
一瞬腰を落とし、溜めの構えを見せた王の体が、いきなり間合いを詰めて迫って来たのだ。
走り寄ると言った生易しい速度では無い。それはまさに飛翔と言った方が正しい表現だ。
王の左手が、身構える事すら出来なかった私の首根を掴むと、信じられない事に、鎧を纏った私の身体を片腕で持ち上げた。右手に握られた風変わりな意匠を持つ剣の刀身がギラリと輝いている。
(そうか、これが“魔剣ソウルブランド”―――!)
抗う事も出来ない私の身体を、ソウルブランドが一方的に貫いた。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

昇降機を降り、よろよろと回廊を進み、城の外へ脱出しようと階段を下った所で私の脚は力尽き膝を付いた。
私の身体を貫いた王の攻撃は、不思議な事に致命傷とはならなかった。
命からがら王の下から逃げ延びる事はできたが、もはや此処までか……。
ふと顔を上げると回廊の入り口に、逆光を背負った人影が立っていた。
その見慣れた姿を見て、私は苦笑いを浮かべる。
(四度目……君は私の危機に必ずやって来てくれる……でも、今度は間に合いませんでしたね……)
私の下に駆け寄り、介抱しようとする君の手を止めて私は言った。
「この上に王が居ます……いや、オーラント王の姿をした、ただのデーモンでしょうが……真意を問い、諌めようと、無謀な旅を続けてきましたが、独りよがりの茶番だったようです……お願いです、王を殺してください……あれはもう、人の世に仇なすものでしかありません」
私は鎧に付けられた皮鞄から鍵を取り出し、それを君に差し出した。
今更かもしれないが、最後にこの鍵を君に託そう……。
これは“霊廟の鍵”
ボーレタリア建国の祖にして、現在も生き続けていると伝えられる、古の王ドランを奉る墓所を開く鍵。
「……ボーレタリア霊廟の鍵です。霊廟には、王の剣、ソウルブランドと対をなすデモンブランドが祀られています……」
話しながら私は霊廟での出来事を思い出していた。
そう、あの時……君が赤眼の槍騎士を倒し、霊廟へ向かった時……私はこっそりと君の後を追いかけていたのだ。
霊廟を閉ざす扉に掛けられた鍵は、魔術的な作用が用いられているのか、如何な手段を用いようと開く事も破壊する事も出来ない。
諦めて引き返す君を物陰でやり過ごし、君が去ったのを見届けてから、私はこの鍵を用い霊廟の封印を解いた。
しかし、霊廟の中にはボーレタリア建国の開祖、ドランの姿は無かった。
伝説はやはり伝説……。
落胆し引き返そうとした私の耳に威厳のある男の声が響いた。
それこそが古の王ドラン。
姿を見せない彼に、私は力求めた。
善意を力に変え、魔を狩るデモンブランド。
悪意を力に変え、神と人に仇なすソウルブランド。
ボーレタリア王家の伝承に伝わる二振りの剣の力を―――!
ドランの声は私に語って聞かせた。
ソウルブランドは既にオーラント王が霊廟より持ち去り、そして旧き獣の眠りを解いたのだと……。
祖として現王の狂気を止められなかったのは自分の落ち度である。だからこそ、もう一方の聖剣デモンブランは、手にする者の実力を見定めなければならない。
我が試練を乗り越えた者にのみ、デモンブランドは託すと。
私は、その試練を授けてくれるようドランに請うた。
王が魔剣を手にしたなら尚更だ。対するには、もう一方の“聖剣デモンブランド”の力が必要だ。

「我が末よ……残念だが、お前にデモンブランドは使いこなせん……」

だが、ドランは無慈悲に告げる。

「お前は、この剣を託すに相応しい者を見定め、この場所に導くのだ……それがお前の役目だ」

それが使命……非力な私には似合いの役目……私の器か……。
私は認められなかったのだ。
自嘲めいた笑みが浮かぶ。
私には試練を受ける事は叶わなかったが、君なら……君ならドランの試練を乗り越え、あの剣を手にする事ができる筈だ。
悪魔を屠る者……“英雄”の資質を持つ君にならば!
最後に君に会えた事は運命だろう。
古の王ドランよ……私は自分の使命を果たしました……。
意識が遠のく……私の命ももはや此処まで……か……。
私は改めて君の顔を見上げた。逆光と朦朧として行く意識で君の顔が霞んで見える。
唇は空気を求める魚のように開くだけで、言葉を発する事はもはや出来ない。
(伝えきれませんでしたね)
口元に苦笑雑じりの弱弱しい笑みが浮かぶ。
私は本当は……君が……君の力が……君の存在が……。

―――妬ましかったのだ―――。

気が付くと、私は暗い回廊に立っていた。
何処かで見た事のある風景。背後には王の前と続く昇降機があり、細い回廊の脇は奈落に繋がる暗闇が広がっている。その回廊の先に光が見える。外界から入ってくる眩い陽光、その中に君が居る。
君の腕の中で看取られ、ソウルの輝きとなって私の身体が散華して逝く。
それが私の姿であるならば―――。
では今、此処に存在する私は何なのだ?
私は自らの身体を見下ろした。
黒く染まった自分の身体を燃え上がる焔の様に緋色のソウルが覆っている。
……ああ、そういう事か―――。
私は妙に納得していた。
やり残した事が有る……心残りな事が有る……だから私は踏み止まったのか。
今なら解る。
ドランが私にはソウルブランドを使いこなせないと言った理由が……彼は気付いていたのだ。私の魂の本質に……暗い炎を宿したソウルに……。
私に相応しかったのは、きっとオーラント王が手にした物と同じく、魔剣ソウルブランドなのだろう。
血脈とは怖い物だ……私の顔が暗い悦びに歪む。
だが今は感謝しよう。
その血のお陰で、私は再び君に逢う事が出来たのだから。

散華する私のソウルは、空中を漂った後、君の身体に吸い込まれる様に消えていった。
そうやって数多の悪魔からソウルを啜って力を得たのか……。
『救世の魔人』
笑わせてくれる。君の力は自らが屠ってきた悪魔その物ではないか!
立ち上がった君は王の間へ向かう回廊に眼を向け……そして私に気付いた。
その顔に驚きと困惑の表情が浮かんでいる。
そうだろう、君はそういう人だ。
悦びを押さえられずに私は哂った。
今こそ君に刻み付けよう、伝えられなかった私の想いを!
我が名はオストラヴァ!
ボーレタリアの王子にして神と人の敵!
君への嫉妬に燃える黒い亡霊(ファントム)!
さあ、戦おう……勝ち負け等はどうでも良い。最後の一瞬まで、私の存在を君に印す為に!
私はルーンソードを構えつつ、君に向かって駆け出した―――。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

この世界は悲劇なのだろうか……?
誰かが言っていた。
それを高らかに否定しよう。
「否、断じて違う! この悦びが、この昂ぶりが……悲劇であろう筈が無い!」

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【短編小説】Demon's Souls【読切SS】ガルと愉快な仲間達

【Demon's Souls ―悪魔の騎士 銀の誓い―】

ソウルの業と呼ばれる力で繁栄を得た北の大国ボーレタリア。
その国を支配する、賢王オーラント。
老境に至り、憂愁にとらわれた王は、更なる力を求め、最も旧き獣を呼び覚ました。
獣は色の無い濃霧と数多のデーモンを生み、ボーレタリアを蹂躙する。
そして禁忌に触れた王の業により、ボーレタリアと呼ばれた北方の大国は滅んだ。
今やボーレタリアは、悪魔の群れが跳梁跋扈する魔界と化している。

その、ボーレタリアの片隅に地図にも表記されていない谷がある。
ボーレタリア城下の排水と汚水、ストーンファング坑道から流れ出る廃液等……。
全ての澱みが流れ着く先、腐敗と汚物に塗れた、世界で最も不浄な穢れの集約地。
いつしか、その地は人々に“腐れ谷”と呼ばれるようになっていた。
霧の裂け目より、閉ざされたボーレタリアの内部に侵入した聖職者、“最も真摯な六番目の聖女”と謳われる聖女 アストラエアと、彼女の従者“暗銀の騎士 ガル・ヴィンランド”は、不浄なる忌み地、“腐れ谷”に疫病や障害により、人の世に見放され、追放された人々が留まっている事を知り、彼等を救済せんと彼の地を訪れた。
そこで二人が見た物は、癒える事の無い病と、デーモンにより奪われ、次第に希薄になっていくソウルの渇きに苦しむ異形と化した人々の姿だった。
彼等を救おうと、彼女は己が神に祈り、人々に救済を説くが、願えども、彼女が信じる神からの救いは訪れなかった。

「私達の神は……不浄に喘ぐ者達の願いを聞き届けてはくれませんでした……」

届かぬ祈り、死に逝く者が神を呪う怨嗟の声、弱者の嘆きを聞き入れぬ神に絶望し、聖女は嘆く。
そして、彼女は神を呪い、苦しむ人々から痛みと渇きを取り除く為に、神を捨て悪魔(デーモン)と化した。
悪魔となり、彼等からソウルを奪う事で、ソウルの渇望がもたらす痛みから解放する……。
不浄なこの地において、それだけが唯一つの救済の手段だったのだ。

彼女は今、不浄の只中で静謐に祈りを捧げている。
腐れ谷に集約する、あらゆる不浄も、彼女の神々しさを穢す事は出来ない。
いや、この不浄な世界だからこそ、彼女の真摯な清らかさは際立つと言えるだろう。
不意に彼女は瞳を開き、祈りを中断させた。
静かな世界を怯えのように震わす、侵入者の気配を感じ取ったのだ。
私は無言で立ち上がると、不浄の澱みの中に足を踏み入れ、かの者を迎え撃つ為に歩き出す。

「すみません、ガル・ヴィンランド……ご無事で」

私は彼女の言葉に無言で応えて歩き続ける。
私達の間に余計な言葉は不要だ。
言葉など無くとも、互いの意志は通じているのだから。

「戻ってください、デーモンを殺す者よ……ここは、神に捨てられた者たちが寄り添う場所です……あなたが奪うべき何物も、この地にはありません……お願いです。戻ってください」

歩を進める私の背中から儚い声が響き、不浄な深淵に広がる。
侵入者へ呼び掛ける彼女だが、その懇願に応える事無く、彼の者はにじり寄る。

「やはり、戻れはしないか……」

達観に近い想いで私は嘆息する。
デーモンを殺す者(スレイヤー・オブ・デーモン)。
その者が全身から発する気配は、尋常な人の物では無い。
数多のデーモンを屠り、その力を手に入れた証。
それは人の身で有りながら、人を超えた人外の化生。
彼女と等しく、悪魔のソウルに触れた者だと言うのに……貴様は……貴様は“魔を滅する者”を名乗るのか!?
真に崇高な使命を帯びた彼女を卑しめ、身内にすら悪魔と罵られる……彼女と同じような存在である筈の貴様は英雄だと言うのか!
不浄を受け入れ、最も不浄な存在となった彼女だが、清らかな想いは、“聖女”の名を少したりとも貶める物では無いというのに。
それを貴様は……貴様等は―――っ!
私の憤りが、筋違いな恨みだとは知っている。
自分達が得られなかった賞賛と、英雄への妬み、それらが生んだ歪んだ憎悪……。
全ては私の未熟さが生んだ、浅ましい感情だ。
だが、それは―――。

「……お願いです。戻ってください」

それでも彼女は乞い続ける。
破魔の戦士に戻れと願う。
それが例え、自分の命を奪いに来た者であれ、彼女は一切の者を傷付けるつもりはないだろう。
悪魔に身をやつそうとも、彼女の魂は間違いなく聖女の名に相応しい物なのだ。
ならば……悪魔と成りきれぬ貴女に代わり、私が悪魔となる。
殺せぬ貴女に代わり、貴女を脅かす全ての存在を殺す悪魔に!
卑しめの言葉は全て私が負う。
貴女は純潔な心のまま、崇高な理想を抱く、聖女であれば良い。
そう、私が……私こそが、デーモンだ! 貴女を守る為のデーモンなのだ!
妬み、羨望、憎悪……私の未熟さが生んだ、浅ましい感情。
だがそれこそ、今の私には相応しい!

『すみません、ガル・ヴィンランド……』

私を送り出す時の彼女の言葉が頭を過ぎる。
それは赦しを乞う、謝罪の言葉。
何を言うのです。
貴女が責任を感じる事は無いのです。
私は貴女を責めてはいないのだから……。
むしろ私は感謝しています。
この地に辿り着き、私は初めて自分の感情に素直になれた気がするのです。
自戒や規律や抑制を捨てて、今ならはっきりと言える、誓える!
“酷薄な神”や“悪魔”の為ではなく、貴女の為に闘えると……!

不浄の澱みを乗り越えて、魔を屠る悪鬼がゆっくりと近づいて来る。
だが、ここから先へは進ませない。
彼女の傍には一歩たりとも近付かせなはしない。

「どうしても彼女を害そうというのであれば、仕方ない……この地の底で腐り落ちるがいい」

全ての穢れが澱む、この不浄な世界の最奥で、聖女が放つソウルの光を反射し、暗銀の鎧が鈍く光る。
不浄な世界の中で、己の信念のように曇ることの無い銀の色。
悪魔の騎士はゆっくりと鎧を軋ませ身構えた―――。

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【短編小説】Demon's Souls【読切SS】

ユエル    「久々の小説ッスよ~(゚∀゚)」
ヘイゼル   「やっとか…って、PSU小説じゃNEEEEEEE―――ッ!(#゚Д゚)」
ユエル    「デモンズソウルの短編小説ッスよ(゚∀゚)」

腐れ谷のエピソードと、2chの【PS3】Demon's Souls デモンズソウル スレで検証された内容に、私のフロム脳に光が逆流して、勢いで書いたッス。
だが反省はしないッスよ!(゚∀゚)
タイトルは適当、それじゃいってみるッスよ~!

※訳有って暫し公開停止中(゚∀゚)<オコラレタトカジャナイヨ!(4/3)

ユエル    「まあ、この後、サックリと殺しちゃったッスけどね(゚∀゚)」
ヘイゼル   「ひでえッ! Σ(´Д`lll)」

※ 3/3地味に修正しました(゚∀゚)

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